ウインタースポーツなどで多くの人が訪れる冬のシーズンを終え、今度は雪解け後の美しい植物(花)などで彩られる季節を迎える春の札幌。
当ページでは、春の札幌を「気候」というテーマに絞って、訪れる際に気になる各種の「ポイント(注意点など)」を見て行きたいと思います。
春の訪れはいつ?
札幌の平年値 | 平均気温 | 最高気温平均 | 最低気温平均 |
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3月 | 1.1℃ | 4.5℃ | -2.4℃ |
4月 | 7.3℃ | 11.7℃ | 3.4℃ |
5月 | 13.0℃ | 17.9℃ | 9.0℃ |
「春が来た」と感じる目安というものは、必ずしも一般的な目安はなくそれぞれの体感によるところが多いですが、数字で考えた場合概ね「平均気温10℃(最高気温15度・最低気温5℃)」くらいになれば、冬ではなく春が来たことを実感しやすいと言えるでしょう。
平均気温が10℃以上になる時期(平年値のデータ)を札幌と本州・九州の各地で比較すると、東京・西日本の各地と札幌との差は1か月以上に及び、特に福岡との差は1か月半以上に及びます。
比較的寒冷な仙台・新潟と比べても2週間以上遅くなっており、大まかなイメージとしては、本州の「春」とは1か月程度の時間差を置いて札幌の春がやって来る。というイメージを持って頂くと無難でしょう。
都市 | 札幌 | 仙台 | 新潟 | 東京 | 金沢 | 名古屋 | 大阪 | 広島 | 福岡 |
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平均気温10℃を越える時期 | 4月28日 | 4月12日 | 4月9日 | 3月20日 | 4月3日 | 3月22日 | 3月17日 | 3月20日 | 3月10日 |
札幌との差 | ※ | 16日早い | 19日早い | 39日早い | 25日早い | 37日早い | 42日早い | 39日早い | 49日早い |
もちろん、札幌の場合他の地域と比べ冬場の気温がかなり低い(寒い)ですので、その時期と比べ気温がぐっと上がるだけでも「春が来た」という気分になりやすいというのはありますが、仮に真冬から平均で5℃気温が上がったとしても、首都圏や京阪神各地の「真冬の気温」よりはかなり寒い状態が続きます。
例えば1~2月の平均気温-3℃が、3月の半ばを過ぎて平均気温+2~3℃くらいになっただけでは、さすがに「春がやって来た」ということは難しい状況です。
雪解けの地面などを見て行くと、着実に「春の兆し」は見られるのかもしれませんが、木々もまだ芽吹く時期ではないため、観光などで訪れた方が一般的な意味で「春」を具体的に感じるのは難しく、まだ「冬」の名残を多く感じる時期と言えるでしょう。
梅・桜・新緑の季節は?
春の訪れをまちの風景の中で実感する目安としては、「梅」・「桜」・「新緑」という春を彩る象徴的な存在が挙げられます。
札幌 | 東京 | |
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梅の見頃 | 5月上旬~中旬頃 | 2月中旬~3月上旬頃 |
桜の見頃 | 5月上旬~中旬頃 | 3月下旬~4月上旬頃 |
新緑の時期 | 5月中旬頃~ | 4月下旬頃~ |
梅や桜、新緑については、札幌と東京を比較すると、概ね1か月前後のずれがあります。
札幌の場合寒い期間が長い一方、4月に入ると気温上昇が急に進んでいくため、梅の見頃が桜の見頃と重なることが特徴で、新緑も桜が散ってからそれほど経たない間に一気に広がっていきます。
なお、それぞれの時期はその年の気候次第で大きく異なります。近年は3月以降の気温がかなり高い傾向があるため、桜や梅は4月の下旬から一気に咲いていくことも少なくありません。
札幌における桜の開花日・満開日については、上記の記事で別途解説しております。
積雪が消える時期はいつ?春の雪は?
札幌の平年値 | 降雪量 | 最深積雪 |
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3月 | 74cm | 82cm |
4月 | 6cm | 22cm |
5月 | 0cm | 0cm |
長期積雪(根雪)の最終日 (平年値) | 4月3日 |
積雪の最終日 (平年値) | 4月10日 |
降雪の最終日 (平年値) | 4月19日 |
雪については、冬の間積もっていた雪が残り続ける「根雪」が最も一般的ですが、「根雪」が消えた後に新しく積雪が見られることも時折あります。量は多くはなく、大雪となることはほぼありませんが、根雪の消滅=雪の季節の「完全な終わり」ではありません。
暖冬の年には雪が早く消える場合もありますが、雪の影響が平地でなくなる時期は、概ね4月の中旬以降とお考え頂くのが無難です。
札幌における「雪解け」・「遅い雪」については、上記の記事で別途解説しております。
雨や風はどんな感じ?
札幌の平年値 | 降水量 | 1日10mm以上の雨量となる日数 | 平均風速 |
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3月 | 77.6mm | 2.1日 | 3.8m/s |
4月 | 54.6mm(年間で最も少ない) | 1.6日(年間で最も少ない) | 4.2m/s(年間で最も強い) |
5月 | 55.5mm(年間2番目に少ない) | 1.8日(年間2番目に少ない) | 4.2m/s(年間で最も強い) |
3月についてはまだ冬の延長線上で、雪として降る降水量が比較的多めですが、4~5月は1日の雨量が10mmを超えるようなまとまった雨となることは少なく、ちょっとしたにわか雨程度で済む場合が目立ちます。
但し、気圧配置によってはまれに「爆弾低気圧」が通過したり、寒冷前線などが通過するタイミングで荒れた天気となる場合がありますので、必ずしもずっと安定した天気が続くとは限りません。
「風」については、常に吹いている風速を平均した「平均風速」では、4・5月は1年の中で最も風が強く吹くシーズンとなっています。これは上述した低気圧の発達や前線通過時に強風が吹く影響も大きく、時には台風並みの暴風が吹き荒れることがあります。
汗ばむ陽気になることはある?
3月は雪が多く、4月も下旬になってようやく「春本番」の陽気となる札幌の春ですが、春らしくなり始めてからの「気温上昇ペース」は、本州など南側の日本各地と比べ急に進んでいくことも特徴です。
都市 | 札幌 | 仙台 | 新潟 | 東京 | 金沢 | 名古屋 | 大阪 | 広島 | 福岡 |
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3月と5月の平均気温差 | 11.9℃ | 10.1℃ | 10.5℃ | 9.6℃ | 10.4℃ | 10.2℃ | 10.2℃ | 10.1℃ | 9.1℃ |
札幌との差 | ※ | -1.8℃ | -1.4℃ | -2.3℃ | -1.5℃ | -1.7℃ | -1.7℃ | -1.8℃ | -2.8℃ |
すなわち、3月はまだ冬であっても、4月の終わりや5月になれば、十分暖かい日も増えてくるということになります。
特に2019年には異常なほどの「暖気」が入ったことで、最高気温が35℃近くに達したこともあります。
但し、気温は年ごとの差が大きく、2011年・2021年のように5月中には最高気温25℃を上回らなかった年も見られます。