【奈良町天神社】高台からの眺めも美しい隠れた桜の名所

ごあんない

「瑜伽神社」と並び立つ位置にある「ならまち」の歴史を物語る神社

奈良町天神社は奈良公園内「浮見堂」近くの小さな丘の上、瑜伽神社前の道を東に行き、石段を登った先にある神社です。境内は小さいながらも立派なものとなっている神社ですが、神職さん等は常駐しておりません。

この神社は、奈良時代頃より御祭神として「産業振興の神」少彦名命 (すくなひこなのみこと)を祀る小さな神社としての歴史を有していたとされていますが、「学業の神」菅原道真を合祀し、天満宮として現在のような形で成立した時期は、1078年、白河天皇の治世であったと伝えられています。なお、その後の奈良町天神社は、元興寺やかつて存在した興福寺大乗院の鎮守の神としても機能し、奈良奉行の信仰も集めるなど、かつての「奈良町」に住まう人々の生活と深く結びついた神社としての歴史を歩んできました。

境内は小さなものですが、本殿の他に多数の境内社、末社があり、浅間神社(祭神:木花咲耶姫命・このはなさくやひめのみこと)、秋葉神社(祭神:火之伽具土神 ・ほのかぐつちのかみ)などのほか、祓戸社、柿本神社、住吉神社、稲荷神社、総霊社が祀られています。

「ならまち」で一番高い場所から奈良の眺めを味わう

歴史ある天神社は、立地としては奈良町エリアで一番高いところにあたる小高い丘の上に建っています。そのため石段を上った先、鳥居の前からは奈良町を一望できるようになっているほか、生駒山地・矢田丘陵・金剛山地など、奈良盆地周囲の山々も眺めて頂くことが可能です。また、近隣にある謎めいた石積みの史跡、「穴場スポット」である「頭塔」の姿を眺めることも可能となっています。

様々な桜が咲き誇る「隠れた名所」

天神社は、その歴史や眺めの良さのみならず、春になると周囲には枝垂桜やソメイヨシノが咲き誇る「桜の名所」としても知られています。規模としては元興寺塔跡などを上回り、ならまちエリアでは最も桜が数多く咲いているスポットになっています。

天神社は、このような様々な「みどころ」があるにもかかわらず、奈良町エリア・奈良公園エリアのはずれに位置していることから、観光客は決して多くはありません。しかし多数の美しい摂社、末社からも伺えるように地元住民に大切にされ、今もしっとりとした歴史ある時間を刻み続ける空間となっています。

桜の時期でも人は決して多くありませんので、奈良ホテル周辺からも、奈良公園一帯からも近い位置にある天神社にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

奈良町天神社の風景

鳥居・入り口付近

奈良町天神社の鳥居

瑜伽神社の前に伸びる細い道を東に進むとすぐに石段があり、その石段を登りきった高台に天神社の境内は広がっています。瑜伽神社とは違い、鳥居は石段を登った先にあります。

奈良町天神社には数多くの境内社・末社がありますが、「総霊社」のみは鳥居の外側に設けられています。

鳥居は二か所にあり、浮見堂方面から伸びる道路沿いにも鳥居が設けられています。

拝殿・本殿周辺

奈良町天神社の拝殿

小高い丘の上にある奈良町天神社は、丘の上にある鳥居を入るとすぐに拝殿前に辿り付きます。境内地はそれほど広くはありませんが、社殿はしっかりとした造りとなっています。

菅原道真ゆかりの「牛」(奈良町天神社)

「天神社」ということで、菅原道真ゆかりの「牛」たちが拝殿前には設けられ、その独特の愛嬌もあり、近くにある狛犬よりも目立った存在になっています。

拝殿内部は簡素なつくりになっていますが、その分奥にある「本殿」が比較的よく見えるようになっています。

天満神社おなじみの「牛」だけではなく、きちんと「狛犬」さんもいらっしゃいます。

奈良町天神社境内にある池

拝殿・本殿の東側には、この規模の神社では珍しく、高台であるにも関わらず「池」が設けられています。

境内社・末社

境内には複数の境内社・末社が設けられています。こちらは木花咲耶姫命 (このはなさくやひめのみこと) をお祀りする浅間神社で、本殿の裏手に設けられています。

三柱筒男神 (みはしらのつつおのかみ)をお祀りする住吉神社は、本殿の北東側、池のほとりに設けられています。

浅間神社の隣には、火之伽具土神 (ほのかぐつちのかみ)をお祀りする秋葉神社もあります。

住吉神社の脇には、柿本人麻呂 (かきのもとひとまろ)をお祀りする柿本神社も設けられています。

鳥居、神門を入ってすぐの目立つ位置には宇賀御魂神 (うかのみたまのかみ)をお祀りする「稲荷社」も設けられています。

ならまちエリア・奈良盆地への眺め

奈良町天神社からの眺め

鳥居の手前からは、「奈良町」天神社の名前の通りならまちエリアを一望しつつ、奈良盆地・二上山・金剛、葛城の山々にかけて広がる穏やかな眺めが広がります。

神社の鳥居の前からは「大文字焼き」で知られる「高円山」も良く見えるほか、写真の右側に見える、石積みの謎めいた城郭のような空間として知られる「頭塔」を眺めることが出来る唯一の場所にもなっています。

「桜」

奈良町天神社周辺の「桜」

境内周辺には多くの桜が咲き誇り、周辺エリアでは最も「桜の名所」と呼ぶにふさわしい風情を見せてくれます。なお、桜はソメイヨシノのみならず、複数の種類が色とりどりに咲き誇ります。

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「天理駅」・「下山」・「窪之庄」行き乗車、「奈良ホテル」下車、東に徒歩3分

・JR、近鉄奈良駅から「市内循環内回り」・「中循環内回り」・「藤原台」・「山村町」・「鹿野園町」行き乗車、「破石町」下車、西に徒歩5分

近鉄奈良駅から南東に徒歩15分

近隣スポット

瑜伽神社から東に徒歩2分、奈良ホテルから東に徒歩3分、浮見堂周辺から南に徒歩3分、頭塔から北西に徒歩5分、円窓亭・片岡梅林から南西に徒歩5分、飛火野から南西に徒歩7分

奈良町天神社周辺地図