【先払い?】奈良交通バスのちょっとややこしい「乗り方」まとめ【後払い?】

奈良のバスは、同じ乗り場からでもいろんな「乗り方」があります

比較的コンパクトなまちであるとは言え、観光スポットに駅から全て歩いていけるわけではない奈良のまち。そんな奈良の観光には「路線バス」が不可欠な存在となっています。

京都などでは、市バスに京阪バス、京都バスなどと色々なバスが走っておりややこしいですが、奈良を走るバスは、基本的に「奈良交通」バス一社のみが運行しているため、フリー乗車券などの利用をする場合にはあまり迷うことはありません。

しかし、奈良交通バスに乗る場合、少しややこしいのはその「乗り方」。

同じバス停を発車するバスでも、先払いをするバスもあれば、後払いのバスもあり、観光客の人々にとってはどちらから乗ればよいのかわからない場合も多いです。

実際に「東大寺大仏殿」のバス停では、先払いのバスに限って運賃箱のない「後ろ」から乗ろうとする方や、それを見た人が次にやってきた後払いのバスに運賃箱のある「前」から乗ろうとするようなちぐはぐする姿をしばしば見かけます。そして、その影響でバスが3分から5分ほど遅れてしまうことも珍しくありません。

今回は、そんなちょっとややこしい奈良交通バスの乗り方、降り方について、奈良市内の路線についてその種類(路線)ごとにまとめてみました。

バスを利用する際の共通事項

さて、乗り方をご紹介する前に、基本的にどのような「奈良のバス」を使う場合でも同じである内容について述べておきます。

ICカード、使えます

まず、ICOCA、Pitapa、Suica、PASMOといった全国共通のICカード乗車券は、運賃に相当する額がチャージされている限り(ピタパなどの「ポストペイ」の場合チャージはいりません。)は、どのような路線でも利用して頂けます。どんな山奥の路線でも、「大和八木」から「新宮」まで行く全国最長の路線バスを使う場合でも、ICカードはご利用いただけます。

フリー乗車券は見せるだけ

また、奈良交通バスは様々な種類のフリー乗車券を発行しています。(詳細は下記記事をご覧ください。)

【格安】奈良交通バスフリー(一日)乗車券の値段・範囲・特典一覧【奈良を観光する】

それぞれのフリー乗車券は、奈良市内を基本的な乗車エリアとしつつ、その他様々な利用可能エリアを持っていますが、基本的にフリー乗車券を利用する場合、運賃を払う代わりに運転士さんにフリー乗車券の日付が書かれた面を「すっ」と見せるだけで構いません。

これは電車・バスが共通で利用できる「奈良・斑鳩1dayチケット」などでも同様で、運賃箱に券を通したりする必要は一切ありません。

また、特に整理券を取るように券に明記されているわけでもありません。とにかく運賃を払う代わりに券を見せる。それだけでよいのです。

なお、乗る扉・降りる扉は、以下ご紹介する「乗り方」に準ずるものですので、そのように乗り降りしてください。

お釣りは出ません。両替は1000円まで

なお、気を付けて頂きたい点としては、運賃を払う際、大阪の市バスのように、1000円を差し込むと自動でお釣りが返ってくるような仕組みではないことが挙げられます。

すなわち、1000円を両替機で両替して、そこから運賃を再度払ってもらうという仕組みになっているのです。

時折運賃箱に「おつり」が出ると勘違いし、そのまま1000円を投げ込む人がおられますが、あれをやってしまうとその後お釣りを返すための手続きがやっかいになってしまい、バスの遅れが発生しますので、くれぐれもお気を付けください。

また、両替は1000円・500円などのみであり、5000円や10000円には一切対応していません。

時折高額紙幣しかお持ちでない方が運賃を払えなくなり、案内所で払うための手続きについて運転手さんから説明を受けるような光景も目にしますが、その手続きは面倒なものですから、くれぐれも1000円札や小銭をお持ちの上でご乗車になるようにしてください。

