夏は暑さが際立ち、雪というキーワードとは基本的に無縁の時期であるように思われますが、夏に「雪が降る」現象は可能性も含めて「あり得る」のでしょうか?
平地(海沿い)ではまず降らない
日本国内の平地や海沿いの地域で、夏(6〜8月)に雪が降ることはほぼ考えられません。
特殊な事例としては、過去50年程度のスケールで見た場合、1973年6月1日に網走で恐らく「みぞれ」の状態として降雪が観測された事例が存在しますが、それ以外に平地・海沿いと言える場所で雪が降った記録は存在しません(この他網走では1941年6月8日の降雪記録あり・国内の平地で最も遅い降雪記録)。
現状は地球温暖化により春〜初夏にかけて寒気が入りにくい状況が強まっているため、平地で夏の期間に雪が降ることは、現実的に起こりうる現象とは考え難いと言えるでしょう。
北海道の山沿いでは「6月の雪」も
平地・海沿いといった地域では雪が降ることはほぼあり得ない状況ですが、比較的近年にあっても、北海道の山沿いでは雪が降ったケースがあります。
例えば、2016年6月2日には北海道の主にオホーツク管内の山沿いでみぞれではなく「雪」が降り、積雪となった場所も一部で見られました。
但し、これも気象庁がアメダスで観測するような地点では積雪量は観測されていませんので、相応の標高が高い地域に限られた現象となっています。
富士山など高山地帯では可能性あり(大半が6月)
北海道に限らず日本国内全体で見た場合、富士山やその他3000m級の山・北海道の大雪山系など、特に標高が高い「高山地帯」では、夏に雪が降る場合はあります。
但し、この場合も「頻度」は多くなく、大半のケースは初夏にあたる6月に集中しています。
7〜8月については、日本アルプスなどの高山地帯であっても雪はほぼ降りません。特に標高が高い富士山頂付近ではまれに降るケースがあるほか、北からの寒気が入りやすい大雪山系付近(この場合基本的に8月後半の初雪のケース)でごく一部の年に雪が降ることがある程度に留まります。