北欧諸国の中では、最も東側に位置し、ロシアと隣接している「フィンランド」。一般にイメージされる通り、気候はかなり寒冷な特徴がありますが、「雪」はいったいどのくらい降る・積もるのでしょうか?
こちらでは、フィンランドにおける「雪」の基本について解説していきます。
全域で雪が当たり前に降る国
フィンランドは、国土の「全域」で、雪が「当たり前に降る」国です。降る・積もる量にかなりの地域差はあるものの、例えば雪が降ることがまれな地域、ほとんど降らないような地域は存在しないと言えます。
日本であれば、豪雪地帯と雪の降らない地域にはっきり分かれますが、フィンランドの場合、そこまでの差は国内では見られないというのが、雪を取り巻く大きな特徴と言えます。
雪が多い地域は?
フィンランドは、雪の傾向は比較的わかりやすく「北部(ラップランド)」ほど多い特徴があります。より厳密に見ると、国内の北端部を除いて、暖気・寒気の入り方の関係上、「北東側」ほど多い傾向が見られます。
雪は、ラップランドでは早い場所では9月・10月頃から積もりはじめ、5月・6月頃まで残るため、極端に雪に覆われる期間は長いと言えます。北端部では、年間の積雪日数が200日を大きく上回ります。
積もる量についても、状況によっては1m以上の積雪となる場合がありますが、山岳地帯がない点や、降水量が目立って多くならない点などから、日本の豪雪地帯のように、2〜3m以上積もるようなことは基本的に考えにくいと言えます。
積もる量に対し、積もる期間が長い状況は、フィンランド北部が極端に寒い環境であることに由来します。北部の真冬の平均気温は-10℃を下回り、北海道と比べても寒い環境です。
雪が比較的少ない地域は?
フィンランドの場合、雪が降る・積もること自体は、どこであっても珍しいものではありません。すなわち、雪が少ないとはっきり言える地域はありません。
但し、雪の降る頻度・積もる量には地域差があり、国内の「南西側」ほど比較的少ない傾向があります。
具体的には、南西スオミ県・サタクンタ県・ウーシマー県周辺では、雪は当たり前に降るものの、積雪の量や積もる期間で見た場合、国内では比較的少なめです。また、より少ない傾向があるのは、海上に浮かぶオーランド自治県です。年間の積雪日数は、海沿いでは平均90日を下回り、北部と比べると半分以下となります。積雪の量についても、50cm以上積もるようなケースはまれと言えます。
もっとも、これらの地域でも、冬は頻繁に雪が降ることに違いはありません。また、原則としてある程度の期間は「根雪」となります。フィンランド国内における雪の多さ・少なさは、あくまでも「当たり前に降り積もる」中での比較である点に注意が必要と言えます。
主要都市の雪は?
ヘルシンキ | ・雪が当たり前に、頻繁に降る気候 ・50cm以上の積雪はまれ ・国内で見た場合、特段雪が多い地域ではない |
タンペレ | ・ヘルシンキとそれほど大きな差はない |
トゥルク | ・規模の大きな都市では、最も雪が少ない傾向 ・少ないといっても、あくまでもフィンランド基準の少なさ ・雪が当たり前に降るという点は変わりなし |
オウル | ・ヘルシンキなど南部と比べ雪はある程度多い ・降る、積もる期間も長め(根雪は4月に入っても残りやすい) ・50cm以上積もることが一般的 |
ロヴァニエミ | ・非常に寒冷なため、雪の量が多く、影響を受ける期間も長い ・年によっては4月末頃に雪が残っている環境 |
フィンランドの主要都市で見ると、どこであっても雪は当たり前に降りますが、北側の都市ほど影響を受ける期間は長くなり、積雪量も増える特徴があります。