こちらのページでは、東京都内では最も西側に位置し、最も「山深い」地域として知られる奥多摩町・檜原村について、その「雪事情(雪の降る・積もる傾向)」を解説していきます。
奥多摩町・檜原村一帯は標高が高い山地となっており、気温も低めのため関東平野と比べ雪の頻度・量ともに多く、場所によってはかなりの積雪が見られるケースもあります。
掲載情報は2022年時点のものです。その後の観測状況などにより、データなどが変化していることも考えられますので、その点はご留意下さい。
奥多摩町・檜原村での積雪観測はなし
奥多摩町・檜原村内には、公式的な「積雪」を観測する場所はありません。奥多摩町の小河内アメダスでは気温・降水量・風速などの観測は行われているものの、積雪計は設置されていません。
周辺の積雪を把握したい場合、気象庁の「解析積雪深・解析降雪量」を確認する方法、または一帯に設置された「ライブカメラ(YouTubeなどで複数を確認可能)」を確認する方法があります。
奥多摩町・檜原村「月別の降雪・積雪傾向」
奥多摩町・檜原村の「雪事情」について、各月ごとの大まかな傾向をまとめると以下のような形になります。
月 | 雪の傾向 |
---|---|
11月 | ・基本的に雪はほぼ見られない ・2016年にはまとまった積雪事例あり |
12月 | ・雪となる頻度は少ない ・3月よりも雪は見られにくい ・まれに積雪のケースあり |
1月 | ・雪が1回以上積もることが多い ・複数回積雪となる年も一般的 ・「南岸低気圧」の影響を受けやすくなる ・時にまとまった量の雪(10cm以上~)も |
2月 | ・雪が1回以上積もることが多い ・複数回積雪となる年も一般的 ・「南岸低気圧」の影響を受けやすい時期 ・時にまとまった量の雪(10cm以上~)も |
3月 | ・雪となるケースも比較的一般的 ・「南岸低気圧」の影響を依然受けやすい ・時にまとまった量の雪(10cm以上~)も ・雪がほぼ降らない年も見られる |
4月 | ・雪が積もる年もあり ・過去にはまとまった雪となったケースも |
なお、傾向は特記がない限りいずれも「役場(中心部」付近を前提としたものです。奥多摩駅・奥多摩町役場周辺よりも奥多摩湖周辺など、標高がより高くなると雪の頻度・量は増えることになりますので、その点は留意が必要です。
奥多摩町・檜原村の雪事情「ここがポイント」
都内では最も雪が多い地域
東京都内では最も西側に位置し、関東山地一帯の山深い環境にある奥多摩町・檜原村は、「都内で最も雪が多い地域」です。
雪の量は周辺であれば秩父・甲府と比べても多いと言える環境で、「雪国」ではないものの、雪が毎年のように積もり、多い年は何度もまとまって積もるため、雪は比較的身近な存在と言えます。
過去には1m程度の記録的豪雪も
関東地方で記録的な雪となった2014年2月のケースでは、奥多摩町・檜原村では地域によっては1m程度と推定される豪雪となりました。
この際には都心でも30cm近く、八王子でも50cm前後という極端な雪となりましたが、それを更に2~3倍程度上回る積雪となり、孤立集落が発生したり、交通に長期間影響が生じたりするなど甚大な「雪害」となりました。
なお、このような豪雪自体は100年単位で見ても極めて珍しいケースで、通常言われるような「大雪」となる場合、役場周辺であれば推定20~30cm程度のケースが大半を占めます。
標高による地域差大
奥多摩町・檜原村一帯は、どの地域も「山沿い」のため都市部より雪は多めですが、標高は300m未満の地域から、人が住まない場所も含めると1,000m以上の地域など、大きな標高差が見られます。
標高が高い地域ほど気温が低いため、雪の頻度や量も増える傾向となり、役場周辺やJR青梅線沿線よりは、奥多摩湖周辺やより奥にある集落(日原など)の方が雪はより身近な存在となるなど、同じ町内・村内でも地域差が見られます。
場合によっては「積雪なし」の地域と「まとまった積雪」の地域に分かれるケースもありますので、運転時などには注意が必要です。
スタッドレスタイヤなどは必要
雪の頻度が比較的多い奥多摩町・檜原村エリアへ「車」で移動する場合、一般論として「スタッドレスタイヤ」などの装着は必要と言えます。
もちろん、冬の間ずっと雪が積もっている訳ではなく、特に昼間の場合は結果として不要なケースも多いですが、一冬に積雪が複数回見られやすい点・朝晩の冷え込みが非常に厳しい=路面凍結しやすい点・日陰では雪が残りやすい点などを考慮すると、長期間何も降っていないようなケースを除き、ノーマルタイヤで訪れるのはリスクが大きいと言えます。
なお、大雪時に傾斜のある山道を通る場合など、状況によっては「スタッドレスタイヤ+チェーン」が望ましい状況になることもあります。