奈良「春日大社」への交通アクセスを詳しく解説!(最寄り駅・バス・タクシー)

交通・地理

奈良を代表する観光地である世界遺産「春日大社」

この記事では、少しわかりにくいと言われることも多い春日大社への交通アクセスについて、最寄り駅である近鉄・JR奈良駅からのアクセスを中心に、路線バス・タクシーの便利な使い方、徒歩ルートなどを解説していきます。

春日大社へは、徒歩によるアクセスも多いですが、駅から離れているため基本的にはや奈良交通バス「春日大社本殿行き」の利用、タクシーの利用がおすすめです。

最寄り駅は近鉄・JR奈良駅

春日大社へ観光に訪れる場合、近隣の奈良市民でない場合、基本的には各地からまずは「電車」で訪れる場合がほとんどとなっています。

奈良の主要観光地である東大寺・興福寺、また春日大社への最寄り駅は、「近鉄奈良駅」と「JR奈良駅」になっています。

近鉄奈良駅には近鉄京都駅から約35分~、近鉄大阪難波駅からも約35分~、阪神神戸三宮駅からは約75分~でアクセス可能となっているほか、JR奈良駅にもJR大阪駅・JR新大阪駅から約50分~、JR京都駅から約45分~でアクセス可能となっており、奈良は各地からのアクセス性は良好な場所となっています。

駅から春日大社までの距離としては、後ほど「徒歩ルート」の項目で解説していきますが、近鉄奈良駅のほうが春日大社に近くなっており、徒歩でアクセスする場合は近鉄奈良駅利用のほうが使いやすくなっています。もっとも、近鉄・JR奈良駅いずれの場合からも距離は比較的ありますので、徒歩の移動というよりは、路線バス・タクシーを活用するほうが無難となっています。

次項以降は近鉄・JR奈良駅からのアクセスについて、路線バス・タクシーの便利な使い方、のりばなどについて解説していきます。

路線バスを使うと便利!

本数が多い「市内循環バス」

春日大社へのアクセスで最もポピュラーなアクセス手段。それは奈良交通バスの「市内循環」バスです。市内循環バスは、約7~16分間隔で近鉄・JR奈良駅の主要エリアをぐるぐると回る循環バスであり、東大寺・春日大社方面へアクセスする際の基本的な交通手段になっています。

のりば・降りるバス停について

JR奈良駅からの場合、「2番乗り場」から「市内循環・外回り」をご利用ください。また、「高畑町」行きもご利用頂けます。

近鉄奈良駅からの場合、「1番乗り場」から「市内循環・外回り」をご利用ください。また「中循環・外回り」・「高畑町」行きもご利用頂けます。

春日大社の最寄りバス停「東大寺大仏殿・春日大社前」となっています。もし降りそびれた場合、次の「春日大社表参道」で下車頂いても春日大社方面への徒歩距離は変わりませんので、特に問題はありません。

なお、バスはごく一部の「高畑町」行きを除き「前乗り後ろ降り・先払い」となっています。

運賃

250円(子ども130円)となっています。全国共通のICカード乗車券類、奈良交通バスの各種1日乗車券類・「奈良・斑鳩1dayチケット」などもご利用頂けます。

バス停から春日大社までのアクセスは?

市内循環バスの場合、本数は多くて便利なのですが、春日大社本殿などのある境内の中心エリアまでは、比較的長い距離歩くことになります。

「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停からの場合、バスを降りて右側(南側)へ少しだけ歩道を歩いて頂くと、すぐに春日大社の参道に差し掛かりますので、あとは左側(東側)に向けて参道を進んで行ってください。参道に入ればあとはひたすら直進するのみです。本殿周辺(境内中心部)へは、バス停から東に徒歩約10分程度かかります。徒歩ルートの距離が長くなることを避けたい場合、利用する日程によっては本数が少なくなりますが、後述する「春日大社本殿」行きのバスを利用して頂くと歩く距離を短くすることが可能です。

境内の中までアクセス「春日大社本殿」行き

JR・近鉄奈良駅からは、市内循環バスと比較すると本数は少なめになりますが、春日大社の本殿などのある境内中心部に最も近いバス停である「春日大社本殿」バス停までアクセス可能な路線バスも運行されています。

