観光客・市民・学生などあらゆる方々が大勢利用する「京都市バス」は、一部の路線に観光客が集中することによる弊害が大きくなってきていることなどから、観光に便利な700円の「バス1日券」を2023年10月1日をもって廃止します。
1日券廃止後については、これまでとは利用する上での状況が異なって来ますが、なるべくお得に利用する方法はあるのか?というテーマについて、こちらのページでは一覧形式で各種の「選択肢」をまとめていきます。
頻繁に利用する方・それ以外で状況が異なる
以下、観光客の方がお得に利用する方法・頻繁にご利用になる方がお得に利用する方法について、それぞれ解説していきます。
観光客の方がお得に利用するには?
「地下鉄・バス1日券」が便利
料金 | 大人1,100円・子供550円 |
利用範囲 | 京都市バス・京都市営地下鉄全線 京都バスの一部を除く路線 京阪バスの京都市内の一部を除く路線 |
発売場所 | 地下鉄各駅・京都駅前バスのりばなど |
バス1日券は廃止されたものの、京都市交通局では「地下鉄・バス1日券」は継続して発売しています。
1日の間に複数の離れた観光スポットを巡る場合で、地下鉄・市バスなどを組み合わせて使う場合は、こちらの1日券がお得になる場合が多くなりますので、観光のルート・スケジュールに応じ購入をご検討下さい。
通常運賃での移動も大きな選択肢
乗車回数 | 合計運賃額 | 地下鉄・バス1日券との差額 |
---|---|---|
2回乗車 | 460円 | 640円安い |
3回乗車 | 690円 | 410円安い |
4回乗車 | 920円 | 180円安い |
5回乗車 | 1,150円 | 50円高い |
地下鉄を利用せずに、市バスだけを使って移動するような場合については、バス1日券が廃止されてからはお得に移動する選択肢は現実的に少なくなります。
利用回数がそれほど多くならない場合は、「普通の運賃」をただ払うという乗車方法が、結果として最もお得になるケースが少なくありません。
回数で見ると、市バスを「1日4回」利用するまでは、「地下鉄・バス1日券」よりも通常運賃の方が安くなります。「1日5回」以上利用する場合については、地下鉄に乗るかどうかに関わらず、「地下鉄・バス1日券」のご利用がお得です。
その他お得に利用する方法は?
きっぷの名称 | 発売価格 | 利用可能範囲 |
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バス&えいでん 鞍馬・貴船日帰りきっぷ | 2,000円 | 京都市バス全線 叡山電鉄全線 京阪電車・京都バス一部区間 |
京都市バスに加え、各私鉄などが利用可能なお得なきっぷがご利用頂ける場合があります。
この場合は、「市バスを利用するだけ」では元が取れるものではないため、各きっぷの利用範囲を広く移動する場合に限りお得になります。
嵐電(京福電車)と市バスなどが乗り放題となるきっぷは、過去には発売がありましたが、バス1日券よりも先に廃止となっています。また、大阪・神戸方面からのおでかけに便利な「いい古都チケット」や、奈良方面からのおでかけに便利な「京めぐり」も、2024年度からは発売がなくなっていますので、京都市内までは「通常運賃」で移動し、京都市内で「地下鉄・バス1日券」などをお買い求め頂くのが最もお得な利用方法になる場合が多くなっています。
なお、JR線と京都市バスの両方が利用できるようなきっぷはありません。
市民の方・通勤通学利用には「ポイントサービス」が便利
ポイントサービス | 条件 | 付与額 |
---|---|---|
乗継ポイント | 月額3,600円(小児 1,800円)以上の利用 | バス↔バス乗り継ぎ:150ポイント バス↔地下鉄乗り継ぎ:120ポイント ※1日2回・90分以内の乗り継ぎ限定 |
利用額ポイント | 月額最低3,000円以上の利用 | 3,000〜5,000円利用:1%分 5,000〜8,000円利用:2%分 8,000円以上利用:3%分 |
ポイントサービスは「乗り継ぎ」と「利用額」に応じた2種類のポイントが付与されるものとなっており、特に乗り継ぎポイントについては、実質的に大幅な割引となる場合があるため、大変お得となっています。
利用額ポイントについては、それほどポイント率は高くないものの、利用が多いほどポイントも多くなるようになっています。
付与されたポイントは、特に手続きなどは不要で、翌月の市バス・地下鉄利用料金から50ポイント単位で自動的に割り引かれて精算されます。
なお、利用頻度が特に多い場合は「定期券(市バスフリー定期)」がお得な場合があります。それぞれのご利用の頻度に応じ、最も便利なサービス・券種をご確認頂くのが無難です。
まとめ
京都に観光で訪れる場合、市バスも便利ですが、アクセスする場所によっては「地下鉄」や「JR線」、「京阪電車」など電車を利用するルートが便利な場合もあります。とりわけ、春や秋の観光シーズン、一部の連休、大規模なイベント開催時などは道路渋滞・車内混雑により、一部路線のバスは使いづらいケースもありますので、市バス以外のアクセス手段も含めご検討下さい。