【新幹線だけ?】東京から奈良への交通アクセスを比較してみた【電車・バス・飛行機】

交通・地理

こちらのページでは、首都「東京」から古都「奈良」への交通手段・アクセス情報について、新幹線・高速バス・飛行機といった各交通手段ごとに解説していきます。

かつての「首都」であった奈良は、とりわけ美麗な仏教美術の魅力や、大都市圏とはまた異なる重厚な歴史・独特の雰囲気が人気を集めています。

特に平成に入って以降は、JR東海の「うまし、うるわし奈良(2022年以降はいざいざ奈良)」キャンペーンなども手伝って歴史・文化に関心のある方の中で「奈良人気」も一層高まり、東大寺や興福寺といった有名スポットのみならず、「穴場」的な観光地も含め年間を通して多くの人が奈良を訪れるようになり、宿泊滞在をされる方も徐々に増加して来ました。

東京~奈良間は、電車で移動する距離にすると500キロ程度となっており、決して短い区間ではありませんが、新幹線のご利用で3時間以内の移動も可能である等、日帰りも視野に入れることも出来る区間でもあります。

以下、各交通手段ごとのルート・運賃・所要時間等をわかりやすくご案内してまいります。

※掲載情報は必ずしも最新のものではない場合があります。一部で運行状況などに変更が生じている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

最速・便利な「新幹線」を利用する

東京と奈良を結ぶルートとして、まず第一に挙げられる存在はやはり「新幹線」を利用したルートです。

東京からのみならず、横浜からでも、名古屋からでも、新幹線によるアクセスが利用できる場所であれば、とにかく新幹線が最も便利であることは言うまでもありません。

新幹線で乗る区間は「東京駅から京都駅」まで。時間にして約2時間少々です。

京都駅からは、「近鉄奈良駅」か「JR奈良駅」のどちらへ行くかによって使うルートが異なります。

京都から近鉄電車を使う

ルート(近鉄特急利用)
東京駅―(新幹線のぞみ号)―京都駅・近鉄京都駅―(近鉄特急)―近鉄奈良駅
所要時間:3時間~3時間15分
運賃・料金:計15,450円

ルート(近鉄急行利用)
・東京駅―(新幹線のぞみ号)―京都駅・近鉄京都駅―(近鉄急行・大和西大寺駅で乗り換えの場合が多い)―近鉄奈良駅
所要時間:3時間15分~3時間30分
運賃及び料金:計14,930円

※新幹線は指定席利用の場合繁忙期などの設定により料金が変動の場合あり、自由席利用の場合850円引き


まず、とにかく「奈良のまちに行きたい。」であるとか、「東大寺などに早く観光に行きたい。」といった希望をお持ちの方、また「ダイヤが乱れにくいルートがよい。」と思われる方は、「近鉄電車」を利用してください。

京都駅では新幹線の中央改札口を出ると、真正面にすでに近鉄京都駅が見えてきますので、迷うようなことはまずありません。新幹線の乗り換えとしては全国で最も便利な乗り換えパターンのひとつと言えるでしょう。

近鉄電車に乗る場合は早い代わりに特急料金が追加で必要な「特急電車」か、特急よりは遅い代わりに「運賃(きっぷ)」だけで利用できる「急行電車」の二択となります。

特急電車の場合、520円の追加料金を払うことで、ゆったりと座りながら、30分少々で近鉄奈良駅にアクセス可能です。特急電車は昼間は約30~60分おきの運転です。

また、急行電車の場合、「近鉄奈良」行きの電車も一部運行されているのですが、「橿原神宮前」行きや「天理」・「大和西大寺」行きも多数運行されています。

「橿原神宮前」「天理」「大和西大寺」行きにご乗車の場合は、40分程度乗車したら到着する「大和西大寺駅」で、降りたのりばまたは同じホームの隣ののりば(1番・2番乗り場)から発車する奈良行き(特急以外)に乗り換えて頂くことになります。

なお、急行電車で座りたい場合は、先頭車両付近に行けば、昼間は多くの場合座ることが可能です。

京都からもJRを使う

ルート
東京駅―(新幹線のぞみ号)―京都駅―(みやこ路快速・快速・区間快速)―JR奈良駅
所要時間:3時間15分~3時間30分
運賃及び料金計:14720円

※新幹線は指定席利用の場合、自由席利用の場合850円引き


近鉄電車以外のルートとしては、これも新幹線の改札口の近くにホームがある「JR奈良線」を利用したルートがあります。

このルートは、基本的には「運賃だけでゆったり座りたい。」であるとか、「ほんの少しでも安い方がよい。」・「JR奈良駅付近のホテルに泊まる予定がある。」といった場合に使ってください。