一部混雑が見込まれる観光シーズンは「春日大社本殿」行きではなく「東大寺大仏殿・春日大社前」止まりとなり、市内循環バスと同じになる場合があります。

のりば・降りるバス停について

JR奈良駅からの場合、市内循環バスと同じ「2番乗り場」から「春日大社本殿」行きをご利用ください。

近鉄奈良駅からの場合も、市内循環バスと同じ「1番乗り場」から「春日大社本殿」行きをご利用ください。

降りるバス停終点「春日大社本殿」バス停となっています。

なお、本数は1時間に約3本ですが、長い場合30分程度運行間隔が開きますので市内循環バスの方が使いやすくなっています。

運賃

250円(子ども130円)となっています。市内循環バスと同様に全国共通のICカード乗車券類、奈良交通バスの各種1日乗車券類・「奈良・斑鳩1dayチケット」などもご利用頂けます。

乗り方は原則「後ろ乗り前降り・後払い」です。市内循環線とは異なります。

バス停からのアクセスについて

「春日大社本殿」バス停は、春日大社の駐車場の一角、神社の玄関口にあたる「国宝殿」のある建物の真正面に位置します。春日大社本殿のある「回廊」エリアへは、バス停を降りて右側に真っすぐ進んで頂き参道に出るルートでも、左側に真っすぐ進んで頂いて回廊の裏側から回り込むルートでもいずれも徒歩5分以内でアクセス可能ですが、正式な参拝の方法に即して考えるとバス停を降りて右側に進み、二の鳥居の近くにある「祓戸神社・手水舎」を経由して春日大社南門・本殿方面に出るルートがおすすめです。

本殿行きのバスは「唐招提寺・薬師寺・法隆寺」から直通

なお、上述した「春日大社本殿」行きバスは、JR奈良駅・近鉄奈良駅方面を経由する形で運行されていますが、市内にある世界遺産「唐招提寺・薬師寺」、また日本最古の木造建築として知られる世界遺産「法隆寺」方面からも直通する路線として運行されています。

薬師寺から春日大社へアクセスする場合、最寄りバス停「薬師寺東口」から、また唐招提寺からアクセスする場合は最寄りバス停「唐招提寺東口」から1時間に3本程度運行される「春日大社本殿」行きに乗れば、春日大社まで乗り換えなしでスムーズにアクセス可能です。また、法隆寺からは「法隆寺前」始発の春日大社本殿行きバスが日中1時間に1本運行されています。所要時間は長めですが、大和路ののどかな風景を楽しみながらこちらも乗り換えなしで春日大社にアクセス可能です。

規模縮小「ぐるっとバス」

奈良交通バス「春日大社本殿」バス停と同じ場所に近鉄奈良駅方面からアクセス可能なもう一つの交通手段としては、観光客向きの周遊バス「奈良公園ぐるっとバス」も運行されています。

ぐるっとバスは、2019年春〜2025年春までは、平城宮跡・近鉄奈良駅方面から毎日運行されていましたが、2025年の路線再編で規模が大幅に縮小され、現在は土日祝日を中心に、近鉄奈良駅方面から若草山麓を経由して「春日大社本殿」バス停に昼間時のみ約20分間隔で運行されています。

現在のルートは「若草山麓」を経由するため、奈良交通の路線バスと比べ「春日大社本殿」バス停への所要時間は長くなっています。2025年春までは春日大社方面への主要なアクセス手段でしたが、現在は必ずしも通常時に優先的に使う存在とは言えません。

奈良交通の路線バスと異なり、観光シーズンも含め春日大社境内の「春日大社本殿」バス停に乗り入れます。そのため、その時期には利用するメリットが大きくなります。但し、観光シーズン=渋滞が多い時期ですので、区間によっては徒歩と所要時間が余り変わらない可能性もあります。

奈良公園ぐるっとバスは、春日大社を経由した後「ならまち」方面へ向かいます。駅との行き来でなく、参拝後ならまち方面に観光へ訪れる場合、ぐるっとバスの利用が便利です。

のりば・降りるバス停について

近鉄奈良駅からは、「ぐるっとバス専用のりば(R1番のりば)」から「奈良公園ぐるっとバス」をご利用ください。

JR奈良駅には乗り入れません。JR奈良駅からは奈良交通の路線バスのみ利用可能です。

降りるバス停「春日大社本殿」バス停となっています。終点ではないため、お間違えのないようご注意下さい。

なお、本数は1時間に約3本ですが、朝の早い時間帯・夕方の遅い時間帯以降の運行はありません。また、土日祝日中心の運行で、運行がない日の方が多くなっています。その点ご注意下さい。

運賃

250円(子ども130円)となっています。奈良交通の路線バスと同様に全国共通のICカード乗車券類、奈良交通バスの各種1日乗車券類・「奈良・斑鳩1dayチケット」などもご利用頂けます。

乗り方は原則「前乗り先払い」です。市内循環線と同様です。

タクシーの使い方は?

