新薬師寺香薬師堂

【新薬師寺香薬師堂】秘仏「おたま地蔵」・「景清地蔵」が安置される小さなお堂

ごあんない

二体のお地蔵さまを安置する空間です

新薬師寺「香薬師堂(こうやくしどう)」は、十二神将像のある「新薬師寺」の本堂の西側すぐの位置にある小さなお堂です。

香薬師堂には、通常は公開されていない(※別途特別公開が実施されることはあるほか、拝観受付などで申し込むことで寺務に差し支えなければ拝観可能なケースもあります。)2躰の地蔵菩薩像であり平家物語に登場する「悪七兵衛景清」にちなんだとされる「景清地蔵」全裸の珍しいお姿が特徴的で、安産や健康にご利益があるとして信仰を集める「おたま地蔵」が安置されており、これらは元々は興福寺の別院であった「勝願院」にあったものが新薬師寺に移されてきたものとなっています。

お地蔵さまの内部からお地蔵さまが発見された?ユニークな系譜を持っています

「景清地蔵」と「おたま地蔵」は現在は別々のお地蔵さまとして2つに分かれていますが、元々は「景清地蔵」の内部に「おたま地蔵」が隠されるような形で発見されたというかなりユニークな系譜を有するものとなっており、昭和後期になってから「分離」するための修理・補修が行われ、現在は別個のお地蔵さまとして並べられるようになっています。

なお、鎌倉時代に造立されたとされる「おたま地蔵」は、発見された願文によると、尊遍という僧侶が自らの師である実尊を偲んで造り上げたものとされており、師に仕えるかのごとく装束の「着せ替え」を行う事が出来るようにするために裸形のお地蔵さまとなったと考えられています。その後、おたま地蔵の骨格を利用する形でその上に「景清地蔵」が造られることになり、長らく「景清地蔵」だけが表舞台に立っていたという訳なのです。お地蔵さまの体内に小さな仏さまが収納されているケースは無数にありますが、表面にあるお地蔵さまとほとんど同じ大きさのお地蔵さまが内部にあるというケースは極めて珍しく、この「おたま地蔵」と「景清地蔵」は仏像愛好家の方には比較的名の通った存在になっています。

なお、香薬師堂には、その名の通りかつては「香薬師如来立像」が安置されていましたが、近年発見された「右手部分」を除いては戦中期に盗難にあってから現在まで発見されておらず、現在はレプリカのみがお寺にある状況となっています。

香薬師堂の風景

香薬師堂周辺には池もあり、隣接する庫裏一体も含め、「庭園」らしい雰囲気を味わって頂くことも出来ます。

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アクセス

新薬師寺本堂から西にすぐ・庫裏から南にすぐ

JR、近鉄奈良駅から奈良交通バス「市内循環外回り」・「山村町」・「藤原台」・「鹿野園町」・「奈良佐保短期大学」行き乗車、「破石町」下車、東に徒歩10分(新薬師寺境内まで)

香薬師堂周辺地図