こちらでは、冬場に日本に雪をもたらす最も大きな要因である「冬型の気圧配置」などで生じた大雪・豪雪の事例について、多くの人の記憶に残っている「平成以降」の事例に限り、なるべくわかりやすく、かつ詳細に見て行きたいと思います。
平成以降の雪は、イメージとしては「温暖化」のため古い時期の方が雪が多いと思われるかもしれませんが、「記録的な積雪(豪雪)」で見た場合、1990年代の雪の記録は思いのほか少なく(特に1995年冬までは「寒い冬」がない状態)、むしろ2005年頃以降から平成の後半にかけて豪雪記録がかなり多く、一部は令和に入ってからの記録もあり、一概に「豪雪・大雪が減っている」とは言い難い側面があります。
なお、「豪雪」と「大雪」の言葉の使い分けは、必ずしも厳密な定義があるとは言い難いですが、こちらのページでは、比較的広い範囲で記録的な積雪となったケースを「豪雪」、影響を受けた地域が限られている場合や、太平洋側で珍しく雪がまとまったケース(20cm程度など積雪の絶対量が少ない場合)などを「大雪」と表記しています。
- 2021~2022年冬の豪雪【北海道石狩・本州山間部・近畿北部等で記録的な積雪に】
- 2020~2021年冬の豪雪【北陸・上越方面で記録的積雪に】
- 2017~2018年冬の豪雪【福井で記録的な積雪に】
- 2016~2017年冬の豪雪【鳥取や近畿の一部等で記録的積雪に】
- 2015~2016年冬の大雪・記録的寒波【長崎で記録的積雪・沖縄でみぞれ】
- 2014~2015年冬の大雪【京都・名古屋で記録的積雪、徳島県山間部で孤立集落発生】
- 2013~2014年冬の豪雪【関東甲信地方で記録的な積雪に】
- 2012~2013年冬の豪雪【北日本で記録的積雪に】
- 2011~2012年冬の豪雪【広い範囲で雪が多い典型的な「寒冬」年】
- 2010~2011年冬の豪雪【年末~1月に山陰~北陸で極端な多雪】
- 2005~2006年冬の豪雪【気象庁が命名した唯一の「平成18年豪雪」】
- 2000~2001年冬の豪雪【北日本で積雪がかなり多い冬・近畿北部でも集中豪雪に】
- 1995~1996年の大雪【四日市や近畿中部・岡山県北部などで記録的積雪】
2021~2022年冬の豪雪【北海道石狩・本州山間部・近畿北部等で記録的な積雪に】
主な積雪記録 | 札幌 (北海道) | 厚田 (北海道) | 津南 (新潟県) | 信濃町 (長野県) | 米原 (滋賀県) | 彦根 (滋賀県) | 兎和野高原 (兵庫県) | 倉吉 (鳥取県) |
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最深積雪 | 133 | 198(最多) | 419(最多) | 172 | 91 | 73 | 208(最多) | 64 |
2021~2022年は、一般に寒い冬になりやすいとされる「ラニーニャ現象」が発生したことや、ジェット気流の蛇行などの要因で12月~2月にかけて日本付近は寒気が流れ込みやすい状況が続きました。
12月末には、雪雲の帯である「JPCZ(日本海寒気団収束帯)」が近畿地方の北部を中心に直撃し記録的な大雪となり、彦根市の73cmは69年ぶりの記録となるなど、滋賀県内や京都府・兵庫県の内陸側を中心に50cm以上の積雪を観測しました。
また、1月以降も全国的に寒波が続き、北海道では強い冬型の気圧配置に加え低気圧が急発達しながら進んだ影響などで、札幌周辺(石狩地方)で積雪がどんどん増える形になり、2月の後半までには石狩地方各地で約1m~2mの記録的積雪となり、長期間JR線が運休したり、生活道路が事実上使用不能になるなど、日常生活に大きな影響を与えました。
この他にも、日本海側の広い範囲で「山間部」の積雪がかなり増加し、新潟県の津南では観測史上最多の419cmを観測するなど、全国的に雪が多い傾向となりました。但し本州日本海側沿岸部の雪は平年並みか場所によっては少なくなった場所もあり、特に新潟市では積雪が少ない傾向が顕著でした。
2020~2021年冬の豪雪【北陸・上越方面で記録的積雪に】
主な積雪記録 | 岩見沢 (北海道) | 新津 (新潟県) | 柏崎 (新潟県) | 高田 (新潟県) | 能生 (新潟県) | 富山 (富山県) | 砺波 (富山県) | 福井 (福井県) |
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最深積雪 | 205 | 116 | 128 | 249 | 212 | 128 | 127 | 107 |