駅からはタクシーが便利!

バスでのアクセスも便利な「春日大社」ですが、JR・近鉄奈良駅からの場合、「タクシー」も便利にご利用頂けます。春日大社まではJR奈良駅からの場合1500円程度近鉄奈良駅からの場合1000円程度(渋滞発生時については、運賃がこれよりも大幅に高くなることがあります)となっており、3名や4名様などでご利用の場合は、バスと比べた場合に「極端に割高な交通手段」ではなくなります。

JR奈良駅は東口、西口にタクシー乗り場が完備(運賃は通常の場合、東口からのご利用が安くなります)されており、近鉄奈良駅も駅の西改札を出て南側の階段を登った先にタクシー乗り場があり、通常時は多数のタクシーが待機してますので、繁忙期以外は待つこともなくスムーズにご利用頂けます。

境内にタクシー乗り場はありません

駅からは便利なタクシーですが、少し不便なのは「春日大社境内にタクシー乗り場はない」ということ。

タクシーで参拝に訪れる方はかなり多いのですが、「帰りのタクシー」を探す際には、「春日大社までのお客さんを乗せて来たタクシー」を偶然見つけて乗るか、タクシーをわざわざ予約して乗るか。この2つの利用方法しかありません。繁忙期はタクシーが捕まらない場合もありますので、予約をしたほうがよい場合もあるのですが、「予約」をしてしまうと、迎車を待っている間にお客さんを乗せてきて空になったタクシーを何台もやり過ごすという非効率的なことになることもしばしば。「必ず来る」という保証はできませんが、お客さんを乗せて来たタクシーが空になった際に乗せてもらう。という方法も比較的一般的な使い方と言えるでしょう。タクシーは、バス乗り場近くの駐車場付近でお客様を降ろす場合が多いですので、うまくタイミングを合わせることが出来れば、そのまま乗せてもらうことが可能です。

徒歩ルートについて

JR・近鉄奈良駅からはやや遠距離です

春日大社へのアクセスについては、最寄り駅であるJR奈良駅・近鉄奈良駅などからバスやタクシーを使わずに「徒歩」でアクセスしようと考えている方も多いかもしれません。しかしながら、徒歩ルートはもちろん「不可能」ではありませんが、決して短い距離ではありません。

JR奈良駅からの場合、距離にして約2.8キロ、所要時間はペースにもよりますが約30分~50分程度近鉄奈良駅からの場合は約2.3キロ、所要時間は約25~40分程度となっています。若い方や健脚の方であれば、特に問題ではない距離ですが、ご高齢の方や足腰に不安のある方は、長い距離と言えますので、無理せずバスやタクシーでアクセスされることをおすすめします。

ルートは「三条通り・春日大社表参道」をひたすら東に

比較的所要時間・距離が長くなる春日大社への徒歩ルートですが、ルートとしてはシンプルなものであり、基本的には奈良のメインストリートである「三条通り」、そして三条通りからそのまま続く春日大社の表参道をひたすら東に進めば、気が付けば春日大社境内、本殿近くの南門前までアクセス出来るというルートになっています。

JR奈良駅からの場合、東口からバス乗り場の近くを通り、スーパーホテル(Lohasブランドではない方)と南都銀行の見える交差点を渡ると「三条通り」にすぐに入りますので、あとは一切曲がったりする必要なく、ひたすら直進すれば春日大社へ到着します。

近鉄奈良駅からの場合は、東改札から「2番出入口」に進み、階段を登った先に見える「東向商店街」を南に進むと、突き当りが「三条通り」になっていますので、あとは同じようにひたすら東に進むだけとなっています。案内表示なども多く、徒歩ルートで迷うようなことはありません。

駅以外からのアクセスについて

東大寺(大仏殿)から

大仏殿からの場合は、東大寺南大門を越えて南に進み、バス通りのある交差点まで出ると、正面左側に「春日大社参道」と書いた石標と参道が見えますので、そちらを道なりに進みます。しばらくすると表参道に合流しますので、左側に進むと萬葉植物園などのあるエリアに出ます。本殿方面へは更に表参道を東に直進して頂ければ到着します。

