「バス」や「地下鉄」などを使うことで便利にスムーズに観光頂ける街「京都」。
こちらのページでは、大変使いやすいきっぷとして知られる「地下鉄・バス1日券」について、その内容(概要)や便利な使い方を詳しく、じっくりとご案内してまいります。
なお、本サイトは奈良の観光情報を取り扱うサイトですが、奈良と合わせて京都観光をされる方も非常に多いですので、京都市内の交通アクセスに関する情報もご案内しております。
地下鉄・バス1日券とは
京都の「地下鉄・バス1日券」とは、その名の通り京都市内を走る地下鉄(京都市営地下鉄)と、京都市バスをはじめとする路線バスの大半が乗り放題になるという非常に便利でお得な「フリーきっぷ」です。
こちらの「地下鉄・バス1日券」では京都市街地周辺に加え、東山を挟んだ「山科」エリアや、山間部の「大原」エリアや「高雄」エリア、また観光地としての知名度は低いものの優れたスポットの多い「洛西」エリアといった「京都郊外」の各エリアにもアクセスすることが可能となっています。
とにかくアクセス出来る範囲が広いことが、こちらのきっぷの最大のメリットと言えるでしょう。
一例として、「地下鉄・バス1日券」ならば行くことが出来るスポットとしては以下のような場所があります。
三千院・寂光院・江文神社・醍醐寺・随心院・勧修寺・毘沙門堂門跡・大石神社・本圀寺・日野誕生院・桂離宮・洛西竹林公園・大原野神社
市バスの均一運賃「230円」ではアクセス出来ないエリアも含め、京都市内にある大半の「郊外の有名観光スポット」も巡ることが可能な「地下鉄・バス1日券」は、「京都を味わい尽くす」には必携のフリーきっぷとなっているのです。
券種・発売額・他のきっぷとの比較
地下鉄・バス1日券の発売額(料金)は、
1日券:大人用1100円・子供用550円
となっています。
2023年10月1日をもって発売終了になった有名な「バス1日券」は、大人700円での発売でした。バス1日券の場合は「地下鉄・バス1日券」よりも400円安く、230円の均一区間を走るバスに4回乗れば元が取れる計算となっていましたが、地下鉄・バス1日券の場合、「230円のバスに乗るだけ」であれば、1回プラスして5回バスに乗る必要があります。
一方で、地下鉄とバスを乗り継いで利用するような場合は、1往復でも元が取れるような区間があります。
なお、この他にも京都を巡ることができるきっぷは嵐電・京阪など京都市営地下鉄・市バス以外が利用可能なものが設定されている場合があります。
どのきっぷが便利かについては、どこへ行くのか(どの路線を使うのか)によって大きく変わってきますので、あらかじめ移動のスケジュールなどを計画し、それに合ったきっぷをお探し頂くとスムーズに観光できることが多いと言えます。
利用範囲
「地下鉄・バス1日券」の利用範囲については、以下のようになっています。
利用可能なバスは「市バス(全線)」と「京都バス」・「京阪バス」の京都市内の大半の路線となっています。
また、電車については「京都市営地下鉄」のみが利用可能となっています。
アクセス可能な主な観光地については、以下の通りになっています。
230円の「均一運賃」の範囲であるエリアの
清水寺・祇園・金閣寺・銀閣寺・嵐山エリア・嵯峨エリア・伏見稲荷大社・二条城・京都御苑・南禅寺・仁和寺・竜安寺・下鴨神社・上賀茂神社・知恩院・高台寺・東福寺・泉湧寺・苔寺・鈴虫寺・東映太秦映画村・京都水族館・京都鉄道博物館・西本願寺・東本願寺・岡崎神社・城南宮・御香宮神社・松尾大社・鷹峯源光庵・岩倉実相院・詩仙堂・蓮華寺・神護寺・西明寺・髙山寺・平岡八幡宮
に加え、先述した通り山科・大原・洛西エリアなどの
三千院・寂光院・江文神社・醍醐寺・随心院・勧修寺・毘沙門堂門跡・大石神社・本圀寺・日野誕生院・桂離宮・洛西竹林公園・大原野神社
といった観光スポットへも「地下鉄・バス1日券」を利用してアクセスすることが可能です。
なお、大変広い範囲が利用可能な「地下鉄・バス1日券」ですが、アクセス出来ないエリアもあります。
例えばバスでアクセス可能なエリアでも、
・鞍馬エリア(鞍馬寺など)
・貴船エリア(貴船神社など)
・比叡山エリア(延暦寺など)
・京北エリア(常照皇寺など)
については「地下鉄・バス1日券」では利用範囲外となりアクセス出来ません。また、電車については京都市営地下鉄線のみが利用可能となっていますので、その他の鉄道線は利用できませんのでご注意下さい。
発売場所
「地下鉄・バス1日券」の発売場所は、京都市交通局の「市バス・地下鉄案内所」や京都駅前バスのりばの券売機など、市内各地で発売されています。
主な発売場所は以下の通りです。
◇JR京都駅中央口前バス総合案内所
◇京都駅前バスのりば各所に設置の1日券類券売機
◇市バス・地下鉄案内所(コトチカ京都内・太秦天神川駅・北大路駅・烏丸御池駅)
◇京都市交通局の定期券発売所(三条京阪・四条・京都駅・北大路・山科・竹田・六地蔵・二条)
◇地下鉄各駅
◇市バス営業所
◇主要駅近くや主要観光地近く等の一部コンビニエンスストア
◇一部の観光案内所・旅行代理店
で発売されています。
基本的には、京都駅から出発される場合は、京都駅周辺の発売場所で地下鉄・バス1日券をまず最初に購入頂き、その後スムーズな京都観光をお楽しみ頂くスケジュールが最も一般的と言えるでしょう。
