観光のご案内
金堂のある境内地から少しだけ離れた位置にある「塔頭」
唐招提寺「西方院」は、世界遺産「唐招提寺」の現在の境内地から西に近鉄電車の線路を挟んで少しだけ離れた位置にある塔頭寺院であり、またの名を「奥の院」とも呼ばれる存在となっています。
西方院(奥の院)は慈禅という僧侶により鎌倉時代の寛元年間(1243~1246年)頃に創建されたとされており、敷地内には唐招提寺の中興を成し遂げた覚盛上人の直弟子として知られる証玄和尚の墓所や、江戸時代に徳川家と深く関わり奈良の寺社の修繕、復興に幕府からの支援を引き出した人物として知られる大僧正隆光の供養塔(墓所は平城宮跡北側、佐紀池近くにあります)など多数の石塔が設けられています。
阿弥陀如来は快慶晩年の作品です
また、昭和になってから建造された収蔵庫の内部には、快慶が晩年に造り上げた「阿弥陀如来立像」が安置されています。この仏像は、複数回盗難に遭い脇侍や光背などは残されていないものの、仏さまが自ら戻ってきたという伝説が残されているように現在は再びこの地に奇跡的に戻ってきており、像高1メートルほどの来迎印を結ぶ美麗な像となっています。像は金箔が剥落するなど劣化が一部で進むものの、全体として重み・威厳を感じさせる佇まいを持ち、一方では襞の表現の美しさなどからは装飾性を感じることも出来、快慶の作風の一つの「到達点」を感じることも出来る存在となっています。


西方院(奥の院)は唐招提寺の境内地から線路を挟んで西側に広がる住宅街の中にひっそりと佇むような形となっており、非常に古い土壁が印象的な外観となっています。


西方院は、各種観光案内で主なスポットとして案内されていないなど、観光客向けのお寺として通年公開されているようなお寺ではありません。
次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
・JR、近鉄奈良駅から「奈良県総合医療センター」行き乗車、「唐招提寺」バス停下車、西に徒歩3分
近鉄西ノ京駅から北に徒歩10分
近鉄尼ヶ辻駅から南に徒歩13分
周辺のみどころ・観光スポット
唐招提寺拝観受付から西に徒歩3分・唐招提寺金堂から南西に徒歩4分・養天満神社から北に徒歩5分・がんこ一徹長屋から北に徒歩6分・垂仁天皇陵(田道間守墓)から南に徒歩7分