東大寺からの場合、徒歩以外のルートは使いやすいものがありません。どうしても歩けない場合はバス通りの交差点近くにある(左側)「東大寺大仏殿」バス停から「春日大社本殿」行きを利用する方法や、タクシーを呼ぶ方法もありますが、歩くのが最もスムーズです。

東大寺大仏殿からの所要時間:南東に徒歩約20分~30分程度

興福寺から

興福寺からの場合、バスの場合東金堂・五重塔から北側に真っすぐ進んだ先にある「県庁前(県庁前・奈良公園バスターミナル)」バス停から「春日大社本殿」行きの路線バスを利用の上、終点「春日大社本殿」で下車するルートなどが利用可能です。

春日大社本殿方面行きバスはぐるっとバスを含めれば、特に土日祝日は比較的本数が多いですが、一部繁忙期には「春日大社本殿」バス停への乗り入れが中止されるため、徒歩で移動するのが無難な場合があります。

徒歩の場合は、五重塔の南側、また南円堂から石段を下りて南側の道が春日大社表参道へと続く道となっていますので、ひたすら東に進んで頂ければ春日大社に到着します。

興福寺からの所要時間:バス利用(春日大社本殿行き)の場合、約15分程度(運賃250円・徒歩時間含む・バス待ち時間考慮せず)・徒歩の場合約20~30分程度

平城宮跡(朱雀門ひろば)から

平城宮跡からの場合、「朱雀門ひろば前」バス停から「高畑町行き」奈良交通バスをご利用下さい。

降車バス停は途中の「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停です。春日大社本殿バス停へは行きませんので、参道を比較的長い距離歩く必要があります。

朱雀門ひろばからの所要時間:約40分程度(運賃100円・徒歩時間含む・バス待ち時間考慮せず)

唐招提寺・薬師寺から

唐招提寺・薬師寺などのある西の京エリアからは、先に解説したように、それぞれのお寺の最寄りバス停である「薬師寺東口」・「唐招提寺東口」バス停から1時間に3本程度(30分程度運転間隔が空く場合があります)運行される「春日大社本殿」行きをご利用頂けます。

西の京エリアからの交通アクセスについては、本数ベースでは近鉄電車で近鉄奈良駅までアクセスするルートも便利ですが、春日大社までの直通アクセスではありませんので、時間を合わせて路線バスを利用するのが最善となっています。

西ノ京エリアからの所要時間:約35分~40分程度(運賃310円・徒歩時間含む・バス待ち時間考慮せず)

車によるアクセス

車でアクセスする場合、春日大社周辺には「春日大社本殿」バス停付近に広がる「春日大社が運営する駐車場」以外の駐車スペースはありません。また、駐車場は24時間営業ではなく、参拝可能時間よりも短い利用時間となっていますので注意が必要です。

利用可能時間は、3月~10月=7時30分~17時・11月~2月=7時30分~16時30分となっており、特に夕方が短くなっています。

駐車料金については、時間単位ではなく、乗用車1回1500円・バイク1回300円となっていますので、ケースによっては安く感じられる場合もあれば、高く感じられる場合もあると言える料金です。

◇駐車場周辺地図

観光シーズンには周辺道路が渋滞する可能性も高くなっていますので、スケジュール次第ではマイカーも便利な場合がありますが、春日大社へのアクセスは基本的に電車・バスなどの公共交通機関のご利用も含めてご検討下さい。

まとめ

以上、春日大社への交通アクセスについて、JR・近鉄奈良駅からのアクセス情報を中心にまとめてきました。

様々な説明を行って来ましたが、簡単に言えば、春日大社へのアクセスについては、駅からの場合は「バスかタクシー」のご利用が便利で、徒歩ルートは少し距離が長くなっている。そのようなイメージで構いません。

また、「バス」については本数が多い一方徒歩距離が少し長い「市内循環バス」がメインの交通手段となっていること、本数がやや少ない「春日大社本殿」行き路線バス、土日祝日中心に運行の「奈良公園ぐるっとバス」は本殿近くまでアクセス可能となっていることなどを説明してきました。

駐車場があるため、車によるアクセスも可能ですが、利用時間・交通状況・混雑状況などにより、制約が生じることがあります。

一概に「どのアクセス方法がおすすめ」と断定できる訳ではなく、それぞれのご都合や訪れる日程などにより、最もアクセスしやすい方法で訪れて頂ければと思います。