東京と大阪の中間点として重要な拠点都市となっている「名古屋」。
そんな名古屋のまちですが、距離的にはどちらかと言えば東京よりも大阪などの近畿地方に近くなっており、古都・奈良との距離は約110キロほどしか離れておらず、奈良から兵庫県の「姫路」などに行く距離と大差ないくらい、その印象と比べると、奈良と比較的「近い」まちになっています。
本ページでは、そんな「名古屋」から「奈良」へのアクセス手段について、電車や高速バスを利用したルートなど、それぞれのアクセス手段について比較しながらご紹介して参ります。
奈良へは新幹線利用で京都経由のルート、近鉄線のみを利用するルート、奈良交通の高速バスを使うルート。主要なものとしてはこの3ルートがあります。
ひとまず新幹線で京都まで行く
ルート:名古屋駅~(新幹線のぞみ号)~京都駅・近鉄京都駅~(近鉄特急・近鉄急行)~近鉄奈良駅
所要時間約1時間30分・運賃7,190円(新幹線指定席と近鉄特急の利用)
所要時間約1時間45分・運賃6,670円(新幹線指定席と近鉄線は急行の利用)
※新幹線自由席利用の場合740円引き
※指定席料金は時期により一定の変動あり(繁忙期・閑散期など)
ルート:名古屋駅~(新幹線のぞみ号)~京都駅~(JR奈良線・みやこ路快速・快速・区間快速)~JR奈良駅
所要時間約1時間30分~50分・運賃6680円(新幹線指定席を利用)
※新幹線自由席利用の場合740円引き
※指定席料金は時期により一定の変動あり(繁忙期・閑散期など)
名古屋と奈良を結ぶルートの中で、圧倒的に所要時間が早いのは、やはり日本の大動脈である「東海道新幹線」を利用するルートです。
この場合、名古屋から東海道新幹線「のぞみ号」を利用して「京都駅」までアクセスし、京都駅からは近鉄電車の「特急」もしくは「急行」、またはJR奈良線の「みやこ路快速」・「快速」・「区間快速」を利用して奈良にアクセスすることになります。
このルートの場合、特に京都から近鉄特急も利用するような場合、1時間30分程度で名古屋から奈良に移動することが可能となっており、非常にスムーズにアクセスできるルートとなっています。
但し、「新幹線」に乗る以上、運賃・料金はあらゆるルートの中で一番高いものとなり、移動時間が短い代わりに相応の料金を払う形になります。
圧倒的な「最速」ルートですので、節約志向でないならば、このルート一択。という形で考えて頂ければよいでしょう。
近鉄特急を乗り継ぎ奈良へアクセスする
ルート:近鉄名古屋駅~(近鉄特急)~大和八木駅~(近鉄特急・急行など)~大和西大寺駅~近鉄奈良駅
所要時間約2時間20分~2時間50分
運賃・料金4,350円(一般特急利用の場合)・4,550円(特急ひのとりレギュラー車両利用の場合)
さて、名古屋と奈良を結ぶルートの中で、多くの奈良県民に親しみのあるルートの一つとしては「近鉄電車」だけを乗り継いでいくルートもあります。
近鉄名古屋駅からの場合、近鉄奈良駅まで行こうとすると少なくとも「大和八木駅」・「大和西大寺駅」の2つの駅で乗り換えて頂く必要があり、ルートとしては南に遠回りするルートとなっていますが、京都駅から新幹線を利用するルートと比べると、運賃は大幅に低く抑えられています。
なお、このルートの場合、基本的には「近鉄特急」を乗り継いでいくことになりますので、近鉄名古屋駅の窓口やチケットレス特急券サービスなどで特急券を事前に購入して頂く必要があります。特急料金については2020年より運行の「ひのとり」と「一般の特急(アーバンライナーなど)」で料金が少し異なり、ひのとりがやや割高になります。
格安ルートとしては「奈良交通の高速バス」もあり、高速バスは乗り換え不要ですが、運行本数ベースでは近鉄線の利用が便利ですので、乗り換えなし・安い代わりに本数の少ないルートか、やや高い(新幹線よりはかなり安い)・乗り換えありでも乗車機会は多いルートか、それぞれの都合に応じて選んで頂く形になります。
但し、近鉄特急利用の場合でも、時間帯によっては乗り継げる特急が少なく「大和八木駅」などからは「急行(一般列車)」などを利用するケースもあるかもしれません。ご利用前には時刻をあらかじめご確認頂くことをおすすめします。
直通の高速バスを利用する
※高速バスについては、需要に応じて運行日や運行便数が変更となる可能性があります。詳細は運行事業者が公表する最新の運行情報をご確認下さい。
ルート:名鉄バスセンター(名古屋駅周辺)~天理(櫟本)・近鉄奈良駅・JR奈良駅
所要時間約2時間25分~2時間45分・運賃3,000円(往復乗車券5,100円)
