日本国内で「雪が特に減った」場所とは?

自然・気候

雪は地域によって温暖化傾向の時代において「大幅に減っている」場所もあれば「それほど減っていない」場所もあります。

こちらでは、日本国内で「特に雪が減った場所はどこか」というテーマについて考えていきます。

何を基準にするかにより異なる

雪が減ったという状況の見方は、人々の体感・データ上の現実・目安とする期間・観測する地点(標高)などに応じ大きく異なります。

例えば、雪の量は平成以降に急減している現実がありますので、同じ地域の「昭和の雪」を知っている人は「凄まじく減った」体感を持つかもしれませんが、「平成以降の雪」しか知らない場合、あまり変化を感じないかもしれません。

また、近い地域同士でも標高が低い場所では雪が大幅に減っている一方、標高が高い場所では大して減っていない場合も多く見られます。

雪が多い地域では「北陸〜山陰」の沿岸部・平地

雪が多く降る地域の中で雪の量が特に減っている地域は、元々それほど寒冷な地域ではない山陰〜北陸の沿岸部・平地です。具体的には新潟市・金沢市・敦賀市・鳥取市等が挙げられます。このエリアでは、雪が積もるギリギリの温度である気温0℃程度で降る場合が多く、1〜2℃の温暖化によって雪が一気に減ってしまいます。

かつては根雪となる年も多く見られましたが、近年は暖冬傾向が強い場合、まとまった積雪自体一度もないようなシーズンが見られるようになっています。

一方で、山間部は気温が低いため、沿岸部ほど目立った減り方は見られません。温暖化というものは、ある地域全体の雪の量を等しく減らす訳ではなく、標高などに応じて大きな差を生じさせています。

雪が元から少ない地域は?

雪が元から少ない太平洋側の地域では、そもそも少ない雪が、大半の地域で一層減っている現状があります。

東京・大阪・福岡などの主要都市で見た場合、特に積雪の「頻度」は過去と比べ近年は大幅に減っています。具体的には、「全く雪が積もらなかった年」が当たり前に見られるような状況が増えています。

但し、名古屋・京都など「冬型の気圧配置」が強まる際に雪の影響を受けるケースがある地域では、近年も大雪の事例が散見されます。また、長崎・高知で見られるように、近年にまれな大雪の記録が生じている地域では、それが突出して目立つようになるため、必ずしも雪が減っているようなデータになっていないなど、地域差はあります。