東京駅からJRのきっぷを奈良駅まで通しで買うと、近鉄電車に乗り換えるよりわずかに安くなります。

JR奈良線の場合、乗り換え時間に余裕を持てば座ることも可能で、近鉄と比べ座りやすい2人掛けの座席で移動することができます。新幹線の京都駅からの場合、「八条東口」を利用するとすぐにJR奈良線のりばへとアクセス可能です。

乗る電車は、昼間であれば「みやこ路快速」一択、それ以外の時間帯は主に「快速」・「区間快速」(一部「普通」)を利用することになります。

混雑については、快速電車は観光客が多く訪れる伏見稲荷大社最寄りの稲荷駅に停車しないため、紅葉の時期などを除きそれほど極端なものにはなりませんが、京都駅の隣「東福寺駅」までは比較的混雑する場合があります。


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格安の場合あり「飛行機(LCC)」でのアクセス

ルート
東京駅―(直通リムジンバス「TYO-NRT(エアポートバス東京・成田)」)―成田空港―(各LCC)―関西空港第2ターミナル―(無料シャトルバス)―関西空港駅―(南海空港急行)―南海なんば駅・近鉄大阪難波駅―(近鉄快速急行・急行)―近鉄奈良駅
所要時間:4時間~5時間程度
運賃:乗車する航空便による
(概ね合計6000円~10000円程度・繁忙期は2万円以上の場合あり)

これまでは、電車を使った一番有名なルートを解説してまいりましたが、東京から奈良・近畿地方へ移動する場合には、飛行機を使うルートももちろんご利用可能です。

但し、飛行機の場合、一見非常に早くいけそうに見えるのですが、奈良の最寄り空港が「関西国際空港」もしくは「伊丹空港(大阪空港)」ですので、関西の空港に着いてから奈良方面に行く(東に戻る)ために結局時間が掛かってしまいます。

そのため、時間的には空港アクセスの問題や乗り継ぎの都合などで新幹線経由よりもかなり長い時間が掛かってしまう場合があります。

つまり、時間的な面で飛行機を使うメリットは特にありません。

では、どういう時に飛行機が便利なのか。

それはひとえにその運賃の「格安」ぶりによるものです。

新幹線は、奈良のホテルと電車のきっぷがパッケージとなった「JR東海ツアーズ」などのフリープランを利用する場合、ホテル代と合わせて安くなることもあります。しかし、基本的には駅・エクスプレス予約で買える割引きっぷなどの場合、東京―奈良間の合計が1万円を下回るようなことはまずありません。

一方、近年はピーチ・アビエーションなどの格安航空会社(LCC)が増えてきており、便数の少なさ、細かい日程や運休時の状況といった点を気にしないならば、「成田―関空」間の航空券が5000円程度で買えるような場合もあると言えます。

東京都心から成田まで、また関西空港から奈良へのアクセスに掛かる費用を合わせて考えてみても、飛行機を使ったほうが安いケースも増えてきたのです。

基本的に飛行機を使う場合、格安航空会社は「成田空港」と「関西空港」を結ぶケースがほとんどですので、それらの空港を利用することになります。

すなわち東京駅からであればリムジンバスや、JR総武線などを利用して成田空港へアクセスし、そこからLCCに乗り換えて頂き、関西空港到着後は南海電車と近鉄を乗り継ぐなどして奈良にアクセスして頂くルートとなります。

新幹線利用と比べ、それなりに面倒であり、かつ時間も余分にかかるケースがほとんどですが、少しでも安く抑えるために、航空運賃が安い時期にはこういったルートを使うのもありでしょう。

なお、JAL(日本航空)やANA(全日空)で羽田空港から大阪伊丹空港を経由し、奈良へ向かうルートは所要時間面・運賃面のいずれも、基本的には奈良へのアクセス上のメリットは目立ちません。羽田からの飛行機を使うのであれば、新幹線のご利用をおすすめします。


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お得な「夜行バス」を使う(JRバス・奈良交通)

※需要などに応じて運行状況・運行形態が変更となっている場合があります。路線・運行の状況は、バス事業者の公式情報をご確認下さい。

<JRバス「青春エコドリーム号」・「グランドリーム号」>
ルート
東京駅八重洲南口・バスタ新宿―JR奈良駅(グランドリーム号は東京ディズニーランド始発・いずれも近鉄奈良は経由しません。)
所要時間:約8時間台
運賃:時期などにより大きく異なります。
概ね青春エコドリーム号の場合3500円~10000円程度、グランドリーム号の場合6000円~11000円程度となっています。