2024年現在毎日「1日4往復」の運行
さて、平成の半ばにできた新しいルートとしては、奈良交通バスと名鉄バスが共同で運行している高速バス「奈良―名古屋線」を利用するルートというものがあり、こちらも利便性は高い存在です。
このバスの良いところは、なんといっても「直通」アクセス。
電車の場合、名古屋と奈良を結ぶアクセスルートは、必ずどこかで乗り換えをする必要が出てきてしまいますが、このバスはなんと乗り換え要らずで座ったまま名古屋駅から奈良駅までにアクセスすることが出来るのです。
そして運賃も比較的安く、往復利用ではJR・近鉄の「普通運賃」と比べても遜色ないコストパフォーマンスを持っています。
JRや近鉄の場合、普通の運賃プラスで基本的には新幹線や特急を利用する「特急料金」を追加で払うことになりますから、基本的には高速バスルートが最安となるのです。
ただし、少しだけ不便な点はその「本数(運行状況)」にあります。
高速バス一般に言えることですが、新幹線と近鉄を乗り継いでアクセスする場合のように、半ば「時刻表要らず」でアクセスできるわけではありません。
名古屋から奈良への便、また奈良から名古屋の便はいずれも1日4本ずつしか運行されていません。電車と比べると時間的な制約は大きくなりますので、多くの場合自分の観光スケジュールを、バスの運行日・運行時間に合わせて頂くといった形になるでしょう。
また、時間的には近鉄特急を乗り継いでいくルートと大差ありませんが、大型連休などを中心に大規模な渋滞に巻き込まれる恐れもあり、その場合所要時間が大幅に伸びる可能性もありますので注意が必要です。
利用にあたっては、原則として事前に乗車券を予約・購入して頂く必要があります。往復乗車券の場合、当日の日帰りのみならず、土日の宿泊を伴う観光などにもご活用頂けます。なお、事前予約が必要な路線ということで、交通系ICカード乗車券はご利用頂けません。
インターネット予約は 発車オーライネット のサイトなどからご予約下さい。
利用するタイミングを運行日・運行時刻に合わせることが出来る場合、格安の移動手段として高速バスはおすすめです。
JRの在来線だけで移動する
ルート1:名古屋駅~(関西本線快速など)~亀山駅~加茂駅~(大和路線)~奈良駅
所要時間約2時間40分~3時間20分・通常運賃2310円
ルート2:名古屋駅~(東海道線新快速・快速など)~米原駅~(琵琶湖線新快速など)~京都駅~(JR奈良線みやこ路快速・快速など)~奈良駅
所要時間約3時間30分~4時間・通常運賃3410円
さて、これまでは比較的早くて安いルートを中心にまとめて参りましたが、最後に季節販売の「青春18きっぷ」などをお持ちの方のために、JRの「在来線」だけでアクセスするルートについても見ておきましょう。
在来線を利用する場合、昔から名古屋と奈良を結ぶルートとして使われてきた「関西本線」を利用するルートと、本数が多い「東海道本線」を乗り継ぎ京都まで行く形を取るルートの2種類があります。
「関西本線」を利用の場合、まずは基本的にJR東海の「名古屋駅」から「亀山駅」行きの「快速」などに乗車して頂くことになります。
「亀山駅」に到着すると会社はJR西日本に変わり、そこからは「加茂駅」行きの1両編成もしくは2両編成のバスのようなディーゼルカーに乗り換えて頂きます。
ディーゼルカーに乗ってローカル線の旅を1時間以上に渡り楽しんだら、「加茂駅」からは「大阪駅」方面行きの「大和路快速」「区間快速」などに乗り換えて頂ければ15分少々で「奈良駅」に到着します。
また「東海道本線」を利用する場合、まずは「名古屋駅」から「新快速」「快速」電車などを利用して「米原駅」までアクセスして頂きます(途中「大垣駅」で乗換が必要になる場合も多いです)。
「米原駅」からは一気に関西の雰囲気に変わり、京都・大阪・姫路方面へ行く「新快速」などに乗り換えて頂いて、すいすいと進んでいくと「京都駅」に到着します。
「京都駅」からはJR奈良線の「みやこ路快速」「快速」「区間快速」などに乗り換えて頂ければ、終点が「奈良駅」となっています。
基本的にはこのようなルートは「青春18きっぷ」の利用を想定していますが、もし実際に普通のきっぷを購入して移動される場合は、「関西本線」経由の方が運賃は安くなっていますので、そちらを利用して頂いたほうがよいでしょう。
まとめ
皆さんもそれぞれの旅行計画などに沿って、使いやすいルートを見つけてスムーズにアクセスして、奈良旅行・奈良観光を楽しんで頂ければと思います。