中国地方の内陸部を東西に貫く高速道路であり、京阪神エリア〜山陰エリアのアクセスにとっても欠かせない存在である「中国自動車道」。
こちらでは、中国自動車道における「雪」について、降る時期・積もる量などに関する基本を解説していきます。
※当記事内の情報は2023年時点の状況に基づく「過去の一般的な傾向」を解説するものです。実際の状況はその時々の気象条件・区間に応じ様々に変化する場合があります。
雪が多い区間・少ない区間
雪がまれな区間 | ・吹田JCT〜福崎IC ・下関JCT〜下関IC |
雪が時に降ることもある区間 | ・福崎IC〜津山IC ・鹿野IC〜下関JCT |
雪が比較的降りやすい区間 | ・津山IC〜広島県内〜鹿野IC |
雪が多めの区間 | 上記降りやすい区間のうち広島県内の一部(北広島町・安芸太田町・廿日市市内など) |
中国自動車道は、大阪府吹田市の吹田JCTから、山口県下関市の下関ICまでの540.1kmを結ぶ日本国内で2番目に長い高速道路です。
雪については、京阪神の都市部周辺や下関周辺(起終点周辺)ではかなり少ない傾向がありますが、それ以外の区間では少なくとも時折雪が降るくらいのことはあり、中国地方の内陸側ほど雪が降りやすい環境となっています。
雪が降る時期は?
12月 | ・初雪が降ることが多い ・中国地方内陸部を中心に「積もる雪」が複数回降る場合も ・年ごとの差は大きく、場所によっては降りやすい年、全区間で降る機会が少ない年など様々 |
1〜2月 | ・中国地方内陸部などでは雪が降りやすい傾向 ・寒波が強い場合、山沿いを中心に連日断続的に降るケースも ・12月と同様に年ごとの差は大きい |
3月 | ・山沿いでは時折雪が降るケースあり ・市街地周辺や沿岸部に近いエリアでは雪の機会はかなりまれ |
その他 | ・標高が特に高い一部区間では過去に11月、4月の降雪事例あり(但しかなりまれ) |
中国自動車道一帯では、西日本の各地と同様に雪が降ることが一般的に見られる時期は、12月〜2月となっています。また、山沿いを中心に3月に雪が降ることもあります。
西日本の冬の気候は、年ごとの差が極端なくらい大きくなる場合があります。そのため、内陸部・山間部の区間で頻繁に雪が降りやすい・積もりやすい年もあれば、全区間で雪の機会が比較的少ない年など、状況は様々です。
規制などは?
道路上の積雪 | ・雪の降り方次第では道路上にしっかり積もる場合も ・標高差が大きい区間があり、短距離で積雪に大きな差が生じる場合がある点に注意 |
規制の実施 | ・冬用タイヤ規制が実施の場合あり(区間はその時々に応じ様々) |
通行止め措置 | ・特に大雪となるケース、または特に大雪が予測されるケースで実施の場合あり ・事故、立ち往生発生時などに実施される場合あり |
中国自動車道における「雪」は、大半のケースでは「冬用タイヤ規制」という形で影響が生じます。雪が積もりやすい区間も多いため、冬場に中国自動車道をノーマルタイヤで走行することはそもそも望ましくありません。内陸部・山間部を走行する機会があるような場合は、基本的には規制の有無を問わず、スタッドレスタイヤを利用しておくのが一般的な対応と言えるでしょう。
中国道は山沿いを通る区間が多くを占めるため、標高差もかなり大きいことが特徴です。一気に峠道を上り下りする場合などは、標高差に応じ雪の状況が異なるケースもあります。また、局地的な雪雲の掛かり具合によっては、短時間で道路上の積雪が増えることもあります。雪が予想されている場合などは、運転に十分な注意が必要です。
雪が降りやすい条件は?
気圧配置 | ・基本「冬型の気圧配置」 ・大雪のケースは「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」の影響を受ける場合も目立つ ・南岸低気圧による雪は山間部、内陸部を中心に影響を受ける場合あり |
雲の動き(冬型) | ・西〜北西〜北北西〜北方向から流れ込むなど地域に応じ様々 ・山口県、広島県西部側では様々な向きから雲が入り込む ・岡山県、兵庫県寄りでは北西〜北北西などから雲が入るパターンが基本 ・大阪、神戸周辺にはそもそも雲がほぼ流れ込まない |
中国自動車道で雪が降る場合、主な要因は西高東低の「冬型の気圧配置」です。
中国自動車道沿いはあくまでも「日本海側」ではありませんが、中国山地などを挟んで日本海沿いからの距離がそれほど遠くはない区間も見られ、山を越えて雪雲が流れ込みやすい環境が広く見られます。
雪が降る上では、雲の動き(風向き)が重要です。中国自動車道沿いの場合、地域によって雪が降りやすい雲の動きには違いがあります。山口県内・広島県の主に西側の場合は、西〜北などかなり様々な向きから雲が入り込み、雪を降らせる場合があります。一方で、岡山県・兵庫県側など東側ほど、北西〜北北西寄りから雲が入るパターンに集中しやすくなります。
また、関東などの雪の要因として知名度が高い「南岸低気圧」は、中国自動車道沿いについても主に山間部・内陸部で雪をもたらす場合があり、平均すれば年1回程度〜(一部見られない年もあり)は標高が高めの地域を中心に南岸低気圧で雪が積もる機会が見られます。
まとめ・注意点
・内陸部、山間部を中心に雪が降りやすい、積もりやすい区間あり
・とりわけ広島県内の一部(北広島町内〜廿日市市内方面)では雪が多くなりやすい
・大阪、神戸、下関周辺の雪は少ない
・雪の影響を受ける場合「冬用タイヤ規制」が実施、大雪の場合などに一部通行止めのケースも
・雪の要因は主に「冬型の気圧配置」、時に「南岸低気圧」の影響で雪となる場合も
・内陸部、山間部の走行時はスタッドレスタイヤの利用が基本