奈良線の「混雑状況」とは?基本を知る【伏見稲荷への観光客】

交通・地理

JR京都駅〜宇治・城陽〜JR奈良駅間で運行されている「奈良線」の電車は、京都・奈良という日本を代表する観光地を結んでいることに加え、京都側には「伏見稲荷大社」・「宇治」といった一大観光地を有するため、観光に伴うご利用割合がJR西日本の各路線の中でも多い特徴があります。

こちらでは、奈良線における「混雑」について、その基本的な特徴を解説していきます。

どうして混雑する?

奈良線の混雑は、日常的な通勤・通学に伴う混雑ももちろんしっかり見られますが、奈良線特有の混雑という意味では主に「伏見稲荷大社」を参拝される観光客の方による混雑と、「東福寺駅」で京阪電車と乗り換える方による混雑という主に2つの混雑要因があり、いずれも「京都駅に近いエリア」で生じるものとなっています。

奈良線を走る列車には「快速」系統と、各駅に停車する「普通」がありますが、観光利用が多い「稲荷駅(伏見稲荷大社最寄り)」には「快速」と名の付く列車は停車しません。そのため、「普通」に利用が集中しやすいという特徴もあります。

混雑の度合いは?

奈良線については、国土交通省が公表する「混雑率」に関するデータは公表されていないため、公式的なデータを元に混雑を考察することは出来ません。

一般的な意味として「体感的な度合い」で見た場合、時間帯・車両による差が目立ち、かなり混雑する場合もあれば、比較的空いている場合もあるなど様々です。

通勤時間帯、観光シーズンの一部については、大阪の通勤ラッシュ並みと言ってよい程度のしっかりした混雑になることがあり、特に秋の紅葉シーズンについては、京都駅〜東福寺駅という短い区間のみ、極端な混雑に見舞われることがあります。

「観光客による混雑」という意味では、京都駅から嵐山方面を結ぶ「嵯峨野線」の混雑の方がより問題視・クローズアップされやすく、実際にそちらの混雑の方がより激しい場合が目立ちますが、奈良線も嵯峨野線には及ばずとも、相応に混雑する場合がある路線と言えます。

どの区間が混雑する?

最も混雑しやすい区間京都駅〜東福寺駅
昼間も混雑が一般的な区間京都駅〜稲荷駅
通勤時間帯を中心に混雑しやすい区間京都駅〜宇治駅
それほど目立った混雑にはなりにくい区間宇治駅〜奈良駅

奈良線の混雑は「京都駅側」に集中している特徴があります。京都駅の隣の東福寺駅、その次の稲荷駅までが「特に混雑しやすい区間」であり、京都駅〜稲荷駅間は3km未満とわずかな距離になっています。

宇治方面については、観光による利用はかなり多いですが、伏見稲荷大社への観光客ほどの利用集中は見られず、宇治へ行く人だけで満員になるという現象は生じにくいと言えます。そのため、どちらかと言えば「通勤時間帯」の混雑が目立つ区間と言えます。

宇治以南、奈良方面については、通勤時間帯には「立ち客」が一般的に見られる区間も宇治側を中心にあり、朝の時間帯は相応の混雑となる場合がありますが、宇治以北の区間と比べ、それほど激しい混雑は生じにくいと言えます。とりわけ城陽〜奈良間は混雑が抑えられる区間で、「みやこ路快速」などは外国人観光客が比較的多いケースもありますが、一部普通列車は「ガラガラ」の場合もあります。

混雑の日程・時間帯は?

