冬の気温はどう変化している?平年値との差から考える【戦後~令和までの気候変動】

自然・気候

冬の気温は、一般に地球温暖化によって上昇傾向にあるとされています。一方で、気候変動は単なる右肩上がりというものではなく、様々な要素が混ざり合いながら、時に気温は急上昇、下降するなどを繰り返しつつ、長期的な意味で「温暖化」しているともされ、年単位で見た場合解釈は難しい場合もあります。

こちらでは、その状況を気象庁の地方ごとの平年気象データを用いる形で、戦後~2022年現在までの具体的な「変動(変化)」状況を見て行きたいと思います。

「全国」の冬の気温変化

冬の気温の「平年差」推移(気象庁の2020年までの平年データとの差)
北日本東日本西日本沖縄・奄美
1946年-1.9-1.7-1.2-0.7
1947年-1.6-2.3-2.0-1.4
1948年-1.1-1.6-1.4-1.3
1949年+1.5+0.9+0.8-0.4
1950年-1.0-0.4±0.0+0.1
1951年-1.8-1.3-1.0-1.1
1952年-1.1-1.1-0.6-0.1
1953年-3.0-1.4-1.1-0.7
1954年-0.4+0.2+0.8+0.5
1955年-0.7-0.4-0.6-1.0
1956年-0.5-0.9-1.0-1.5
1957年-1.3-1.5-1.5-1.0
1958年+0.2-0.1-0.3-0.8
1959年+0.3+0.4+0.6±0.0
1960年-0.9±0.0±0.0±0.0
1961年-1.7-1.5-1.7-1.4
1962年-0.3-0.7-0.9-1.3
1963年-0.2-1.9-2.4-3.3
1964年-0.7-0.5-0.3-0.7
1965年-0.5-0.9-0.9-0.8
1966年-0.7-0.5-0.5±0.0
1967年-2.0-1.8-1.6-1.3
1968年-1.1-2.1-2.7-2.9
1969年-0.5+0.3+0.5+0.4
1970年-1.7-1.3-1.4-1.3
1971年-1.1-1.1-1.1-1.4
1972年-0.1+0.3+0.4±0.0
1973年+0.8+0.2+0.3+0.5
1974年-0.6-2.1-2.0-1.8
1975年-1.9-1.6-1.0-0.1
1976年-0.7-0.7-0.4-1.1
1977年-2.6-2.1-2.4-1.4
1978年-1.7-0.7-0.3-0.7
1979年+0.3+0.9+0.8+0.1
1980年-0.5-0.4-0.8-0.7
1981年-0.8-1.9-2.2-1.6
1982年-0.8-1.0-1.1-1.2
1983年-0.2-0.4-0.7-0.7
1984年-2.1-2.9-2.6-1.9
1985年-1.6-1.2-1.0-0.5
1986年-2.3-2.2-2.4-1.9
1987年-0.8±0.0+0.3-0.7
1988年-1.0-0.2-0.2+0.4
1989年+1.1+0.6+0.7-0.1
1990年+0.4+0.4+0.6-0.2
1991年+1.4-0.1-0.4-0.3
1992年+0.4+0.5+0.6-0.5
1993年+0.9+0.7+0.7-0.1
1994年+0.1-0.3-0.2-0.2
1995年-0.2-0.10.0-0.4
1996年-0.2-1.1-1.3-0.9
1997年+0.5-0.2-0.4-0.7
1998年-0.5+0.3+0.8+0.9
1999年-0.2+0.1+0.3+0.5
2000年-0.3-0.1-0.5-0.3
2001年-1.9-0.6-0.1+0.8
2002年+0.1+0.2+0.3-0.2
2003年-1.0-0.6-0.2-0.2
2004年+0.9+0.4+0.1-0.4
2005年-0.3+0.1±0.0+0.1
2006年-1.0-1.3-1.0-0.3
2007年+1.1+1.21.1+0.6
2008年-0.5-0.5-0.1±0.0
2009年+1.2+1.0+0.6+0.5
2010年+0.2+0.3+0.5±0.0
2011年+0.4-0.1-0.7-1.1
2012年-1.6-1.1-1.0-0.3
2013年-1.4-1.1-0.9+0.1
2014年-0.1-0.5-0.4-0.6
2015年+0.5-0.4-0.5-0.8
2016年+0.8+1.1+0.7+0.3
2017年+0.3+0.5+0.5+0.8
2018年-0.7-1.0-1.5-0.6
2019年+0.2+0.8+1.1+1.5
2020年+0.9+1.9+1.8+1.0
2021年-0.4+0.7+0.6+0.1
2022年+0.1-0.5-0.5±0.0
単位は℃・気象庁の平年差データ(2020年まで)による

全国を4区分(北日本・東日本・西日本・沖縄奄美地方)に分け、更にその地域ごとの冬の平均気温について、1991年~2020年の平年値(平均)との差を見ていくと、1946年~2022年までの場合、上記のような形になります。

大まかに読み取れることは概ね3つあり、1点目としては「長期的に気温は上昇傾向」にあるという点、2点目としては「1980年代頃までと、1990年代以降に極端な差がある(1989年以降急に高温傾向に)」という点、3点目は「地方ごとの差も大きく同様ではない」という点が挙げられます。

