鳥取県の北西端に位置し、「ゲゲゲの鬼太郎」や「日本有数の漁港」としての知名度が高い観光都市「境港市」。
こちらでは、境港市における「雪」について、降る時期・積もる量などに関する基本を解説していきます。
雪の降る時期は？
| 11月 | ・基本的に降ることはない |
| 12月 | ・ある程度降る年、全く降らない年など差が大きい ・一部の年ではまとまった雪が降る機会も ・何度もしっかり降るようなケースはまれ |
| 1月 | ・比較的多くの年で時折雪が降る ・一部の年ではまとまった雪が降る機会も ・大暖冬の場合など、雪がほぼ降らないシーズンもあり |
| 2月 | ・時折雪が降る年、余り降らない年など様々 ・一部の年ではまとまった雪が降る機会も ・大暖冬の場合など、雪がほぼ降らないシーズンもあり |
| 3月 | ・雪の機会はかなり少ない ・とりわけ近年は雪がほとんど降らない年が多い |
| 4月 | ・基本的に降ることはない |
境港市は、周辺地域と同様に雪が主に降るシーズンは12月〜2月にかけてとなります。市内は狭い上に山地がなく、全ての地域が市街地または平地ですので、地域差は目立ちません。
近年は温暖化の影響に伴い3月の雪が特に大幅に減る傾向で、冬らしさを感じる時期は以前と比べると短くなる傾向が見られます。
雪の量はどのくらい？
| 一般的な冬 | ・何度か積雪することが一般的 ・多い場合で10〜20cm台程度の場合が目立つ ・長期間雪が残ることはない |
| 雪が特に多い冬 | ・積雪50cm以上に達するケースも ・根雪は極めてまれ |
| 雪が少ない暖冬 | ・積もる機会自体がごくわずか ・最大で積雪数cm程度に留まるケースあり |
境港市は、後述の通り「鳥取県内」では雪が最も少ない地域ですが、雪が積もること自体は、一部の大暖冬を除きそれほど珍しくありません。多くの冬で時折雪が積もり、ある程度まとまった積雪となるケースもあります。
一方で、海に近く気温は鳥取県内では最も高めになりやすいこともあり、雪は大半は「積もってすぐ解けて」を繰り返すパターンが目立ちます。2011年1月には、前年末の豪雪の影響で1ヶ月以上積雪が残り根雪となった事例もありますが、こういったケースはかなり特殊なもので、基本的には積雪が長期間残ることが少ない地域となっています。
| 月 | 降雪の深さ合計 (cm) | 最深積雪(cm) | 積雪≧1cm日数 | 積雪≧5cm日数 | 積雪≧10cm日数 | 積雪≧20cm日数 | 積雪≧50cm日数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 12月 | 14 | 9 | 3.5 | 1.8 | 1.0 | 0.3 | 0.0 |
| 1月 | 32 | 15 | 8.4 | 5.4 | 3.4 | 1.7 | 0.1 |
| 2月 | 25 | 14 | 7.0 | 4.1 | 2.4 | 1.0 | 0.1 |
| 3月 | 6 | 4 | 1.2 | 0.6 | 0.3 | 0.2 | 0.0 |
| 年 | 75 | 21 | 19.9 | 11.8 | 7.1 | 3.1 | 0.2 |
雪が降りやすい条件は？
| 気圧配置 | 冬型の気圧配置 |
| 大雪をもたらす要因 | ・JPCZ（日本海寒帯気団収束帯） ・西北西〜北西方向などからJPCZの巨大な雲の塊、帯が掛かり続けるケース |
| 備考 | JPCZの影響ではないケースでは「西寄り」から雲が入る場合に雪が降りやすい |
境港市で降る雪は、基本的に全てが「冬型の気圧配置」によるものです。
まとまった雪が積もる場合は、大半はJPCZ（日本海寒帯気団収束帯）と呼ばれる巨大な雪雲の帯・塊の影響を受けています。
雪の降り方は雲の動く向きによっても異なります。JPCZの影響を受ける場合は、主に西北西〜北西方向などから雲が入り込むケースが目立ちます。一方で、JPCZではなく一般的な「筋状の雲」が掛かって雪が降りやすいのは、「西寄り」から雲が入る場合となります。 なお、JPCZの影響を受けないケースで、雪が大量に積もることはかなりまれな現象です。
周辺地域との比較で見ると？
| 米子市街地 | 境港市街地の方が雪がやや少なめ |
| 松江市街地 出雲市街地 | 境港市街地と同等程度 |
| 倉吉市街地 | 境港市街地の方が雪が少なめ |
| 鳥取市街地 | 境港市街地の方が雪はかなり少なめ |
境港市街地の雪に関する状況（平均的な降雪量の合計）を、周辺の主な市街地と比較すると、境港市の方が「雪が多い」と言えるケースはありません。
最も関係が深い都市である南側の米子市は、境港市と比べるとやや多めで、松江・出雲方面とはそれほど大きな違いはないと言えます。鳥取県内では鳥取市方面など東部側ほど雪がはっきり増える傾向にあるため、それらの地域と比べた場合、境港市の雪はずいぶんと少ない状況になります。
すなわち、鳥取県内で見た場合は「雪が最も少ない傾向」の地域となります。
なお、あくまでも比較は平均的な降雪量で見たものですので、実際の個別具体的な気象状況によっては、境港の方が米子より積もった。といったようなケースもあります。その時々の気象状況をよく確認することが重要です。