大阪市の気候・天気の特徴とは?【季節ごとに解説】

自然・気候

西日本で最も大きな都市・近畿地方の中心にもあたる「大阪市」。地理的には大阪湾に面し、市内は基本的に全域が市街地(山地や公園を除く緑地は存在しない)である大阪のまちは、「気候」の面では「暑い」イメージを持たれることが多い地域です。

実際に大阪市は都心部ほど気温が特に高くなる「ヒートアイランド現象」の影響を受けやすく、気候区分としては雨が少なく夏の晴れが多い「瀬戸内海式気候」に区分される地域であり、大阪=暑いというイメージは間違っていません。

こちらのページでは、大阪市の気候・天気の特徴について、夏の暑さに留まらず各季節ごとの細かな特徴も含め、全体的に解説をしていきたいと思います。

大阪市の「春」の気候

平均気温平均最高気温平均最低気温降水量日照時間降雪日数
3月9.9℃14.2℃6.0℃103.1mm172.2時間1.9日
4月15.2℃19.9℃10.9℃101.9mm192.6時間0.0日
5月20.1℃24.9℃16.0℃136.5mm203.7時間観測なし
いずれも大阪管区気象台の平年値

春の大阪市は、非常に大まかにいうと「よく晴れて温暖な」気候・比較的湿度の低い環境と言えます。日照時間は真夏に次ぐ長さであり行楽日和となる日も多く、「春らしさ」をしっかりと感じやすいまちとなっています。

寒さについては、大都市ということで冬の名残のように冷え込むことは多くなく、3月にはまれに霜や氷が見られる寒さになることもありますが、基本的にはしのぎやすい環境と言えます。雪についても、近年はほとんど3月に見られることはなく、3月以降に1cm以上雪が積もったケースは平成以降一度もありません。

雨は近畿地方の中でも少ない方で、天気は周期的に変わりますがまとまった雨はそう多くありません。但し、5月頃からは時に大雨となるケースが見られます。

桜については、日本海側を除く関西の主要都市では開花時期・満開時期に大きな差は見られず、温暖な大阪だから1週間早く咲く。といったような特徴的な環境を持つ訳ではありません。また、大阪市内はどこへ行っても標高は低く、山地や海から大きく離れた内陸部と言える場所はありませんので、市内の地域ごとに桜のシーズンに大きな差が出る訳でもありません。

大阪市の「夏」の気候

平均気温平均最高気温平均最低気温降水量日照時間雷日数
6月23.6℃28.0℃20.3℃185.1mm154.3時間1.1日
7月27.7℃31.8℃24.6℃174.4mm184.0時間3.1日
8月29.0℃33.7℃25.8℃113.0mm222.4時間4.3日
いずれも大阪管区気象台の平年値

夏の期間の大阪市は、とにかく「暑い」ことが特徴です。

海に近く朝晩の気温低下が抑えられる特徴に加え、都市化が極限まで進んでいる市内では、いわゆる「ヒートアイランド現象」が発生し、昼間に猛暑となる上にその熱が次の日になるまで抜けきらないという特徴も加わりますので、特に朝の最低気温の高さが際立ち、熱帯夜が当たり前・近年は熱帯夜でない方が珍しいという状況です。

昼間の気温は海に近いため京都のような内陸と比べるとほんの少しだけましですが、差はごくわずかで、ヒートアイランド現象の影響で38℃台になるようなことも珍しくありません。

雨については、最も雨量が多いのは梅雨時の6月であり、多雨地域ではありませんが、時に1日100ミリ前後のまとまった雨・大雨となることもあります。雨量は真夏になると減る傾向が見られ、夏は晴れの日が多いという「瀬戸内海式気候」の典型的特徴を示します。但し、年によっては8月にも台風の影響を受けるなどして大雨となる可能性はあります。

夏の雷・夕立については沿岸部ということで雷雲が発達しやすい内陸の山間部と比べ頻度は少な目ですが、ゲリラ的豪雨には弱い環境ですので、大都市の一般論として低地の浸水などへの基本的備えは必要です。

大阪市の「秋」の気候

平均気温平均最高気温平均最低気温降水量日照時間
9月25.2℃29.5℃21.9℃152.8mm161.6時間
10月19.5℃23.7℃16.0℃136.0mm166.1時間
11月13.8℃17.8℃10.2℃72.5mm152.6時間
いずれも大阪管区気象台の平年値

秋の期間の大阪市は、9月~10月にかけては台風の影響を受ける場合があります。近年では数十年ぶりの被害とも言われる2018年の21号台風では最大瞬間風速47.4m/sを観測し、市内でも建物が損壊するなど大きな被害が発生しました。なお、昭和の時代には台風による「高潮」被害も頻繁に起きていましたが、こちらは防潮堤や水門の整備で近年は大規模な被害は見られなくなっています。

気温については、9月中は残暑が厳しい傾向があり、年によっては夏と余り変わらない気温となることもあります。10月以降はさすがに涼しくなっていきますが、朝の冷え込みなどははっきりせず、11月になってからも肌寒さを感じにくい場合も目立ちます。季節の進みが遅いということで、「紅葉」の見ごろもまた遅く、近年は11月中だけではなく、12月に入ってからに見頃がずれこむケースも見られます。

秋の雨量は台風に合わせて大雨となることが多く、9月・10月には時にかなりの雨量となることがありますが、全体的には秋の気候へ移り変わるとともに雨の頻度や量は急速に減り、11月になると晴れる日が多くなっていきます。

大阪市の「冬」の気候

平均気温平均最高気温平均最低気温降水量日照時間降雪日数
12月8.7℃12.3℃5.3℃55.5mm152.1時間1.8日
1月6.2℃9.7℃3.0℃47.0mm146.5時間4.7日
2月6.6℃10.5℃3.2℃60.5mm140.6時間5.5日
いずれも大阪管区気象台の平年値・降雪日数は舞っただけやみぞれも含む

冬の大阪市は、基本的には晴れる日が多くなり、雨や雪が降ることは稀な環境です。昼間が短めの期間ながら日照時間は比較的多く、乾燥しても関東ほどには湿度が下がらないため、冬としてはある程度しのぎやすい気候とも言えるでしょう。

気温は近畿地方では和歌山県の沿岸部に匹敵する高さで、朝晩の寒さは感じるものの、内陸部などと異なり氷点下の冷え込みになるようなことは少なくなっています。但し、「冬型の気圧配置」が強まる際には北または西寄りの風が強く吹き込むため、昼間でも気温以上に寒く感じられる日も一部で見られます。

なお、雪についてはほとんど積もることはありません。京都市のように市街地でも毎年雪化粧する地域ではなく、ごくまれに雪化粧するかどうかといった状況で、雪が天候上の大きな問題になることはない地域です。

特に近年は積雪となる機会が減っており、1cm以上積もるようなこと自体が極めて珍しいケースと言えます。

まとめ

大阪市は、主要都市の中でも「温暖」な傾向が強いことが気候の特徴であり、1年を通して相対的には気温が高くなる傾向が見られます。

雨は全体的に見ると多くはありませんが、台風の影響や梅雨前線の影響により、一定頻度で大雨となるケースもあります。またゲリラ的豪雨には余り強い環境とは言えません。

夏の気温は特に上がりやすく、「ヒートアイランド現象」の影響で熱帯夜が毎日続くやや過酷な条件となります。

冬は温暖な分ややしのぎやすい環境で、雪が問題になることもほぼない環境となっています。