関連記事:「京都駅前」バスのりばを徹底解説(各のりば・各系統・券売機・窓口その他)
バス1日券とは異なり、市バス・京都バスなどのバス車内ではお買い求め頂けませんのでご注意下さい。ご乗車になる前にあらかじめ用意することが必要です。
なお、券売機によっては「大人用」のみしか発売されていない場合があります。また、繁忙期などは一時的に一部券売機のきっぷが売り切れるケースもあるかもしれません。
京都駅一帯の場合、発売場所は1つではありません。複数の発売場所がありますので、もしどこかで購入できなかった場合でも、基本的に他の発売場所で購入することが可能です。
便利な使い方
大原エリアなどへは「往復」だけで元が取れる
「地下鉄・バス1日券」は、かつては1200円で「京都観光1日(2日)乗車券」として発売されていましたが、2018年からは値下げされ1日券は900円で発売され、2021年10月からは1100円へ再値上げされています。
なお、再値上げ後においても「往復するだけ」で元が取れる区間があり、大変お得なきっぷであることに変わりありません。
例えば、京都駅~大原間のバス運賃は560円ですが、往復利用の場合は1120円になり、1100円の「地下鉄・バス1日券」の方が少しだけ安くなっています。
また、京都駅~大原間を「地下鉄+バス」で移動した場合は、片道650円ですので往復では200円も「地下鉄・バス1日券」がお得となります。
大原方面へは往復するだけで安いケースがある。というのが「地下鉄・バス1日券」の大きな特徴の1つと言えるでしょう。
山科エリアへは「地下鉄・バス1日券」で
大原エリアや高雄エリアといった山間部の観光地のみならず、京都市街地の一部でありながら、東山を挟んでいるために別の街のような雰囲気を持つ「山科」エリアへも「地下鉄・バス1日券」ではアクセスすることが可能です。
山科エリアは「醍醐寺」や「勧修寺」・「随心院」といった観光名所が点在しており、地下鉄東西線のみならず、「京阪バス」の利用で一層便利にアクセス可能となっていますが、京阪バスは大阪・神戸方面からの「いい古都チケット」や奈良方面からの「京めぐり」といった乗り放題乗車券でも利用できないようになっており、市バス・地下鉄線等に加え、京阪バスも利用できるのはこの「地下鉄・バス1日券」のみとなっています。
山科エリアを巡るルートで観光される場合、「地下鉄・バス1日券」はほぼ「必携」と言ってもよいでしょう。
渋滞回避に「地下鉄」と「バス」の組み合わせもおすすめ
郊外ではなく、「230円の市バス均一区間」の利用エリアの各観光スポットを観光される場合でも「地下鉄・バス1日券」は便利です。
とりわけ春や秋を中心とした土日祝日などいわゆる「観光シーズン」、また祇園祭をはじめとする主要観光行事の開催時は「交通渋滞」・「乗客の集中」により一部のバスがかなり使いにくくなるケースがあります。
そんな時に「地下鉄・バス1日券」を持っていれば、バスに加えて地下鉄線を組み合わせて利用することが出来ますので、渋滞・混雑・遅れをある程度回避することが可能となります。
例えば京都駅から金閣寺へ行く場合、205号系統のバスなどを利用することが多いですが、一部土日祝日など「観光シーズン」を中心に混雑などが多く使いづらくなることもあります。
その場合に地下鉄線で北大路駅まで行き、そこから205号系統のバスなどを利用することで、時間短縮・京都駅周辺などの渋滞回避が可能です。
銀閣寺方面などでも地下鉄+バスの乗り継ぎが可能となっており、二条城・岡崎公園・平安神宮方面などについては、そもそも地下鉄だけで行くことも可能です。
渋滞が少ない場合はバスを極端に回避する必要はないですが、観光客の多い京都ですので、特に観光客の多いシーズンにはこのような「対策」も考慮しながら「地下鉄・バス1日券」を活用して頂くと、よりスムーズな観光を楽しんで頂けることでしょう。
まとめ
京都の「地下鉄・バス1日券」は、230円のバス均一区間(京都市街地の大半)に加え、京都市営地下鉄線全線、また山間部の「大原」エリア、また醍醐寺などのある「山科」エリア方面への路線バスも利用可能になっている利用範囲の広い乗り放題きっぷです。
鞍馬・貴船・京北・比叡山といった山深い一部エリアを除いては、京都市内のほぼ全てのエリア・観光地を「地下鉄・バス1日券」で巡ることが可能です。
発売額は大人1100円・子供550円と、230円のバスに乗る場合は「5回乗る」と元が取れる計算ですが、運賃が高い区間では例えば京都駅~大原間のバス往復のみで「元が取れる」料金となっています。
発売場所は地下鉄線の各駅や案内所、京都駅前バスのりばなどの「券売機」、市内の主要駅や主要バス停近くなどの一部コンビニでも発売されています。なお、バスの車内ではお買い求め頂けませんのでご注意下さい。
観光繁忙期には一部のバス路線が渋滞によって使いにくくなるケースがありますので、バスの「230円均一運賃」の範囲内のみを観光する場合でも、地下鉄線を利用して迂回することが可能な「地下鉄・バス1日券」のご利用がおすすめとなります。
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ぜひ京都市内の観光のみならず、近鉄・JR線を利用して奈良観光へ訪れてみてはいかがでしょうか。