過去の「暖冬」はいつ?雪が少ない・温暖な冬の記録まとめ【平成以降】

自然・気候

地球温暖化などの影響もあり、近年一般に「冬」の気温は上がり、雪が降る量も減っているとされています。

各年の冬の気候は、特に気温が高い年は気象庁の基準などにより「暖冬」と呼ばれますが、こちらでは、一般的に多くの人の記憶に残っている「平成以降」について、明らかな「暖冬」となった年の気温や雪の量などを一覧でまとめていきます。

なお、こちらでは東日本・西日本のいずれも暖冬となった事例、または北日本のみでかなりの暖冬となった事例を中心に取り扱います。

2020~2021年の暖冬【高温より豪雪・大雪の方が目立った冬】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差-0.4℃+0.7℃+0.6℃+0.1℃
降雪量の平年比106%60%139%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

2020~2021年冬については、北日本を除き東日本・西日本・沖縄奄美地方で「暖冬」となりました。

この年は、2月を中心にかなり気温が高かった一方、1月には北陸地方などで記録的豪雪となり、長崎など九州の一部なども大雪となるなど、「暖冬」といっても「豪雪・大雪」のイメージが大きい冬となり、降雪量も関東や近畿などを除き多くなった場所が目立ちました。

また、特に気温が高い2月中も寒暖差が極端に大きい時期があり、鹿児島では最高気温20℃以上が続いた4日後に、積雪2cmを観測する事例があるなど、典型的な暖冬とは言い難い年でした。

2019~2020年の大暖冬【過去に類を見ない異常高温・ほぼ雪なしの地域も】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+0.9℃+1.9℃+1.8℃+1.0℃
降雪量の平年比56%15%9%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

2019~2020年にかけては、一貫して気温が非常に高い状態が続き、全国的に「大暖冬」となりました。

特に東日本・西日本ではこれまで比較できる時代の中では最も気温が高い、過去に類を見ない暖冬で、東京では昼間の最高気温が10℃未満になることもまれな状況で、九州に至っては朝の最低気温が5℃未満になることがまれで、日によっては最低気温が10℃以上を観測するケースもあるなど、「真冬」と呼ぶには少し無理があるほどの高温となりました。

雪も全国的に極端に少なく、特に北陸から西日本では、平地で雪が積もることは2月の一時期を除きほぼない状況で、標高の高い山間部でも根雪はない状況が大半となるなど、スキー場の稼働状況などに大きな影響を及ぼしました。

新潟ではこの年に積もった雪は最大「1cm」・金沢の最大「3cm」と、日本海側として見た場合雪はほぼ降らなかったも同然で、降っても「雨」や「みぞれ」ばかりが降る状況が続きました。

大暖冬となった要因は、寒気が北極圏から流れ出しにくい「正の北極振動」と呼ばれる状態になっていたほか、東南アジア(熱帯)で対流活動(雲の発達・雨)が低調で、その影響から日本付近で偏西風が「北」に蛇行し、結果としてほとんど強い寒気が流れ込まなかったと考えられます。なお、この年は暖冬にはつきものと言われる「エルニーニョ現象」は発生していませんでした。

2018~2019年の大暖冬【西ほど異常な高温となった冬】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+0.2℃+0.8℃+1.1℃+1.5℃
降雪量の平年比82%35%19%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

2018~2019年冬は、12月~1月にかけて比較的寒くなった北日本を除き暖冬となり、基本は西へ行くほど高くなる傾向が顕著な年でした。

沖縄・奄美の気温は比較ができる時代以降では最も高かったほか、西日本の気温も翌年2021年冬に次いで2番目に高く、西日本の平地では朝の最低気温も5℃以上となる日が目立ち、特に2月は九州で最高気温が15℃以上のポカポカ陽気となる日が多く見られました。

雪は西へ行くほど極端に減り、鳥取と松江では冬期間で最も多く積もった日で最大「4cm」と過去最も少ない雪の量となり、西日本は山間部でも雪がほとんど積もらない期間が目立ちました。

なお、この年は翌年の大暖冬時とは異なり、一般に日本(北日本を除く)で暖冬になりやすいとされる「エルニーニョ現象」が発生していました。

2016~2017年の暖冬【12月が極端な高温・一部では豪雪も】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+0.3℃+0.5℃+0.5℃+0.8℃
降雪量の平年比91%54%95%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

2016~2017年冬は、前年に引き続き暖冬となりました。

この年の暖冬は、北日本を除いては12月~1月初めの気温が非常に高かった影響による点、また寒気が途切れ途切れに流れ込んだ(寒暖差が大きくなった)影響によるところが大きくなりました。