2020~2021年の冬豪雪は、全体としては「暖冬」であった冬全体に降ったというものではなく、主に1月7日~11日の期間のみに集中して発生しました。
強い冬型の気圧配置が数日間続き、風向きは「西~西南西」の方角から雪雲が流れ込み続ける状況が続いたため、北陸から新潟県にかけての一部地域のみが集中的な豪雪に見舞われました。
上越高田249cm・富山128cmなどの積雪は、1986年の豪雪以来と平成時代には観測されなかった規模の雪となったほか、新潟市内でも珍しく新津で1m以上の積雪を観測するなど、海に近い場所で雪がかなり多くなった「里雪」の傾向が極めて顕著な事例でした。
この他、北海道でも岩見沢では1月の寒波ではなく12月中にかなり雪が多かったことが影響し、観測史上2回目となる「積雪2m以上」を観測しました。
2017~2018年冬の豪雪【福井で記録的な積雪に】
主な積雪記録 | 幌加内 (北海道) | 肘折 (山形県) | 尾花沢 (山形県) | 新潟 (新潟県) | 金沢 (石川県) | 福井 (福井県) | 香住 (兵庫県) | 八幡 (広島県) |
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最深積雪 | 324(最多) | 445 | 256(最多) | 80 | 87 | 147 | 101 | 206 |
2017~2018年冬は、一般に日本の冬を寒くするとされる「ラニーニャ現象」が発生する中、偏西風が日本付近で南に蛇行したことでシベリアからの寒気が次々に入りやすい状況となりました。
雪は北海道の山間部では12月中から既に多く、北陸なども1月に入り大雪となる日が見られるようになりましたが、特に豪雪をもたらしたのは2月5日~8日にかけての継続的な寒波で、北陸地方及び近畿北部の沿岸部、特に福井県内を中心に記録的な豪雪となりました。
福井の積雪147cmは、昭和の雪が多かった時期との比較でも「豪雪」と言える水準の積雪であり、道路交通等に大きな影響が出たほか、比較的積雪が「少なく出やすい」金沢でも87cmと2001年以来の記録的な雪となりました。
なお、山間部の雪は北海道から本州の日本海側全体で多く、山形県内でも観測史上最多の積雪となった地点が見られたほか、中国地方の広島県八幡でも観測史上2回目の「積雪2m以上」を記録しています。また、四国の一部でも大雪となり、平地でも愛媛県大洲市では1・2月にそれぞれ30cm級の大雪が積もりました。
2016~2017年冬の豪雪【鳥取や近畿の一部等で記録的積雪に】
主な積雪記録 | 小浜 (福井県) | 鳥取 (鳥取県) | 智頭 (鳥取県) | 倉吉 (鳥取県) | 上長田 (岡山県) | 広島 (広島県) |
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最深積雪 | 80 | 91 | 111 | 61 | 135 | 19 |
2016~2017年冬は、日本の広い範囲では「暖冬」傾向の年で、全国的に見れば雪が多い年とは言えませんでしたが、1月から2月にかけて、近畿・鳥取県の一部など狭い範囲のみで、記録的な大雪・豪雪となりました。
1月の寒波は、1月14日~16日にかけての寒波で雪雲が通常入り込みにくい近畿の中部まで入り、日本海側沿岸部ではなく、京都府の南丹市・兵庫県の丹波篠山市・大阪府の能勢町といった地域で大雪となり、一部地域では積雪が50cm以上となったとされるなど、過去を見ても滅多にない水準の大雪となりました。また、京都市でも14cm、広島市でも19cmの積雪を記録しました。
1月23日~24日にかけての寒波では、鳥取県や岡山県北部の山間部で集中的な豪雪となり、鳥取県の智頭では積雪が1mを超え、道路で長時間立往生が発生するなど交通等に大きな影響が発生しました。
また、2月10日~12日にかけては、発達した雪雲の帯(JPCZ=日本海寒気団収束帯)が、鳥取県の東部付近に直撃し続け、鳥取市ではわずか1日半程度で積雪がほぼない状態から、91cmまで増加する滅多にない豪雪となりました。また、この際には福井県の小浜市や兵庫県の豊岡市など、近畿北部一帯でもかなりの大雪となりました。
2017年の事例は、冬全体では暖冬であっても、一部地域では極端な大雪・豪雪になる可能性があることを示す典型的な事例と言えるでしょう。
2015~2016年冬の大雪・記録的寒波【長崎で記録的積雪・沖縄でみぞれ】
