オーストラリアの「雪」とは?どのくらい降る・積もる?

自然・気候

オセアニアに位置し、島国ではなく「大陸」と呼べるほどの広大な国土を持つ「オーストラリア」。

オーストラリアは砂漠地帯が目立つ一方、緑の多い環境もあるなど、地理・気候は多種多様で、場所によってはしっかりとした「四季」の変化が見られます。

こちらでは、オーストラリアの気候のうち「雪」というテーマのみに絞って、その基本的な状況を解説していきます。

基本

オーストラリアは、国土の大半では「雪が降らない」気候です。降ることがまれなのではなく、そもそも「一切降らない」地域の方が、面積的には圧倒的に広いと言えます。

但し、緯度が高い(より南側)の地域ほど寒気が入りやすく、場所によっては雪が降る場合があります。

州ごとに見る「雪の傾向(可能性)」

ニューサウスウェールズ州・スノーウィー=マウンテンズ(グレートディバイディング山脈)では雪が多い
・それ以外も、山脈沿いの主に西側、南西側(ブルーマウンテンズなど)はある程度雪が降る場合あり
・山脈の東側、シドニーなど沿岸部は雪が降らないか、極めてまれ
ビクトリア州・ビクトリアアルプス(グレートディバイディング山脈)では雪が多い
・ギプスランドの山沿いも比較的雪が頻繁に降る
・山沿い以外でも、内陸側を中心にまれに雪が降るケースあり
南オーストラリア州・内陸側の標高が高い場所(フリンダース山脈その他)でごくまれに降るケースを除き、一切降らない
西オーストラリア州・スターリング山脈沿いなど南側の一部でごくまれに降るケースを除き、一切降らない
クイーンズランド州・グレートディヴァイディング山脈沿いでごくまれに降るケースを除き、一切降らない
タスマニア州・オーストラリア国内で最も雪が身近な地域
・山間部はスノーリゾートあり
・沿岸部であっても、まれに雪が降る場合があり、全域で雪の可能性がある唯一の州

オーストラリア国内で雪が降る場所は限られています。基本的には「グレートディバイディング山脈」一帯の一部と、緯度が高いタスマニア島の一部が雪が降りやすい環境で、それ以外は雪との関係は薄くなっています。

とりわけ、南オーストラリア州・西オーストラリア州・クイーンズランド州は、ごく一部の山地などでごくまれに降るのみで、州内のほとんどの地域は、完全に雪と無縁な環境です。

豪雪地帯はある?

オーストラリア国内で「豪雪」となる場所があるかについては、何をもって「豪雪」とみなすかによって解釈は変わります。

すなわち、日本の日本海側の山間部のように、当たり前に3〜4mの積雪があるようなケースがあるかと言えば、そうは言えませんが、例えばスキー場などが運営される程度の積雪は一部の山地(ビクトリアンアルプス・スノーウィー=マウンテンズ・タスマニアの山地など)では見られる場合があります。

主要都市で雪は降る?

オーストラリアの人口の多い主要都市について、降雪の可能性を見た場合、概ね下記の通りとなります。

シドニー・19世紀を最後に、都心部で雪が降った記録はない
・郊外を含めても、歴史的なスケールでまれな現象
メルボルン・歴史上雪が降った記録自体はあり
・但し、都心周辺での頻度は数十年単位でまれな現象
アデレード・都心周辺で雪が降ることは考えにくい
・郊外の丘陵地(山地)ではまれに降る場合あり
パース・都心周辺で雪が降った記録はなし
・郊外の丘陵地も含め、雪が降ることは歴史的なレベルでまれ
ブリズベン・都心周辺で雪が降ることは考えにくい
・歴史をさかのぼると、雪が降ったことがある可能性自体はあり
キャンベラ・雪が降ることは極めてまれ
・郊外の山地などは一般的に雪が降る環境

オーストラリアは、国内の主要な都市は雪とはほぼ無縁に近い状況です。キャンベラについては、山に積もる雪が見えやすいといった特徴はありますが、やはり都市部で雪となることはほぼありません。

まとめ

オーストラリアは、国土の一部で雪が降ることがある国です。但し、全体を見ると、雪とは無縁な面積が大半を占めます。

州で見ると、ニューサウスウェールズ州・ビクトリア州・タスマニア州の一部(基本的に山地)で雪が降りやすくなっています。一部にはスノーリゾートもあります。

大都市については、シドニーをはじめ「雪が一切降らない」状況が基本です。キャンベラなどまれに降る場合も、その頻度はかなり限定されます。