新しい高速バス「ドリームスリーパー号」>
運行日:原則として週末の一部のみ運行(バス会社の情報を要確認)
ルート:
バスタ新宿―大阪駅(桜橋口)経由―大和西大寺駅(南口)・JR奈良駅(東口)
ドリームスリーパー号所要時間:約9時間
ドリームスリーパー号料金:約18,000円~20,000円

奈良交通「やまと号」については、奈良‐横浜・京成上野・「東京ディズニーリゾート®」線がありますが、バスタ新宿・東京駅などの東京都心部は経由しません。

さて、これまでは主に日中にアクセスするルートをご紹介して参りましたが、もちろん「夜行」で行くというルートもあります。

主なルートとしては、JRバスの「青春エコドリーム号」「プレミアムドリーム号」や奈良交通バスなどの「ドリームスリーパー号」・「夜行高速バス『やまと号』」を利用するルートがあります。

高速バスについては、時期による運賃の変動が大きく、運行状況も柔軟に変更されやすいなどの特徴がありますが、時間を効率的に使って移動(奈良で宿泊せずに往復可能)出来るなどメリットが大きい存在です。また、閑散期の場合は、LCCの最安運賃と比べても更に安い運賃で移動可能となっており、状況に応じたコストパフォーマンスの高さも魅力です。

なお、バスはいずれも事前の予約が必要です。

2024年現在「ドリームスリーパー号」の設定(運行日限定)により、週末の移動については、個室から4列シートまで、グレード・運賃の異なる座席の種類からニーズに応じてお選び頂きやすくなっています。

なお、こちらでは解説していませんが、京都方面などへの高速バスを東京からご利用の上、京都~奈良間を電車で移動するようなアクセス方法も可能です。

※運行状況などはこちらの記事の情報から、その後変化する場合ありますのでご注意下さい。

「青春18きっぷ(在来線)」でゆっくりと行く

ルート
東京駅―熱海駅―(静岡駅・島田駅などで乗り換えの場合あり)―浜松駅―豊橋駅―(新快速・快速など)―名古屋駅―(快速など)―亀山駅―加茂駅―(大和路快速・区間快速など)―奈良駅
所要時間:約9時間~10時間
通常運賃:8030円(青春18きっぷの利用で1日当たり2410円)

さて、今まで示してきたルートは比較的時間的、ないしは運賃的にメリットのある一般的ルートです。

しかし、これ以外にも例えば季節販売の青春18きっぷを利用してのんびりとアクセスしたい。という人もいるかもしれません。

青春18きっぷを利用の場合、基本的には東海道本線を乗り継いでいき、途中の名古屋駅からは関西本線の利用が最も早く到着する場合が多いです。

東海道本線では熱海・浜松・豊橋などで乗り換えて名古屋駅に到着後、名古屋駅からは亀山行きの快速電車などを利用し、亀山駅からはJR西日本の小さなディーゼルカーで加茂駅へ、加茂駅からは大阪行きの快速電車などで奈良駅まですぐの到着です。

このようなルートを利用する場合、奈良に夕方に到着しようと思えば、東京駅を朝の7時ごろには出発して頂く必要があります。

日中まるごとを移動に費やして、ようやく17時頃に奈良に到着するといった形となります。

まとめ

東京から奈良への交通アクセスは、新幹線経由・飛行機利用・高速バス・在来線乗り継ぎ等の複数のルートが利用可能です。利便性としては、やはりお値段は高くつきますが、基本的に新幹線と近鉄などを乗り継いでいくルートが最も便利です。

新幹線の場合、東京駅・品川駅~京都駅間を新幹線で移動し、その後は京都駅から近鉄電車又はJR奈良線に乗り換えて奈良へ向かいます。

飛行機のルートについては日程に応じ「新幹線よりも安い」場合があるためメリットはありますが、LCCの性質上、便数や空港アクセスに関しては必ずしも使い勝手が良いとは言えません。

奈良交通等の夜行バスは「直通」で移動可能な便利で安いルートとしてご活用頂けます。

新幹線の場合、ホテル付きの「フリープラン」などパッケージとして購入することにより、非常に割安に利用することも可能ですので、「奈良に泊まる」ことを検討される場合は、「JR東海ツアーズ」等の旅行プランをチェックしてみることもおすすめします。


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