わかりやすい「先払い」方式

まずご紹介する「乗り方」は、奈良交通のバスでは一番わかりやすい「先払い」方式です。

これはとても簡単。

前の扉から乗って、まず最初にICカードをタッチするか、運賃を現金で払うか、フリー乗車券を見せるだけなのです。整理券を取ったりする必要は一切ありません。

この乗り方は、始発から終点まで運賃が変わらない「均一制」運賃(210円)となっている一部の路線のみに適用されるものです。

◇先払いの路線(近鉄・JR奈良駅からの行き先)

・奈良で一番利用者の多い黄色いバス「市内循環(1・2系統)」、また「中循環(6系統)」バス

・東大寺の北側、「きたまち」へのアクセスに便利な「青山住宅(118系統・27系統・81系統)」行き

・市役所方面へ向かう「恋の窪町(28系統)」「二条大路南一丁目(27系統)」行き、JR奈良駅西口を経由する「大安寺(81系統)」行き

・佐保川沿いへ行く「県立図書情報館(22系統)」「済生会奈良病院(23系統)」行き

・土日祝日・観光シーズンを中心に運行される「ぐるっとバス」の全ての路線

・「高の原駅」発着の「兜台五丁目(21系統)」「左京循環(16・17系統)」「神功四丁目(1・7系統)」行き

・「西ノ京駅」発着の、「奈良県総合医療センター(64・65系統)」行き

以上の路線が、先払い運賃(均一210)円となっています。

なお、観光客の増加により、JR奈良駅から臨時でほぼ毎日のように「市内循環」バスに加えて運転されている臨時「高畑町」行きや、「春日大社表参道」「東大寺大仏殿・国立博物館」バス停から運行される臨時の「JR奈良駅」行きは、ほとんどの場合これも「先払い」となっています。(基本的に臨時便には「系統番号」が付いておらず、行き先だけが「高畑町」「JR奈良駅」と書かれています。)

一般的な「後払い」方式

これまでは、シンプルで便利な「先払い」方式をご紹介してきましたが、「ごく普通」のバスの乗り方として、奈良に留まらず日本全国で一般的な存在としては「後払い」方式があります。

これは、基本的に始発から終点にかけて、運賃が段々と上がっていくような比較的長い距離を走る路線が当てはまり、奈良交通バスの多くの路線が「後払い」方式となっています。

乗り方は、後ろの扉から乗って、前の扉から降りるというものです。

ICカード乗車券の場合、後ろの扉のICカードリーダーにきちんとタッチして、降りる時にも前の運賃箱にあるICカードリーダーにきちんとタッチする必要があります。

計2回タッチしなければ、降りる時に「ご乗車になった停留所をお知らせください」という警告音が鳴ってしまいますので、きちんと乗り降りする際の両方でタッチしてください。

また、現金で乗車される場合、後ろの扉から乗る時に整理券をきちんと取って、その番号に書かれた運賃を運賃表で確認した上で、その運賃を降りる際、運転席の横にある運賃箱に、「整理券と一緒」にお支払いください。(整理券を丸めたり、小銭を包んだりすると運賃箱が故障する可能性があるのでおやめください。)

奈良交通バスの「後払い」は、京都や大阪の「均一運賃」の後払いとは違い、後ろ扉から乗るときにも、前扉から降りるときにも「やること」がある点にご注意ください。

後払いの路線は、

・先に示した「先払い」の路線以外のすべての「近鉄・JR奈良駅」「西ノ京駅」を発着する路線

・「高の原駅」発着のうち、「先払い」の路線及び「学園前駅(11系統)」を除くすべての路線

・「学園前駅」南口発着の路線のうち、「あやめ池循環(36系統)」「高畑町(160系統)」「近鉄奈良駅(48・161系統)」「尼ヶ辻駅(41系統)」行き

となっています。

地元民向けの「運賃申告方式」(学園前など)

さて、基本的には観光客が利用する主なバス路線は、「先払い」か「後払い」の2択で終わるのですが、奈良市内は大阪のベッドタウンとして発展しているため、郊外の住宅地エリアにも多くのバスが走っています。

