観光のご案内
駅前にある巨大な池は15年ほど前までの「夢の跡」
菖蒲池(あやめいけ・菖蒲上池)は、近鉄菖蒲池駅の北側すぐに位置する大規模な池です。周囲には高級住宅街が広がる池の周りには遊歩道が整備され、ウォーキングをする住民の姿が日中は常に見られるなど、地域のオアシス的な存在となっています。
現在の菖蒲池(菖蒲上池)周辺、新しい住宅街やハイグレードなマンションが建っている地域はかつて2004年6月6日の廃園までの間、現在の風景からは考えられないことですが、長きに渡り近鉄(近畿日本鉄道)によって「あやめ池遊園地」が営業されていました。
あやめ池遊園地は1926年に開業し、かつて昭和30年代までは大温泉なども設置され、その後はかつて近鉄が運営していた「OSK日本歌劇団」の拠点としても繁栄していましたが、平成以降の近鉄の各種経営合理化の一環として閉園を余儀なくされ、跡地には近鉄による「近鉄あやめ池住宅地」が設置され現在に至っています。
電車が通る前はのどかな里山でした
「あやめ池」の名の由来は、当地に菖蒲が美しく咲いていたことに由来するとも、また近隣にあった菖蒲が美しい池に与えられていた名が、いつのまにか当地を指すようになっていたとも言われています。なお近鉄線開業前の菖蒲池周辺は、一帯が山林(里山)であり、マツタケがよく産生したと言われるなど、現在の郊外住宅地の風景からは想像もできないのどかな空間が広がっていたとされています。
現在の菖蒲池(菖蒲上池)周辺は、わずか10年余り前まであったあやめ池遊園地の面影もほとんど見られず、季節ごとの自然にあふれ、紅葉などが美しく照り映える水辺として、周辺の蛙股池とあわせ、散策にはもってこいの空間となっています。観光スポットとは言えないエリアですが、大和文華館等にお越しの際は、少しだけ足を伸ばしてみてもよいかもしれません。
菖蒲池(菖蒲上池)の風景


奈良市には数多くの池がありますが、住宅街に隣接するような池としては、菖蒲池を上回る美しさを持つ池はそう多くありません。濁りの少ない池の水に、きれいげな水草が浮かぶ様子。そしてその周囲に住宅が立ち並ぶ様子は、場所は違いますが戦前の「阪神間モダニズム」を想像させるような上品な「郊外」らしさを感じさせます。

菖蒲池は、紅葉の名所として知られている訳ではありませんが、秋になると色とりどりの紅葉で美しく彩られ、水辺の色合いとのコントラストが実に趣ある風景を生み出しています。

池の周りは高級住宅街、高級マンションが数多く立ち並んでおり、駅と直結させるために池を貫く住民用の歩道も設けられています。












次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
近鉄菖蒲池駅から北に徒歩2分
周辺のみどころ・観光スポット
蛙股池から北に徒歩8分、大和文華館から北東に徒歩10分、鷹塚山地蔵尊から北西に徒歩12分、秋篠川の桜並木(中央部)から南に徒歩15分、秋篠寺から西に徒歩25分