このページでは、奈良の鹿と観光客をつなぐ存在として広く知られる「鹿せんべい」について、その原材料・作り方・味のほか、製造・販売の仕組みについても広く解説していきます。
鹿せんべいは、奈良にある製造業者が焼き上げており、各業者の作る鹿せんべいは、基本的に同じ規格のものとなっています。
また、人間が食べることを想定して作られている訳ではありませんので、必ずしも味見することが推奨されている訳ではありません。
なお、鹿せんべいの買い方(販売場所)・正しいあげ方については、以下の記事をご覧ください。
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鹿せんべいの原材料は?
一見すると、人間が食べる甘いおせんべいと見た目は変わらないようにも見える「鹿せんべい」。
一体どのような原材料が使われているのでしょうか。
実のところは、鹿せんべいの原材料は、「米ぬか」と「小麦粉」。この2種類のみが使われています。
人間の食べるおせんべいであれば、お砂糖や保存料などが添加されているのが一般的ですが、鹿せんべいは、あくまでも鹿の食べ物であり、人間か食べることは一切想定されていませんので、余計な添加物は一切入っていません。
奈良公園で販売されている鹿せんべいは、どの鹿せんべいでも「米ぬか」と「小麦粉」のみが使用されたおせんべいとなっています。
鹿せんべいの作り方は?
米ぬかと小麦粉のみを使うという非常にシンプルな素材で作られている「鹿せんべい」。では、その「作り方」はどのようなものなのでしょうか。
これについては、各製造業者によって若干の違いはあるかもしれませんが、一般的なお菓子の「おせんべい(小麦粉を使った甘いもの)」とそれほどの違いはありません。
小麦粉・米ぬかと水を混ぜたものを、熱した鉄板(型)の上に流し込んで焼き上げる。この工程を、現在は機械で行うようになっていますが、かつては1枚1枚手焼きをしていた時代もありました。
なお、奈良公園で売られている鹿せんべいは、10枚セットのせんべいに「証紙」が必ず巻かれています。この証紙を巻かないと、「公式の鹿せんべい」として奈良公園で販売することは出来ません。証紙は鹿が食べても大丈夫なように、貼りつける糊を小麦粉原料としているなど、安全対策も徹底されています。
なお、この証紙代は「奈良の鹿愛護会」の活動資金に充てられるようになっています。鹿せんべいを買うということが、奈良の鹿の保護にも役立つという訳なのです。
鹿せんべいの味は?
原材料・作り方がわかっても、それ以上にやはり気になってしまうのは鹿せんべいの「味」。
これは、正直に言えば「人間にとってはそれほどおいしくない」というのが実際の所と言われています。当然ながら、鹿せんべいは鹿のために作られている訳なので、米ぬかと小麦粉だけという非常にヘルシーな食べ物になっており、人間にとっては欠かせない砂糖などの添加物が一切ない以上、人間が食べても味わいを感じにくいという訳なのです。
なお、鹿せんべいを人間が食べるという行為は、衛生面からもそれほどおすすめされるものではありません。鹿せんべい工場を見学して、出来立てのせんべいを試食する。というのであれば鹿せんべいを食べることも出来るかもしれませんが、奈良公園で販売されている鹿せんべいは、賞味期限などもなく、販売者に卸されてからは「鹿の食べ物」としての取り扱いがなされているために、人が安心して食べられる状況である保証はありません。
自分たちで味見する。というよりは、やはり鹿の食べ物は鹿にあげる。という「正しい使用方法」がベターと言う事なのです。
鹿せんべいの製造・販売
鹿せんべいの製造は、奈良にある5つほどの業者さんによって行われています。基本的に販売されている鹿せんべいは同じ形状となっていますので、各業者ごとに明確な違いがある訳ではありません。
また、その後各業者さんが製造した鹿せんべいは、奈良公園内で販売される訳ですが、販売場所は、奈良公園行商組合に加盟しておられる方が公園内で営業する移動型の売店、もしくは公園一帯にある土産物販売店、茶店となっています。
鹿せんべいの販売場所・買い方などについては以下の記事でも詳しく解説していますので、ご覧ください。