有名観光スポット

【ならまち】隠れた桜の名所「元興寺塔跡」ってどんなところ?歴史・みどころ徹底解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
隠れた桜の名所「元興寺塔跡」

ごあんない

ならまちに3つある「元興寺」のうちの一つ

「元興寺塔跡」は、奈良町の中心部、「御霊神社」の北側、道沿いから見える「元興寺塔跡」の碑に沿って奥へ入っていった先にある小さな「お堂」と「遺跡」のある空間です。町並みに囲まれた「裏庭」のような空間は、立派な門をくぐっていきますが、入場料等は必要なく、9時ごろから17時ごろまで開門されています。

ならまちエリアには「元興寺」と名乗る場所が3つあり、この「塔跡」のある「元興寺」は、東大寺と同じ宗派の「華厳宗」元興寺として、世界遺産を持つ「真言律宗」元興寺とは違う寺院という扱いになっていますが、元々はどちらも大寺院であった元興寺の一つの伽藍の中であり、往時の元興寺の規模が伺えます。

なお、塔跡の近くにある観音堂内には木造不動明王坐像がありますが、基本的に自由に内部を拝観することは出来ません。そのほか、かつてこのお寺に存在した国宝の薬師如来立像は、奈良国立博物館に収蔵されています。

幕末までは奈良県内最大の「五重塔」があった

元興寺塔跡とはどんな「遺跡」なのか?それはその名の通り昔は一大寺院であった元興寺の往時を偲ばせる、わずか150年ほど前の幕末まで存在した「五重塔跡」の史跡です。

五重塔は、安政6年(1859年)に火災で焼失しましたが、焼失前の塔の高さは現在の奈良県内にあるどの建造物よりも高い、70メートルを超える高さであったとも伝えられており、この高さが事実であるとすると、京都東寺の五重塔をも上回ることになります。現在興福寺にある「五重塔」も、室町時代に再建される際にはこの「元興寺五重塔」の建築を参考に再建が進められたとも言われています。

なお、現在残される「痕跡」は、基壇と礎石のみとなっていますが、礎石の大きさから圧倒的な「五重塔」の規模を想像することができます。

現在は季節の彩りが美しい「お庭」として癒しの空間に

現在の元興寺塔跡には、観音堂と石灯籠のほか、塔があった証拠として、奈良時代の面影を残す基壇と礎石17個が現存していますが、歴史遺産以外にも、春は桜やチューリップ、また牡丹の花などで彩られたり、秋には萩の花が一面に咲き誇るなど、季節ごとの風景を楽しんでいただけます。

「世界遺産」としての観光名所である「元興寺」と異なりまちなみの一角に静かに広がる「塔跡」は、桜のシーズンの一部を除き観光客で溢れかえることも少なく、のんびりと歴史の重みを感じながら過ごすことが出来る空間として、奈良町の穴場的スポットとなっていますので、是非訪れてみてはいかがでしょうか。

元興寺塔跡のみどころ・風景

入り口・山門付近

ならまちの中心部、多くの町家が立ち並ぶエリアに静かに佇む元興寺塔跡。入り口には「元興寺」と記された古い石碑が置かれています。

元興寺塔跡の入り口

元興寺塔跡には2つの門があり、町家が立ち並ぶ道路沿いに近い門を越えて東にしばらく進むと、更に立派な山門が建っています。

元興寺塔跡山門

重厚な山門には、「元興寺」と記された扁額が掲げられています。

山門付近の風景(石仏など)

山門を抜けると、すぐ脇に小さなお堂が設けられているほか、美しい「庭」の風景が広がりはじめます。

元興寺塔跡の石仏たち

山門脇の小さなお堂には、数多くの石仏たちが並べられており、お堂の壁に沿って並べられた風景は独特の雰囲気を漂わせています。

元興寺塔跡入り口付近の風景

境内には季節ごとに様々な花が咲き誇りますが、春は4月初頭ころの「ソメイヨシノ」のみならず、4月下旬から5月上旬ごろには「奈良八重桜」や牡丹の花などをしんで頂けます。

塔跡(礎石)周辺

元興寺塔跡の桜

元興寺塔跡最大の見どころと言ってもよい春の「桜」。桜の本数は数本程度でそれほど多くはありませんが、「五重塔」の礎石が放つ雰囲気もあいまって、まちなみの一角の小さな敷地には十分すぎるほどに堂々と咲き誇ります。

元興寺塔跡の礎石

元興寺五重塔の礎石は、桜の木の下に多数残されており、近くに立ち入ることは出来ませんが、奈良時代に建設された塔の面影を十分に感じることが出来ます。

元興寺塔跡の「萩」

元興寺塔跡は、9月下旬ころには「萩」が一面に咲き誇る隠れた「萩の名所」にもなっており、元興寺(極楽坊)や白毫寺に匹敵する規模の萩を味わうことも出来ます。

「啼燈籠」周辺

元興寺塔跡の見どころの一つとしては、正嘉元年(1257年)の刻銘があり、年代が記されたものとしては奈良市内で最も古い石燈籠の一つである「啼燈籠(なきどうろう)」と呼ばれる燈籠があります。この灯篭は昭和初期に倒壊した後、2010年に再び元の形に修復されたものですが、姿かたちは往時のままとなっています。ちなみに、「啼」という音の通り、この燈籠からはかつて鳴き声のような音がしたという伝説が残されています。

啼燈籠(元興寺塔跡)

元興寺塔跡のチューリップ畑と桜の共演

啼燈籠の近くからは、春にはチューリップが咲き誇る姿を味わうことも可能で、「桜」と「チューリップ」の共演と言う贅沢な風景を「ならまち」のど真ん中で楽しんで頂くこともできてしまいます。

萩の花に囲まれた空間には、ユニークな「仏足石」も設置されています。

観音堂(仮堂)

元興寺塔跡観音堂

お庭のような空間を抜け、啼燈籠の脇を通り抜けるとようやく「観音堂」に到着します。うっそうとした木々に囲まれたお堂は火災などを受けて建立された「仮のお堂」とは言え、独特の雰囲気を漂わせていますが、基本的に堂内は開放されているわけではありません。

お稲荷さん

元興寺塔跡にある「稲荷社」

また、啼燈籠・観音堂の東側には、余り知られていない存在ですが「稲荷社(お稲荷さん)」が設けられています。古めかしい鳥居と小さなお社、そして堂々と立ちはだかる「お稲荷さん」の姿は、数多くの草花に囲まれた「お庭」の中では一層神秘的な雰囲気を感じさせる空間となっています。

鐘楼

鐘楼(元興寺塔跡)

観音堂の脇には、比較的立派な「鐘楼」も設けられています。

案内板など

元興寺塔跡案内板

アクセス

各駅からのアクセス

近鉄奈良駅から南に徒歩15分 JR奈良駅から東に徒歩20分

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「天理駅」「下山」「窪之庄」行き乗車、「福智院町」(元興寺東口)バス停下車、西に徒歩5分

・「市内循環バス」田中町(ならまち南口)バス停下車、北に徒歩5分

近隣スポット

御霊神社から北に徒歩1分、奈良町にぎわいの家から南に徒歩2分、奈良町格子の家から北に徒歩2分、奈良町資料館から南東へ徒歩3分、元興寺小塔院跡から東に徒歩3分、鎮宅霊符神社から南東に徒歩5分

元興寺塔跡周辺地図

  • このエントリーをはてなブックマークに追加