主な積雪記録 | 長崎 (長崎県) | 鹿児島 (鹿児島県) |
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最深積雪 | 17(最多) | 14 |
2015年~2016年冬は、冬全体としては「暖冬」の傾向が強い年で、平成以降では2007年などに次ぐ気温の高い冬でした。そのため、全国的な大雪・豪雪が降った年ではありません。
しかしながら、1月23日~25日にかけては100年単位で見てもまれに見るような「猛烈な寒波」が日本にやってくる形となり、特に西日本、その中でも九州・南西諸島では記録的な寒さとなり、一部では大雪となりました。
長崎では1906年の観測開始以来最も多い17cmの積雪を記録し、昭和の「寒い時代」にも観測したことがない積雪となったほか、南国鹿児島でも2011年以来となる14cmの積雪を観測しました。
なお、この際には沖縄県の久米島・名護では「みぞれ(名護では初観測)」、また鹿児島県奄美大島の名瀬では「雪(115年ぶり)」を観測しています。
2014~2015年冬の大雪【京都・名古屋で記録的積雪、徳島県山間部で孤立集落発生】
主な積雪記録 | 名古屋 | 京都 (京都府) |
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最深積雪 | 23 | 22 |
2014~2015年冬は、比較的気温の低い冬で、日本海側各地でも相応の積雪になるなど雪が多い傾向でした。一方で、その中でも記録的な大雪となった地点は日本海側ではない地域が目立つ少し珍しい冬となりました。
2014年12月は、早い時期から強い冬型の気圧配置が繰り返し現れ、12月4日夜~12月5日にかけては、瀬戸内海付近で発生した雲が、徳島県の山間部で強い雪を降らせ続け、三好市・東みよし町・つるぎ町一帯では一部で倒木などで孤立集落が発生するなど大きな影響が生じました。
また、12月17日~18日の強い寒波では名古屋で23cmの積雪と、2005年以来(2005年を除くと1945年以来)の大雪となりました。この際は気温がかなり低く、降水量は合計10mm未満ながら、雪が急速に積もっていったことが特徴となっています。
その後、2015年の元日からも強い寒波となり、京都では元日・2日の午後にそれぞれ大雪となり、積雪は最大22cmと、1954年以来61年ぶりの大雪となりました。
2013~2014年冬の豪雪【関東甲信地方で記録的な積雪に】
主な積雪記録 | 河口湖 (山梨) | 甲府 (山梨) | 秩父 (埼玉) | 前橋 (群馬) | 熊谷 (埼玉) | 那須高原 (栃木) | 白河 | 飯田 (長野) | 東京 |
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最深積雪 | 143 (最多) | 114 (最多) | 98 (最多) | 73 (最多) | 62 (最多) | 88 (最多) | 76 (最多) | 81 (最多) | 27 |
2013年~2014年冬については、寒さや全国的な雪の量はそれほど目立つ年ではありませんでしたが、2014年2月8日・2月14~15日にかけて関東南岸~関東付近を発達しながら通過した「南岸低気圧」の影響で、記録的な豪雪・大雪となりました。
積雪は山梨県内では1m以上、秩父・熊谷・前橋など関東地方の主要都市でも50cm~1m程度という異常な量の積雪となり、農業・交通などに甚大な影響を及ぼしました。
2012~2013年冬の豪雪【北日本で記録的積雪に】
主な積雪記録 | 上川 (北海道) | 石狩 (北海道) | 酸ヶ湯 (青森県) | 弘前 (青森県) | 阿仁合 (秋田県) | 肘折 (山形県) | 尾花沢 (山形県) | 只見 (福島県) |
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最深積雪 | 137 (最多) | 179 (最多) | 566 (最多) | 153 (最多) | 188 (最多) | 414 | 241 | 341 (最多) |
2012~2013年冬は、西日本などではそれほど雪は多くない年でしたが、北日本では平成以降2001年に次いで寒い「大寒冬」となり、各地で豪雪となりました。北日本の気温は12~2月まで一貫して低く、気温が低い中で雪が降り続きやすい状況となったため、積雪がどんどん増えていく状況となりました。