そのようなエリア(学園前・富雄・生駒方面)では、住宅地と駅を結ぶというニーズがほとんどであり、一部を除き地元住民が主な利用客であるということもあり、「運賃申告方式」という、非常に合理的である一方、はじめて乗る人にはわけのわからない「乗り方」が存在します。

簡単に言うと、運賃申告方式とは、何も言わなければ、「駅から乗った・駅で降りる」ものとみなして運賃を受け取るシステムです。

また、駅での乗り降りをスムーズにするため、駅から乗る時は「後払い」、駅に向かうときは「先払い」と言う形で同じ路線でも乗り降りの方法が全く異なるというものです。

つまり、駅から乗る時は、

なにもせず後ろ扉から(整理券も取らず・ICカードもタッチせず)バスに乗り、降りる停留所で前の運賃箱にはじめてICカードをタッチするか、現金で駅からの運賃分を支払う。

そして、駅に向かうときは、前扉から乗車し、その時に運賃箱にICカードにタッチすると、駅までの運賃が差し引かれるようになっているほか、現金の場合その時に駅までの運賃を支払ってしまう。

そのような仕組みとなっているのです。

ちなみに、「駅からのバス」に駅ではない途中バス停から乗ったり、「駅行き」のバスで、途中の駅ではないところで降りるようなときは、余計ややこしくやっています。

例えば、「駅からのバス」に途中のバス停から乗るときは、ICカードの場合、「前扉」から乗ってICカードを「乗る時」にも運賃箱とは異なる「乗車用読取機」にタッチする必要があり、その上で降りる時にも「運賃箱のICカードリーダー」にタッチする必要があります。現金の場合は、途中バス停からの運賃を払うことを運転手さんに伝えた上で、降りる時にその分の運賃を支払う仕組みになっています。

また「駅行き」のバスの場合、前扉から乗る時に、「駅ではない」バス停で降りることをあらかじめ運転手さんに伝え、その分の現金の運賃を最初に支払うか、ICカードの場合運転手さんがその運賃分を差し引くように操作してからタッチして支払うことになります。

このように説明していくと、「運賃申告方式」は、おそらく駅との行き来で使うだけの「住民」にとっては日本一使いやすいシステムである一方、はじめて乗る人にとっては日本一難しいバスの乗り方であるように思われてなりません。

まあ、いずれにせよ、奈良観光でも「霊山寺」や「王龍禅寺」に行く場合以外はこのようなバスには乗りませんし、観光客が「駅」を乗り降りの拠点にしない場合は100%ないと思われますので、そこまでの心配はいりません。

「運賃申告方式」は、

・「学園前駅」を発着する路線のうち先に「後払い」で示した路線以外の全ての路線

・「富雄駅」を発着する全ての路線

・「高の原駅」からの「学園前駅(11系統)」

が対象となっています。

まとめ

以上、奈良市内の「奈良交通バス」の様々な乗り方をまとめてきました。

ここでは3種類の「乗り方」を紹介してまいりましたが、基本的に観光客のみなさんは「先払い」か「後払い」の二択であると思って頂いてかまいません。

また、フリー乗車券を利用の場合、チケットを運転手さんに見せるだけですので、それほど難しいことはありません。

なお、最後にご紹介した「少しややこしい乗り方」としては郊外の住宅地を走る路線の「運賃申告方式」がありますが、一部の観光スポットを除き、そのような乗り方で行くことはまずありませんので、ご安心ください。

バスという乗り物は、乗ってみれば便利なことも多いですが、乗り方がよくわからない。とか行き先がよくわからない。とか運賃がよくわからない。とかいった理由で乗ることを断念する人も大勢いらっしゃいます。

しかし、少しだけ乗り方を理解すれば、特に「奈良のまち」はバスで便利に巡ることが出来る地域となっていますので、もし乗り方に不安があるならば、この記事をぜひ参考にして、その不安を払しょくしてください。

なるべく大勢の方がバスをスムーズに利用して、奈良観光を楽しんで頂けることを願っています。