阿蘇地域の「雪事情」とは?【熊本県】

自然・気候

こちらでは、熊本県内の内陸部、九州屈指の観光地として名高い阿蘇地域(南阿蘇村・阿蘇市・高森町・南小国町・小国町・産山村=阿蘇カルデラ周辺)について、冬の「雪事情(雪の降る・積もる傾向など)」を解説していきます。

阿蘇地域は全国的に見て雪が多い地域ではありませんが、九州の中では雪が降りやすい・積もりやすい地域です。但し、標高によって大きな違いがあり、少しの距離で雪の有無が異なってくる場合があります。

雪が降る時期・頻度は?

阿蘇地域では、雪は主に12月~2月にかけて降る場合があります。雪が舞う程度であれば、多くの年で何度も見られる環境で、時には3月などに雪が降ることもあります。

積雪になるような雪は、概ね毎年1回以上は見られ、多い年では何度も雪が積もることがあります。但し、阿蘇地域でも場所によって大きな違いがあり、南阿蘇村の一部など標高が比較的低い地域では、近年は雪が一度も積もらないような冬も見られます。

雪の頻度は基本的に標高の高さに応じた形であり、阿蘇山本体・外輪山周辺など標高が高い場所(1,000m前後など)では雪が比較的降りやすく、カルデラ内など標高が低い地域では雪の頻度は少な目となっています。

雪は「強い冬型の気圧配置」に加え、「南岸低気圧」により降る場合があり、降る回数自体は冬型の気圧配置によるケースが多くなっています。

雪の積もる量は?

阿蘇地域で雪が降る場合、時にまとまって積もることもありますが、カルデラ内の地域などでは、積雪はそれほど増えないケースが目立ちます。

阿蘇地域における「雪」の観測は、2015年までは「阿蘇山」の観測地点(標高1,142m)、それ以降は「南阿蘇」アメダス(標高394m)で行われており、観測の環境は大きく変化しています。

過去のデータでは、阿蘇山の積雪は多くの年で10cm以上、多い年では30~60cm程度のまとまった雪が見られる一方、南阿蘇アメダスでは、2015年~2022年までのデータに限った場合、10cm以上の積雪は一度も観測されていません。

大まかに言えば、阿蘇山の観測地点は阿蘇地域で特に雪が多い地点、南阿蘇の場合は阿蘇地域で特に雪が少ない地点と言えるため、データの解釈は簡単ではありませんが、標高に応じ地域差が大きく、10cm以上の雪が一般的な地域と、そうでない地域に分かれる環境となっています。

なお、降る頻度としては少ない一方、まとまった雪となるケースでは「南岸低気圧」が要因となることも目立ちます。

その他注意点・ポイント

阿蘇地域は雪の頻度もやや多い上に、熊本市など平地と比べ気温はかなり低め(まれに最高気温が氷点下の場合あり)です。積雪となるケースに留まらず、雪が解けた後や雨の翌日などは「路面凍結」の可能性があります。

状況によっては道路が規制(チェーン等規制)されるケースもあるため、原則としては「スタッドレスタイヤ」の装着が望ましい地域と言えます。

また、移動する際のルートによって、積雪・凍結のリスクは大きく異なります。

国道265号・325号線経由で高森峠を通る場合、国道212号線経由で大観峰周辺を通る場合、国道57号線経由で大分県内~阿蘇方面を通る場合などは、標高が高い地域を通るため、国道57号線経由で熊本市方面からアクセスする場合などと比べ、積雪・凍結により注意が必要となります。

熊本県の道路状況道路通行規制情報(防災情報くまもと)
熊本県道路情報カメラ

各地の道路状況については、上記のサイトなどでご確認頂くことが可能です。

熊本県全体の「雪事情」については、上記の記事で詳しく解説しています。