北海道内や青森県では、弘前など平地でも観測史上最多の積雪となった地点があったほか、東北南部も含め山間部では記録的な大雪となり、温泉でも有名な青森県の「酸ヶ湯」では、気象庁による現存する観測地点としてはこれまでで最も多い「566cm(5.66m)」という、想像を絶するような積雪となりました。
この北日本での豪雪は、北極振動と呼ばれる現象や、日本海の海水温の高さなどの影響によるものと考えられています。
2011~2012年冬の豪雪【広い範囲で雪が多い典型的な「寒冬」年】
主な積雪記録 | 美唄 (北海道) | 岩見沢 (北海道) | 新篠津 (北海道) | 長井 (山形県) | 長岡 (新潟県) | 舞鶴 (京都府) | 豊岡 (兵庫県) | 大山 (鳥取県) |
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最深積雪 | 167 (最多) | 208 (最多) | 213 (最多) | 166 (最多) | 170 | 87 (最多) | 100 | 302 (最多) |
2011~2012年の冬は、沖縄などを除き気温がかなり低い「寒冬」の典型とも言える年で、平成以降では2005~2006年に匹敵する、場合によってはそれ以上の寒い冬となり、日本海側の広い範囲で雪の量が多くなりました。要因としては北大西洋熱帯域の高い海水温・ロシア北西海上の「海氷」の少なさ・ラニーニャ現象などが複合的に影響したと考えられています。
雪は12~1月にかけては北海道でかなり多く、特に岩見沢市周辺などで観測史上最多となる豪雪となりました。
1月の後半からは西日本などでも強い寒気が何度も流れ込み、兵庫県の豊岡市では1984年以来となる積雪1mを観測し、鳥取県の大山では観測史上最多となる302cmと、西日本の観測地点で初めて積雪3m以上となるなど、北陸よりも近畿北部・中国地方で雪の多さが目立ちました。
2010~2011年冬の豪雪【年末~1月に山陰~北陸で極端な多雪】
主な積雪記録 | 伏木 (富山県) | 白山河内 (石川県) | 今庄 (福井県) | 柳ケ瀬 (滋賀県) | 峰山 (京都府) | 米子 (鳥取県) | 八幡 (広島県) |
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最深積雪 | 127 | 212 | 244(最多) | 249(最多) | 110 | 89(最多) | 207(最多) |
2010~2011年の冬は、年末から1月いっぱいにかけての約1か月間、昭和の「寒かった時代」を彷彿とされるほどの低温が続き、継続的に寒気が流れ込んだため雪の量も多くなりました。
特に豪雪をもたらした寒波は2回あり、1回目は12月31日~元日にかけての寒波で、こちらは上空に極めて強い寒気が入り、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)と呼ばれる巨大な「雪雲の塊」が、通常滅多に見られない規模で発達し、その強い雪雲が丸1日程度中国地方を中心に掛かり続けた結果、米子で89cmと観測史上最多、境港でも72cmという記録的豪雪となり、国道で1000台規模の車が立ち往生するなど、年末年始の移動に大きな影響を及ぼしました。
なお、この際には気象庁の観測記録には残っていませんが、奈良県南部一帯でも積雪が場所によって50cmを超える異例の大雪となっています。
また、1月はほぼ一貫して強い寒気に覆われ続け、特に1月末の1月26日以降、近畿北部から北陸で積雪が急増し、特に滋賀県~福井県の県境周辺では「昭和の豪雪年」をも上回るような記録的積雪となり、交通などに大きな影響を及ぼしました。
一方で、2月以降は一気に気温が上昇し、雪の量もかなり少なくなったため、気温・天気の差が極めて大きい冬となり、全体として「寒冬」となったのは西日本以西のみでした。
2005~2006年冬の豪雪【気象庁が命名した唯一の「平成18年豪雪」】
主な積雪記録 | 小樽 (北海道) | 盛岡 (岩手県) | 津南 (新潟県) | 湯沢 (新潟県) | 藤原 (群馬県) | 白川 (岐阜県) | 名古屋 (愛知県) |
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最深積雪 | 172 | 76 | 416 | 358 | 301 | 297 | 23 |
2005~2006年冬の豪雪は、気象庁が各種の異常気象に対し命名をする中で、唯一「豪雪」に対する命名が行われた事例「平成18年豪雪」となっています。
