乾雪(かんせつ)は、含んでいる「水分」の量が多い雪=乾いた性質の雪を指す言葉です。対義語としては含んでいる水分の量が多い雪である「湿雪」があります。
気温
雪質は、状況に応じ多様に変化するため、乾雪が「何度から降るか」という点について、断定的な目安を示すことは出来ませんが、基本的に「十分に氷点下の気温となっている」ケースで降ることがほとんどと言えます。
0℃程度〜0℃以上であれば、水分量が多いことが目立つため、基本的には「湿雪」となり、体感できるような乾雪になることはほぼありません。0℃をしっかり下回るほどに乾雪になりやすくなり、特に-4℃くらいになるとそれを実感しやすくなると言えます。
雪というものは、0℃以上では一部が解け掛かってていたり、0℃未満でも「疑似液体層」と呼ばれる水の膜が存在することにより、「完全な氷の結晶」という状態で降るケースは日本国内の平地ではまれな存在ですが、その中で水分を含む量が少ない場合について、通常乾雪という表現を用います。すなわち、-10℃未満など特殊なケースを除き、乾雪と言えるから、すなわち水分量が「ゼロ」という訳ではありません。
特性
乾雪の性質(特性)としては、例えば下記のような点が挙げられます。
サラサラ | ・スキー場などでは「パウダースノー」として歓迎される |
軽い(密度が小さい) | ・水分が少ない分「密度」が小さくなり、見かけ上の体積に対する重さは湿雪より軽くなる |
風に舞い上げられやすい | ・吹雪、地吹雪の要因となり、視界不良(場合によっては「ホワイトアウト」)をもたらす ・「吹き溜まり」を発生させやすい特徴も |
煙型の雪崩を発生させやすい | ・強烈な速度で雪煙が流れ下るタイプの雪崩を引き起こし、雪の塊というよりは「爆風」による被害をもたらす場合も |
気温が上昇した場合は解けやすい | ・降った後に気温が急上昇する場合、湿雪と比べ密度が小さいため、むしろ早く解けるケースが目立つ |