アメリカの南側に位置するメキシコは、大まかには緑が比較的少なく、荒涼とした大地が広がっていることから「乾燥した」イメージが持たれやすい国です。一方で、メキシコの気温・季節の変化などについては、日本では余りイメージされることがないと言えます。
こちらでは、メキシコの気候のうち、「雪」というテーマのみに絞って、降ることがあるのか?降る場合どこでどの程度降るのか?といった基本を解説していきます。
メキシコは「雪が降る地域は少ない」国
メキシコは、アメリカより南側に位置するため、基本的には温暖な気候です。そのため、「雪」が降るケースは一部の地域で、一部の条件のみに限られます。
例えば、日本のように毎年大量の雪が降る豪雪地が、あちこちにあるような国ではありません。
高山地帯では雪が一般的
人が多く住む地域として見た場合、雪の影響は限定されるメキシコですが、メキシコは大陸の背骨とも言える山地が比較的目立つ国土を持つため、標高が3,000m以上の高山地帯も見られます。
そういった地域では、場所によっては雪が降ることはごく当たり前で降る期間も比較的長く、オリサバ山・イスタシワトル山・ポポカテペトル山のように、特に標高が高い山では「氷河」すら残っている場所もあります。
北部へ行くと、本格的な高山地帯とは言えない標高であっても(2,000m程度)雪が降りやすい山地があります。逆に、チアパス州のように南部へ行くと、標高3,000m近くであっても、雪とは無縁の環境となります。
メキシコシティで雪は降る?
メキシコの首都であるメキシコシティは、わかりやすく言えば「高原」の上にある標高がかなり高い都市です。標高は2,000m以上であり、「夏」は事実上存在せず、1年中春や秋のような気温が続きます。
一方で、「冬」も明確ではなく、真冬でも最高気温は20℃以上が基本です。そのため、雪は都市周辺のより標高の高い山岳地帯を除き、事実上降らないと言えます。
なお、メキシコシティは、かつては「テスココ湖」と呼ばれる湖が広大に広がる土地条件を持っていましたが、それが干拓された歴史を持ちます。湖があった時代は、ごくまれながら「湖水効果雪」と呼ばれる形で、湖の水蒸気に由来する雪が降りましたが、湖がなくなってしまったため、現在はそういったイレギュラーなケースが生じる可能性も消え、市街地で雪が降る可能性はほぼないと言えます。
平地で雪が降るのはどこ?
メキシコ国内の平地では、チワワ州の一部を中心に、コアウイラ州・ソノラ州の一部で雪がごくまれに降る可能性があります。なお、これらの地域は、場所によっては平地と言っても標高が1,000mを大きく上回る場合があります。
各州は広いため、実際に降るのはアメリカ国境に近い北側の一部であり、南側の地域では雪は一切降らない範囲が目立ちます。
主な都市として見た場合、雪が降る可能性がある都市は、アメリカ国境と隣接する「シウダー・フアレス」や「アグア・プリエタ」・「ノガレス」・「オルテガ」などが挙げられます。
国内全体で見るとごく狭い範囲であり、対人口比率で見た場合、メキシコはやはり雪との関係が小さい国と言えるでしょう。