1月中旬以降、2月にかけては相応の強さの寒気が流れ込み、特に中国地方~近畿にかけては記録的な大雪となった(鳥取91cmなど)地域もあるなど、暖冬といっても余りそのイメージが強いような年ではありませんでした。

2015~2016年の暖冬【寒暖差が極端に大きい時期も】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+0.8℃+1.1℃+0.7℃+0.3℃
降雪量の平年比91%68%120%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

2015~2016年にかけての冬は、2014年から継続して「エルニーニョ現象」が過去最長の長さで続き、特に年末にかけてその規模が大きくなったことなどが影響し、平成以降では2020・2019・2007年に次ぐ暖冬となりました。

気温は全国的に高く、東京や大阪で1月上旬に最高気温15℃以上、2月中旬には最高気温20℃以上を観測するなど、暖気が入りやすい状況が続きました。

一方で、1月24日~25日頃にかけては、20世紀に遡る歴史を見てもまれに見るような「強烈な寒波」が日本へと流れ込み、特に九州・南西諸島では記録的な低温を観測し、沖縄本島で「みぞれ」・奄美大島で雪・長崎では過去最高の積雪を観測し、九州・中国地方の広い範囲で最高気温が0℃未満の「真冬日」となるなど、暖冬のイメージを忘れさせるほどの影響をもたらしました。

雪の量は一部ではかなり少なくなったものの、2020・2019・2007年と比べると降った方で、全体的に寒暖差が大きい「暖冬」であったと言えるでしょう。

2008~2009年の暖冬【2月の気温が非常に高かった冬】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+1.2℃+1.0℃+0.6℃+0.5℃
降雪量の平年比94%32%64%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

2008~2009年の冬は、全国的な暖冬となり、特に東と北へ行くほどその傾向が顕著でした。北日本では2020年などの冬よりも気温が高く、過去最も気温が高い1991年に次ぐ大暖冬となりました。

気温は北日本ではほぼ一貫して低かった一方、12月~1月にかけては西日本を中心に比較的寒い日が多く、ある程度の積雪も見られました。但し、2月になると逆に「北日本以外」で気温が急上昇し、2月14日には一部地点で「夏日(最高気温25℃以上)」となるなど「汗ばむ陽気」が見られたほどで、2月の気温は各地でかなり高くなりました。

2006~2007年の大暖冬【2020年冬を除けば「過去最も暖かい冬」】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+1.1℃+1.2℃+1.1℃+0.6℃
降雪量の平年比57%19%26%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

2006~2007年の大暖冬は、2020年の大暖冬を除き、比較ができる時代以降最も温暖な冬でした。

この年はほぼ一貫して北極付近に寒気が溜まり続け、日本など多くの中緯度地帯への寒気の流れ込みが弱く、12月末・2月初頭にやや寒気が入ったほかは、気温が高い状況が続き、全国的な暖冬となりました。

雪も記録的な少なさで山間部も含め根雪とならなかった場所が多く、スキー場の運営などには大きな支障が生じました。また、インフルエンザの流行が遅くなったり、1月からスギ花粉の飛散が始まるなど通常の冬には見られない現象も生じました。

なお、日本海側(特に東日本)で雪が最も増えた時期は3月半ばとかなり遅くにずれ込み、「暖冬」を判断する上での気温の計算には入らない時期(冬は12月~2月の扱い)に一時寒気が強まる変則的な状況も見られました。

2003~2004年の暖冬【北日本中心】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+0.9℃+0.4℃+0.1℃-0.4℃
降雪量の平年比99%71%89%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

2003~2004年の暖冬は、他の暖冬年と比べるとそれほど目立つようなものではなく、西日本以西では暖冬ではありませんでした。

この年は北日本では冬の間ほぼ一貫して気温が高い状況が続いた一方、西日本などは1月は平年より寒く、2月は逆にかなり高い気温となり、寒暖差が大きい冬となりました。

雪については特段大幅に少ない状況ではなく、特に1月の下旬などを中心に相応の積雪が見られたほか、地域によっては3月以降に大雪となった場所もありました。

1997~1998年の暖冬【西日本中心の暖冬】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差-0.5℃+0.3℃+0.8℃-0.9℃
降雪量の平年比106%181%42%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

1997~1998年にかけての冬は、歴史的に見ても類を見ないような「強いエルニーニョ現象」が発生したことなどが影響し、西日本と沖縄・奄美地方ではかなりの暖冬となりました。