上記のグラフを見ても分かる通り、気候変動は確かに長期的な流れで見ると「明らか」で、「昭和の時代」は「今よりかなり寒い」時代であったことは間違いありません。一方で、1年1年のデータは非常に「ギザギザ」した変化を辿っており、全く単純な構図ではありません。

「北日本」の冬の気温変化

沖縄・奄美地方の「冬の気温」の平年差(2020年時点・気象庁データによる)

北日本の冬の気温は、西日本・東日本の傾向とは必ずしも完全な一致は見られず、北日本で寒冬・暖冬でも、他地域では逆の傾向が出ている年も少なからず存在します。

但し、長期的な上昇傾向・昭和から平成に変わるタイミングで急に変動が見られる状況は、同様に読み取れます。

北日本の場合、過去最も温暖な冬は1991年で、東日本・西日本とは違い、近年よりも1990年代前半の暖冬の方がより強い傾向があり、2022年時点においては、グラフが右肩上がりには見えにくいことも特徴と言えます。

暖冬となった年【平成以降の場合10回】
2020年・2016年・2015年・2009年・2007年・2004年・1997年・1993年・1991年・1989年・1973年・1949年
寒冬となった年【平成以降の場合11回】
2021年・2018年・2013年・2012年・2008円・2006年・2005年・2003年・2001年・2000年・1998年・1984~1988年・1980~1982年・1974~1978年・1964~1971年・1960~1962年・1950~1957年・1946~1948年
2020年時点の気象庁の指標に基づく

「東日本」の冬の気温変化

沖縄・奄美地方の「冬の気温」の平年差(2020年時点・気象庁データによる)

東日本の冬の気温は、全国と同様に長期的にはかなりの温暖化傾向、また平成以降の急な気温上昇傾向が読み取れます。2020年の冬が史上最も温暖な冬となっており、近年の高温傾向は顕著です。

より細かく見ると、西日本と比べ各年ごとの変動幅がやや小さい傾向がありますが、北日本・沖縄奄美地方と比べると西日本の傾向に近いと言えます。

暖冬となった年【平成以降の場合12回】
2019~2021年・2017年・2016年・2009年・2007年・2004年・1993年・1992年・1990年・1989年・1979年・1959年・1949年
寒冬となった年【平成以降の場合12回】
2022年・2018年・2012~2015年・2008年・2006年・2003年・2001年・1996年・1991年・1980~1986年・1974~1978年・1971年・1970年・1961~1968年・1955~1957年・1950~1953年・1946~1948年
2020年時点の気象庁の指標に基づく

「西日本」の冬の気温変化

沖縄・奄美地方の「冬の気温」の平年差(2020年時点・気象庁データによる)

西日本の冬の気温は、グラフがかなり「ギザギザ」していることからも分かるように、変動が大きな北日本・東日本と比べても更に変化が大きいと言える状況です。

但し、やはり1989年頃、平成に入ったタイミングを大きなターニングポイントに、長期的にはかなりの上昇傾向が見られ、2020年の冬は史上最も温暖な冬となりました。

但し、近年でも2018年のようにかなり寒くなった年があるなど、寒冬となる場合の平年気温差は東日本よりは大きくなる傾向があります。

暖冬となった年【平成以降の場合13回】
2019~2021年・2017年・2016年・2010年・2009年・2007年・1998年・1993年・1992年・1990年・1989年・1979年・1969年・1959年・1954年・1949年
寒冬となった年【平成以降の場合12回】
2022年・2018年・2011~2015年・2006年・2000年・1997年・1996年・1991年・1980~1986年・1974~1977年・1971年・1970年・1965~1968年・1961~1963年・1955~1957年・1951~1953年・1946~1948年
2020年時点の気象庁の指標に基づく

「沖縄・奄美」の冬の気温変化

沖縄・奄美地方の「冬の気温」の平年差(2020年時点・気象庁データによる)

沖縄・奄美地方は「亜熱帯」にあたり、北極圏からの寒気が国内の北側ほど流れ込みにくい環境です。

そのため、ごく一部の年(1963年など)を除き、冬の気温の変化は国内の他地域と比べ「小さい」傾向があります。沖縄・奄美地方でも他地域と同様、平成に入ったタイミングから温暖化傾向が進んでいますが、他地域ほどの劇的な変動とは言えません。

但し、近年は一般的な地球温暖化で言われるような温度上昇傾向に合わせるように、気温の高い冬が増加しており、2019年に関しては、国内の他地域以上の大暖冬となりました。

暖冬となった年【平成以降の場合12回】
2019~2021年・2017年・2016年・2013年・2009年・2007年・2005年・2001年・1999年・1998年・1988年・1979年・1973年・1969年・1954年・1950年
寒冬となった年【平成以降の場合9回】
2018年・2015年・2014年・2011年・2004年・1995~1997年・1992年・1980~1987年・1976~1978年・1974年・1970~1971年・1967~1968年・1961~1968年・1955~1958年・1953年・1951年・1946~1949年
2020年時点の気象庁の指標に基づく

「冬の気温変化(変動)」ポイント・まとめ

【変化の傾向】
昭和の時代は「寒い」時代・1989年頃を境に気温が大きく変動(高い傾向に)・近年の高温傾向が顕著
【地域ごとの傾向】
北日本は1990年代の暖冬が目立つ・東日本、西日本の傾向は比較的近い・沖縄奄美地方は変動幅が平均的には「小さい」

過去の「暖冬・寒冬・豪雪(大雪)年」に関するテーマは、上記の記事で別途解説しております。