10月に「平地」で雪が降る・積もることはある?

自然・気候

10月は一般的には「秋本番」の時期ですが、温暖化傾向もあり、近年は一部地域では夏の延長線上のように感じられる場合もあります。

「雪」というテーマから見た場合、10月に山地ではなく「平地」で雪が積もることはあるのでしょうか?

北海道では時折見られる

10月の積雪は、平地の場合「北海道」では時折見られる場合があります。但し、温暖化傾向により以前より更にまれになっている上、元から頻度は多くありません。

旭川の場合、平成以降に1cm以上の雪が積もった年は「8回」とやや多めですが、札幌をはじめその他都市ではより少なく、一度も1cm以上の積雪を観測していない都市も多数見られます。

主要都市1cm以上雪が積もった年
(回数・平成以降)
旭川8回/35年間
札幌・岩見沢・稚内4回/35年間
留萌3回/35年間
小樽・網走・紋別2回/35年間
帯広・釧路・根室・苫小牧・室蘭・函館0回/35年間
気象庁のデータによる(気象台・特別地域気象観測所など)
2023年時点の情報・その後状況が変化する場合あり

なお、積雪がごくうっすら(1cm未満)のケースを含めると、これよりもやや頻度が増す場合がありますが、まれな現象であることに変わりありません。

本州の一部平地で過去の降雪記録あり

北海道ではなく本州に目を向けた場合、平地(標高が低い地域)での積雪事例はありません。

但し、10月に初雪が観測された事例は東北を中心とした地域で、過去に存在します。

都市初雪(最早)
青森1986年10月17日
盛岡1986年10月18日
秋田1986年10月17日
山形1918年10月25日
福島1904年10月31日
長野2002年10月28日
気象庁のデータ(県庁所在地の気象台)

温暖化傾向が強まるに従って、近年は10月の初雪はほとんど見られません。平成以降では2002年10月末に初雪ラッシュとなったのが、最後の「本州平地(広範囲)での雪」となっています。

本州の「積雪事例」は標高が高い場所のみ

本州で「積雪」を10月に観測した事例は、一般的に気象情報で「平地」と呼ぶ、標高が低めの地域ではありませんが、広義の「平地」にあたる標高が高い地域の平坦地では、過去の観測事例があります。

唯一の記録があるのは、長野県の松本盆地北端部にあたる「大町」アメダスで、2002年10月28〜30日にかけて観測された積雪で、最大で18cmの積雪を観測しています。

但し、大町アメダスの標高は784mと、東京で言えば高尾山より高い場所であり、平坦な地域であったとしても標高が高い環境であるため、特殊な事例となっています。