但し、北日本は「寒冬」となり、日本国内の東西の気温差がかなり開いた特徴的な冬でもありました。

日本海側の雪は西日本を中心にかなり少なくなった一方、この年は関東で1月に大雪が複数回観測された年としても知られ、早い時期から「南岸低気圧」が繰り返し通過した要因としては暖冬などの影響も考えられます。

1992~1993年の暖冬【沖縄・奄美を除きかなりの暖冬】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+0.9℃+0.7℃+0.7℃-0.1℃
降雪量の平年比99%53%62%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

1992~1993年の冬は、前年の冬と概ね同じ形で沖縄・奄美地方を除き暖冬となり、気温はかなり高くなりました。

雪も東日本・西日本では少な目でしたが、それ以降の大暖冬のようにほぼ全く積もらなかった訳ではなく、少ないとはいえ繰り返し寒気が入ったため、極度の雪不足というような状態にはなりませんでした。

1991~1992年の暖冬【沖縄・奄美を除き暖冬】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+0.4℃+0.5℃+0.6℃-0.5℃
降雪量の平年比97%105%26%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

1991~1992年の冬は、東日本・西日本で暖冬となりましたが、沖縄・奄美地方では寒冬でした。

気温ベースでは、翌年1993年冬の暖冬の方がより温暖な冬でしたが、雪は西日本ではこの年の方がより少なくなった場所も多くなりました。なお、関東では「南岸低気圧」による大雪が降ったため、東日本の雪の量が多く出る形となり、平年比の差が西日本とかなり大きくなっています。

1990~1991年の暖冬【北日本では過去最も暖かい冬】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+1.4℃-0.1℃-0.4℃-0.3℃
降雪量の平年比106%92%74%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

1990~1991年の冬は、東日本から沖縄・奄美にかけては平年より気温が低くなったものの、北日本では12月・1月に記録的な高温となったため「過去最も暖かい冬」となり、国内でも状況には大きな差が見られました。

なお、雪の量については、「最も暖かい冬」といっても北日本の気温は全国的に見ればかなり低いことなどもあり、必ずしも平年を下回ることはなかったほか、日本海側ではない帯広では1日92cmという記録的な豪雪が降った記録が残るなど、雪が少ないイメージとは無縁の「大暖冬」でした。

1989~1990年の暖冬【初の連続する暖冬傾向】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+0.4℃+0.4℃+0.6℃-0.2℃
降雪量の平年比91%137%207%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

1989~1990年は、2020年時点の基準で見た場合、記録を取り始めて以降初めて東日本・西日本で2年連続しての暖冬傾向となった年でした。

この年は冬を通しての暖冬というものではなく、1月の寒さと、2月の異常な高温傾向の間を取って暖冬傾向となったと言える状況で、1月の下旬には日本海側や九州でかなりの大雪となった場所もありました。

また、1月31日~2月1日にかけては、「南岸低気圧」により奈良で過去最高の21cmの積雪を観測するなど、日ごろ雪の少ない地域で積雪が増えたため、降雪量の平年値は見かけ上、暖冬とは到底思えないような高い数字となっています。

1988~1989年の暖冬【本格的な気候変動の始まり?】

北日本東日本西日本沖縄・奄美
平均気温の平年差+1.1℃+0.6℃+0.7℃-0.1℃
降雪量の平年比73%38%47%対象外
気象庁の平年データ(2020年まで)による・数字は平年値との「差」

昭和から平成へ移り変わるタイミングとなった、1988~1989年の冬は、気候変動の歴史として広い意味で見た場合、「気温の高い時代」への到来を告げたとも言える、「ターニングポイント」的な暖冬となりました。

1988年以前の時代を見ると、概ね冬の気温は「平年より低い(寒冬)」年が大半で、一部に平年並みの年、また10年に1回程度に限り暖冬傾向がはっきりした年があるなど、いわば「寒かった時代」と言える状況で、平成・令和の時代とは気候が大きく異なりました。

しかし、この平成に入るタイミングと同じ1988~1989年の暖冬以降、突如として暖冬の年が増加し、今まで見られなかった「暖冬の連続」すら現れるようになりました。

この年の暖冬は、北日本では大暖冬と言えるほどの気温の高さで、全国的に見て雪も少ない年となり、12月が比較的寒かった結果、12月よりも1月・2月の方が気温が高めというかなり珍しい現象も生じました。

過去の「寒い冬」については、上記の記事で別途解説しております。