豪雪は、2006年に入ってからではなく、かなりの割合が「2005年12月」の間に限って降ったことが大きな特徴で、山間部では一冬で積雪が2~3mとなったのではなく、わずか2週間程度で積雪がほぼない状態から2~3mになったため、影響がより大きくなった側面がありました。
また、雪は全体的に「山雪」の傾向が顕著で、上越高田・富山・金沢・福井・豊岡・鳥取など平地の主な地域では「それなりの雪」にはなったものの、記録的な積雪は観測されませんでした。
雪は通常余り積もらない太平洋側でも積もった場所があり、名古屋では12月19日に1945年以来の積雪23cm、高知では同日に観測史上2番目となる9cm、宮崎では12月22日に極めて珍しい1cm、神戸でも同日4cm、大阪も同日1cmの積雪を記録しています。
2000~2001年冬の豪雪【北日本で積雪がかなり多い冬・近畿北部でも集中豪雪に】
主な積雪記録 | 占冠 (北海道) | 青森 (青森県) | 川渡 (宮城県) | 古川 (宮城県) | 金沢 (石川県) | 敦賀 (福井県) | 香住 (愛知県) | 長崎 (長崎県) |
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最深積雪 | 134 (最多) | 154 | 116 (最多) | 92 (最多) | 88 | 96 | 101 | 13 |
2000~2001年の冬は、西日本では特段寒い冬という状況ではありませんでしたが、北日本では平成以降最も寒い「大寒冬」となり、国内の東西で気温差が非常に大きな冬となりました。
雪については、寒さの割には降る量が少なかった地点もあるほか、これ以降の各年の豪雪の記録が目立つため、多くの地点で観測史上最多の積雪が見られるような状況ではありませんが、青森などでは積雪が1.5mを超えるなどかなりの豪雪となりました。また、1月5日頃にかけての強い寒波では、日本海側からの雪雲が山形県を通り抜け宮城県内に次々に入り込み、古川市など太平洋側寄りの地域でも1m前後の積雪を観測しています。
この他、余り知られていませんが1月14日~17日の寒波では、風向きがほぼ一定のまま強い寒気が留まった結果(いわゆる「里雪」の典型パターン)、近畿北部~北陸の一部では集中的な豪雪となり、観測が行われている金沢・敦賀・香住といった地点でも1m前後の積雪となったほか、気象庁による積雪観測が行われていない丹後半島の北端部では、1mをはるかに超える積雪となったと推定される状況で、北日本以外の地域にも一時的に大きな影響を及ぼす豪雪となりました。
1995~1996年の大雪【四日市や近畿中部・岡山県北部などで記録的積雪】
主な積雪記録 | 敦賀 (福井県) | 岐阜 (岐阜県) | 伊良湖 (愛知県) | 四日市 (三重県) | 京都 (京都府) | 美山 (京都府) | 津山 (岡山県) | 山口 (山口県) |
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最深積雪 | 92 | 48 | 12 (※最多) | 53 (※最多) | 14 | 64 | 40 (最多) | 37 |
※伊良湖・四日市の観測地点は、現在積雪の観測なし
1995~1996年にかけての冬は、北日本を除き平成以降最も寒い冬の一つとなりました。
雪は日本海側の平野部・山間部など、一般的に降りやすい場所でも「それなり」に積もった年でしたが、大きな特徴としては12月・1月・2月にそれぞれ流れ込んだ強烈な寒波により、「通常あまり積もらない場所」でも記録的な積雪となった点が挙げられます。
1995年12月25日~26日頃の寒波では、いわゆる「山雪」とは言えないくらい極端に南側まで雪雲が入りやすい状況となり、太平洋側の四日市で53cm、ドカ雪が少ない岡山県内陸部の津山でも40cmとなったほか、愛知県の最も南側で、特に温暖な気候で知られる伊良湖でも12cmといずれも観測史上最多の積雪となりました。
また、1月9日~10日頃の寒波では、岐阜で48cmの積雪と1954年以来の大雪となったほか、北海道の小樽でも1日84cmという、北海道内ではほぼ見られないような集中的な豪雪が観測されました。
その後、2月10日の寒波でも、今度は山口市で37cmと、1987年に並んで観測史上最多の積雪を観測しています。
過去の「暖冬・寒冬」というテーマについては、上記の記事で別途解説しております。