日程・観光による混雑は特に土日祝日
平日も混雑しやすい
・観光客が少ない日程は余り見られない
秋の紅葉シーズンは観光利用が極めて多い
時間帯昼前〜昼過ぎの京都駅発(特に普通)、昼過ぎ〜夕方の京都駅行き(特に普通)
・平日朝夕ラッシュ時(朝:京都駅行き、夕:京都駅発)

奈良線は、観光に伴うご利用は1年を通して多い傾向があります。そのため、観光客がおらず空いている日程というものは、現実的には余り見られません。

通勤によるご利用は、朝の京都駅行き、夕方以降の京都駅発という混雑パターンですが、観光による利用は逆の向きとなり、昼前〜昼過ぎ頃の京都駅発、昼過ぎ〜夕方頃の京都駅行きが混雑しやすいと言えます。但し、先述の通り混雑区間は概ね京都駅〜稲荷駅間の短い区間ですので、それ以外の区間で激しい混雑に見舞われることは多くありません。

奈良方面については、午前中の奈良行き「みやこ路快速」の外国人観光客による利用が多いですが、通常はそれだけで満員・すし詰めになるというほどではありません。

なお、特に混雑が目立つのは秋の紅葉シーズンで、京都駅から隣の東福寺駅までの間で、極端に混雑した状態が見られます。

混雑する車両は?空いていることはないの?

奈良線の電車は、車両の位置による混雑の違いは、同様に観光利用の多い「嵯峨野線」と比べるとそれほど大きくありません。

京都駅発の場合先頭側の方がやや空いており、後ろ側の方が混雑が増しやすい特徴などはありますが、先頭がガラガラで、後ろ側だけ満員といったような極端な差は生じません。

京都駅行きの電車についても、稲荷駅では先頭側からご乗車になる方が多い一方、東福寺駅では比較的後ろ側からご乗車になる方が多いため、京都駅到着時の差はそれほど大きくありません。

みやこ路快速・快速・区間快速大半が6両編成
普通多くは4両・一部6両編成

両数については、快速系統の電車は6両編成が多く輸送力が大きいため、ラッシュ時の一部区間を除き、混雑は激しくなりにくい傾向です。普通は4両の電車が多く、京都駅近辺では混雑が増しやすい傾向となっています。

列車の種類による混雑(普通・みやこ路快速など)

みやこ路快速・昼間に運行され、宇治・奈良方面への観光客の利用が多め
伏見稲荷大社最寄りの「稲荷駅」には停車せず
・但し、京都駅発着で見た場合、普通より空いているケースが多め
快速・通勤時間帯などに運行され、通勤通学利用により相応に混雑
・伏見稲荷大社最寄りの「稲荷駅」には停車せず
区間快速・通勤時間帯などに運行され、通勤通学利用により相応に混雑
・伏見稲荷大社最寄りの「稲荷駅」には停車せず
普通伏見稲荷大社最寄りの「稲荷駅」に停車
昼間の混雑は、みやこ路快速を上回る場合も多め
・快速の直後に運行される普通は、そうでない普通と比べやや空いている傾向
・状況によっては京都駅〜稲荷駅間でかなり大勢の立ち客が見られる

奈良線は、昼間の場合「みやこ路快速」と「普通」が運行されています。

普通が1時間4本(15分間隔)に対し、みやこ路快速は1時間2本(30分間隔)であることに加え、伏見稲荷大社最寄りの「稲荷駅」には、「普通」しか停車しないため、普通電車に利用が集中しやすい傾向があります。

混雑の度合いに関わらず、そもそも「乗り間違え」が非常に多い(稲荷に止まらないのに快速に乗ってしまう)ため、まずはその点に注意が必要です。

また、運転間隔の関係上、快速の直後に運行される普通と比べ、「普通の後」に運行される普通電車(快速のダイヤと離れた時刻に運行)は、より混雑しやすい傾向があります。

まとめ

・奈良線の混雑(観光関連)は、「伏見稲荷大社」への観光客「東福寺駅」での乗り換え客が主な要因
・混雑の度合いは「嵯峨野線」ほどにはならない場合が多い一方、かなりの混雑状況となる場合も
・観光による混雑区間は「京都駅〜稲荷駅」間中心、通勤ラッシュを含めると宇治方面まで混雑しやすい
土日祝日のみならず、平日も観光による混雑が一般的
紅葉シーズン「京都駅〜東福寺駅」間で過酷な混雑となる場合あり
・車両の位置による混雑の違いは一部見られる一方、それほど目立たない
・快速系統よりも「普通」の方が混雑しやすい傾向(伏見稲荷大社へは普通のみでアクセス可能)