石川県の「雪事情」とは?【地域ごとの状況を知る】

自然・気候

世界的な観光都市である「金沢市」、霊峰「白山」、自然豊かな「能登半島」など、様々な魅力にあふれる「石川県」。典型的な「日本海側気候」の地域である県内では、その量に地域差はありますが、全域で冬場は雪が降りやすい特徴があります。

こちらでは、石川県内の「雪事情」について、地域ごとの大まかな傾向などをまとめて見ていきます。

当記事内の情報は2023年時点の状況に基づく「過去の一般的な傾向」を解説するものです。実際の状況はその時々の気象条件・地域に応じ様々に変化する場合があります。

石川県内観測地点の「基本雪データ」

観測地点名年間降雪量
(cm)
年間最深積雪
(cm)
積雪5cm≧
年間平年日数
過去最大の積雪深
(cm)
白山河内(白山市)5189467.4308 (1981/1/17)
加賀中津原(加賀市)4678062.3246(1981/1/17)
珠洲(珠洲市)2023929.7159(1985/1/30)
七尾(七尾市)1633223.274(2011/1/31)
金沢(金沢市)1573222.7143(1917/12/29)
輪島(輪島市)1212719.9110(1945/1/18)
【参考】東京861.246(1883/2/8)
気象庁の平年データ・観測データによる

石川県内では6か所で気象庁による「雪の観測」が実施されています。

雪は内陸部の観測地点ではかなり多く、1mを大きく上回る量の雪が積もるような年も見られます。

金沢など都市部・平地・沿岸部ではそこまでの量の積雪にはなりませんが、ある程度の量の雪が積もることが一般的な状況で、一部の年には50cm以上など大雪に見舞われることもあります。

石川県内「地域ごとの雪事情」とは?

能登北部(輪島・珠洲周辺など)

雪の頻度降雪自体は頻繁に見られる
・暖冬の年は降る機会が限られる場合あり
雪の量同じ標高であれば概ね西側で少なく、東側で多い
・標高が高い場所では一気に増える場合あり
・積もる量は状況に応じ様々、輪島など西側では30cm以上はまれ
雪の時期12~2月が多い
・3月の雪は比較的少なめ
・11月、4月の降雪は極めてまれ
雪の要因・冬型の気圧配置(主に西から雲が入る場合)
・大雪は「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」の影響で降る

輪島市・珠洲市の雪事情の概要については、上記の記事で別途解説しています。

能登南部(七尾周辺など)

雪の頻度降雪自体は頻繁に見られる
・暖冬の年は降る機会が限られる場合あり
雪の量同じ標高であれば西よりは東、北よりは南で雪が多い傾向
・志賀町の沿岸部は雪が少なめの傾向
・七尾なども含め全域の平地、沿岸部で極端な量の雪にはなりにくい
・標高が比較的高い山間部では雪が急増の場合あり
雪の時期12~2月が多い
・3月の雪は比較的少なめ
・11月、4月の降雪は極めてまれ
雪の要因・冬型の気圧配置(主に西から雲が入る場合)
・大雪は「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」の影響で降る

七尾市・羽咋市の「雪事情」については、上記の記事で別途解説しています。

加賀地方(金沢・小松周辺など)

雪の頻度多くの年で雪は頻繁に降る
・暖冬の年は、平地では雪が少ない場合も
雪の量沿岸部の積雪は北陸の中では多くない(根雪はまれ)
内陸側へ行くにつれ雪がどんどん増える場合あり
山沿いでは1m以上の積雪も一般的
雪の時期12~2月が特に多い
・3月の雪も時折見られる
・11月、4月の雪は山地を除き極めてまれ
雪の要因・冬型の気圧配置(主に西から雲が入る場合)
・大雪は「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」の影響で降る
・まれに北北西方向から雲が入り、沿岸部中心の雪となる特殊なケースあり
エリア:南丹市・京丹波町

かほく市・金沢市・白山市・小松市の「雪事情」については、上記の記事で別途解説しています。

石川県の雪「ここがポイント」

典型的な日本海側気候・湿った雪が多い

石川県は、冬場に降水量が非常に多くなる「日本海側気候」の特徴が全域で見られる地域です。「冬型の気圧配置」によって頻繁に雪が降り、冬に晴れる日は少なくなっています。海水温が高めの地域ですので、日本海上で雲が発達しやすく「降水量」はかなり多めです。

一方で、「降る内容」を見ると、平地・沿岸部やそれほど標高が高くない地域では、「湿った重い雪」が目立つ他、「みぞれ」や「雨」と「雪」を行き来する場合も少なからず見られるなど、北日本のような乾いた雪がどんどん積もる「雪国」とはタイプが大きく異なります。

他方、気温が十分に低い山地では、発達した雲が急激に大量の積雪をもたらす場合があります。石川県の山沿いは全国屈指の豪雪地が含まれており、2〜3m以上の積雪となるような場所も存在します。

平地の雪は富山側より少ない

湿った重い雪が降りやすい石川県の平地は、季節風が吹き付ける西側を日本海に面する環境ということもあり、北陸地方の中では比較的気温が高めの環境です。

平均気温で見た場合、富山側と石川側では、0.5℃〜1℃くらいの差が見られますが、このわずかな違いは、積もるかどうかといった上ではかなり重要な場合があります。

例えば、金沢など石川県の平地では気温が1℃程度で雪が積もるかどうかといった状況、対して富山県内の平地では0℃台前半の気温であれば、富山側のみでまとまって積もる場合があります。北陸の雪というものは、積もるか積もらないかの微妙なラインを行き来しやすいため、結果として石川側で積もりにくく、富山側では積もりやすいというパターンがしばしば見られます。

十分に寒気が入るような場合は、地域を問わずしっかりと雪が積もりますが、冬型の気圧配置となるケースで、必ず寒気が非常に強いとは限りませんので、こういった地域差が生じやすい点も一つのポイントと言えるでしょう。

能登と加賀では状況が異なる

石川県は、北部は日本海に突き出した格好の「能登半島」となっており、能登半島は南部の加賀側と比べ雪の状況には違いが見られます。

大まかには、能登半島の西部では、沿岸部の雪は県内で最も少ない傾向が見られ、50cm以上積もるような大雪の機会はかなり少なくなっています。

また、海に囲まれた能登半島には、加賀地方内陸部のように特に山深い地域は見られないため、山沿いでは雪は増えるものの、人が住む地域で1m以上頻繁に積もるような、極端に雪が多い豪雪地は存在しないことも特徴の1つです。

但し、能登半島東部の珠洲市街地のように、海沿いでも金沢より雪が多いような地域も存在しますので、能登半島=雪が少ないと決めつけ過ぎない方がよいでしょう。

まとめ

  • 日本海側気候で雪が降りやすい、積もりやすい地域
  • 金沢など都市部でも時にはまとまった積雪に
  • 平地は湿った重い雪が降りやすい
  • 平地の雪は富山県側よりは少なめ
  • 県内で最も雪が少なめの地域は「能登半島西部の沿岸部」
  • 加賀地方の内陸部、山沿いはかなりの豪雪地(2m以上積もるような場所も)
  • 冬用タイヤの利用が不可欠、観光などで訪れる際も利用が必須