【正倉院「正倉」】「シルクロードの終着点」としても有名な校倉造りの宝庫

ごあんない

概要・歴史

正倉院(しょうそういん)「正倉」は、東大寺境内の北側、「転害門」や「大仏池」などから比較的近い位置にある奈良時代に建てられた国宝に指定されている「宝庫」であり、古都奈良の世界遺産の一部に含まれています。

「正倉院」は、いわゆる「正倉院展」において展示される奈良時代頃の日本の工芸品シルクロードを渡って日本にもたらされた各種工芸品を収蔵するスペースとなっており、現在の正倉院では昭和期に建てられた西宝庫・東宝庫という頑丈な建物に宝物が収蔵されていますが、かつては「正倉」の建物に多数の宝物が1000年以上に渡り収蔵され続けてきました。

正倉院の歴史としては、奈良時代中頃にあたるの天平勝宝八歳(756年)6月21日に聖武天皇の妻であった「光明皇后」が亡き聖武天皇の忌日にあたって天皇が大切にされた工芸品などを東大寺の大仏さまに奉献されたことがそのルーツであり、その後も5回に渡り光明皇后による奉献が行われ、それらが東大寺の「正倉」に納められることになり、これがいわゆる「正倉院宝物」の起源となっています。また、その後も収蔵品は東大寺における重要な仏具やかつて存在した東大寺羂索院から移転された宝物なども含めて増えていくことになり、現在の「正倉院宝物」は様々なゆかりを有するものとなっています。

なお「正倉」とは、宝物のみならず広く重要な物資を補完する空間と言う意味を持ち、そのような倉庫は奈良時代には各地に存在し、東大寺にもかつては複数存在したとされていますが、現在はこの正倉院の正倉以外は九州にある正倉院のレプリカを除き残されていません。東大寺のこの正倉は、天皇ゆかりの品々を納めており天皇の許可なくしては開けることができない「勅封制度」によってむやみに手を付けることは出来なかったため、結果として宝物も、そして建物も現在まで残されることになったと考えられています。

奈良「正倉院展」の日程・内容・混雑対策・アクセス情報まとめ

建築様式

正倉院「正倉」の建築様式は、有名な「校倉造(あぜくらづくり)」と呼ばれるものとなっています。校倉造の建築は三角形の木材を井楼組(端に切り込みを入れて組み合わせる)に積み上げていくものであり、重厚感ある壁面が特徴となっており、倉庫であるために湿気や浸水を防ぐ高床式となっているほか、柱については地面と床の間に「ネズミ返し」と呼ばれる板が設置されており、宝物などを守る上では効果的な造りとなっています。

規模としては間口は約33メートル・奥行は約9.4メートル・床下は約2.7メートル・高さは約14メートルと比較的大きなスケールとなっており、同じく校倉造の建築として現存する法華堂経庫・唐招提寺宝蔵及び経蔵などと比べると横長に大きな建築となっています。

正倉の内部は、北倉・中倉・南倉に分かれており、このうち北倉については光明皇后ゆかりの宝物を保管する最も重要な「勅封」倉として厳重に管理されてきたほか、中倉と南倉東大寺に関係するものが保管されてきたという歴史を持っています。

なお、正倉院の敷地にはかつての東大寺塔頭「尊勝院」の経蔵であった「聖語蔵」もあり、かつては多数の経典が納められていたことで知られています。

正倉院正倉の見学について

正倉院正倉の見学については、基本的に間近でご覧いただくことや、内部をご覧いただくことは出来ません。しかしながらほぼ通年に渡り平日には東側からその「外構(外観)」をご覧いただけるようになっています。申し込み手続きなどは一切不要で、無料となっています。

公開日時:月曜日~金曜日(平日)の10時~15時

非公開となる日程:土日祝日・12月28日~1月4日・その他行事などの開催時

正倉院の風景

正倉院「正倉」

正倉院正倉は、東側から外観を自由にご覧いただけるようになっています。見学スペースは西向きとなっていますので、写真撮影などにこだわる場合、午前中早い時間に訪れるのがおすすめとなっています。

北倉・中倉・南倉の内部はご覧いただけないので外観のみから区別することは難しい状況ですが、内部は3つのスペースに分かれており、北側は「勅封」の宝物を収蔵するとりわけ重要な空間となっていました。

建物の北側には「杉本神社」と呼ばれる鎮守の神様も鎮座しています。

【杉本神社(正倉院)】勅封の宝物を収蔵する「正倉院」の鎮守神として長い歴史を有する神社

見学スペースへの入り口付近には、奈良時代・江戸時代の瓦がそれぞれ展示されています。

現在の見学エリアは敷地の東側から回り込むような形でアクセスするようになっていますが、正倉院への「正門」と呼べる入り口は別途西側にあり、後方に見える正倉の屋根とともに重厚感ある風景を生み出しています。なお、この場所からの立ち入りは一切出来ません。

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

JR奈良駅西口・近鉄奈良駅より「青山住宅」・「州見台八丁目」行き乗車、「今小路」バス停下車、北東に徒歩10分

近鉄奈良駅から北東に徒歩約25分

※正倉院は大仏殿等からは北に離れた位置にあり、やや場所がわかりにくくなっていますので、案内表示をよくご確認の上アクセスするようにしてください。

近隣スポット

東大寺講堂跡から北西に徒歩3分・知足院から南西に徒歩5分・大仏池から北東に徒歩5分・指図堂から北に徒歩6分・勧進所から北に徒歩6分

正倉院周辺地図