東京都は、一般に雪が積もる・降ることは「まれ」とされる地域です。実際に、東京23区などでは雪が一度も積もらない年もあるなど、そう簡単に雪景色が見られるとは限りません。
一方で、都内を見渡すと、雪が積もる頻度・量などは、地域によってある程度の違いが見られる場合があります。こちらでは、都内で「雪が多い場所」はあるのか?というテーマで、基本的な状況を解説していきます。
登山を要するエリアでは「根雪」の場合あり
山地の長期積雪は、関東の南海上を「南岸低気圧」が通過し、しっかりした量の雪が降った後に「長期間雪が解けずに残る」というパターンが基本です。日本海側のように、連日・毎日雪が降って積雪が長期間見られるパターンとは異なります。
気温が低い年であれば、日陰を中心に雪が降った後2週間以上経過しても、積雪がしっかり残っているようなケースもあります。
そして、しばらくしてから「次の雪」が積もって、結果として積雪が1ヶ月以上残っていくようなケースとなる場合に、根雪と言える状態となります。
山地の場合、平地・都市部が雨の場合でも大雪となることがあります。そのため、一見すると雪の気配がないような冬・シーズンであっても、山地ではある程度の積雪が長期間残っていた。というようなケースもあります。
登山を検討される場合は、山地の異なる「雪事情」に対し、あらかじめ把握し、注意を払った上訪れるようにして下さい。
人が住む地域で最も雪が積もりやすい場所は?
これらの地域は、平地・都市部が雨の場合であっても、雪がしっかり積もることがあり、20cm以上などのまとまった積雪がそれほど珍しくありません。人が住む地域では「根雪」となることはかなりまれですが、2014年をはじめ、特に発達した南岸低気圧の影響を受けた年は、人が住む地域であっても「根雪」状態となったこともあります。
一方で、低気圧などの影響を受けにくい年であれば、これらの地域でも雪がほとんど積もらない場合があります。
都市部で雪がやや積もりやすい場所は?
東京にお住まいの方のみならず、全国ネットでもしばしば放映されるのは「八王子駅前」で雪が降る様子をリポートする報道記者の方の姿です。
なぜテレビではすぐに「八王子」の風景を映すのかと言えば、単に「23区内で撮影するよりも『画になる』」ことが多いからと推定されます。
八王子では、東京23区で「うっすら」程度の積雪の場合に「しっかり」積もりやすいため、「定番の撮影スポット」となっているのです。
なお、雪雲の動きや強さは都度異なります。山に近いエリアでも、例えば八王子側では雪がしっかり積もっても、青梅側では比較的少なくなったようなケースもあるなど、状況は都度異なります。また、東京23区側に強い雪雲が掛かった場合、多摩エリアよりも都心側で積雪が見られやすい状況が生じることもあります。「多摩側の雪が多め」は、あくまでも「一般的・平均的な傾向」である点に注意が必要です。