初雪とは、その年に初めて雪が「降った」状況を指すものです。この「初雪」の際に「雪が積もり」、更にそれが「大雪(ドカ雪)」になるケースはあるのでしょうか?
降る意味での「初雪」の場合必ずしも多くない
「初雪」として初めての降雪が観測されるタイミングで、同時に大雪となるケースは、基本的にまれな現象です。
初雪は、一瞬だけ降る場合、みぞれで降る場合などを含めて観測されます。また、近年は自動観測に置き換えられ、目視と比べ観測されやすい傾向も見られます。11月や12月の前半などに、一時的にある程度の寒気が入ってきたタイミングなどで、積もるほどではない「降雪」となるケースはよくある現象です。
但し、2023年の稚内のように、初雪が降った後すぐに積雪30cm以上となったケースもあるため、初雪=大雪となるケースがゼロとは言えません。あくまでも頻度がかなり少ないといった状況です。
「初積雪=大雪」になるケースは珍しくない
降雪として「初雪」ではなく、積もる意味での「初積雪」が大雪となるケースはそれほど珍しいものではありません。
その年初めての積雪が「30cm以上」になったケースは、特に山沿いでは一般的で、北日本・東日本のみならず西日本日本海側の平地などでも時折見られ、状況次第では初めての積雪で一気に「50cm以上」積もったケースもあります。
極端なケースとしては、2022年12月の「柏崎(新潟県)」において、初積雪が記録的な豪雪となり、ゼロから一気に90cmもの積雪になった事例があります。
序盤の雪が最も多いシーズンも
初雪という趣旨は異なりますが、雪のシーズンの「始まり」となる12月などが、その年で最も雪が多い時期となるケースは一般的に見られます。
12月は夏・秋からの影響が残るため日本海などの海水温が高く、雪雲が最も発達しやすい時期のため、「寒気が強い」条件さえ整えば、1・2月以上の大雪・ドカ雪に見舞われる可能性がある時期となっており、12月の寒気の強さに対し、1・2月の状況はそれほどでもないシーズンは、12月が最も雪が多くなるケースが見られます。
冬季の海水温低下が著しい北海道ではその傾向が強く見られる場合があり、12月の降雪量が、それ以外の時期と比べかなり多くなるケースが道北を中心に頻繁に見られます。まれなケースでは、過去に11月の降雪量が1年で最も多くなったケースすらあります(2016〜17年シーズンの旭川など)。