日本の気象史上に名を残す豪雪である「38豪雪(サンパチ豪雪・昭和38年1月豪雪)」。こちらでは、具体的な数字を挙げてその「凄さ」を完結に確認していきます。
北陸平地で積雪2m前後、一部山間部で5m以上に
北陸は平地も広い範囲で異常な豪雪となり、福井では最大213cm・金沢で181cmの積雪を観測するなど多くの地域で2m前後の積雪となりました。また、内陸部では平地でも3m程度に達した地域もあり、一部山地では積雪5m以上となる地域も見られました。
京都府北部沿岸部で積雪2m前後、一部山間部で5m以上に
京都府の丹後半島一帯、特に現在の京丹後市・伊根町周辺では雪が長期間降り続け、積雪は網野・間人周辺など沿岸部でも2m前後に達し、山地では更に増加し伊根町寺領で積雪530cmの記録が残されています。
一方で、舞鶴周辺など北部でも地域によっては極端な積雪は見られず、丹後半島北部の一部のみに異常な雪の集中が見られました。なお、この他には香住方面など兵庫県但馬地方の沿岸部(ごく一部)でも記録的豪雪となりました。
広島・島根県の山間部で積雪3〜4m台に
38豪雪は中国地方でも山沿いでは凄まじい量の雪をもたらしました。現在の広島県北広島町、島根県飯南町の一部などでは、積雪が3〜4m台に達し、孤立する集落が多数生じました。
なお、山口県内においても一部山沿いで2m近い積雪に達しました。
四国の山間部で積雪1m以上、一部で4m以上に
通常雪はそれほど多くない四国でも、愛媛県・高知県の山沿いでは極端な豪雪となり、久万高原・小田・梼原周辺など、比較的広範囲で積雪が1mを大きく上回る状況となりました。
また、標高が1,000m以上で四国で最も雪が多い地域として知られる大野ケ原など一部では、積雪が4m以上に達したとされており、西日本の太平洋側では通常考えられないような状況が見られました。
九州で記録的大雪・福岡県筑豊地方で「根雪」に
38豪雪は九州への影響も大きく、通常雪がまれな九州南部なども含め、広い範囲で記録的な大雪となりました。例えば長崎県五島列島の福江では最大43cmの積雪、鹿児島県阿久根市では最大38cmの積雪を記録しています。
とりわけ内陸部は平地でも積雪が長期間見られ、福岡県筑豊地方(飯塚の観測地点)では、九州の平地としては史上唯一の「根雪(積雪日数が特定の条件を満たす範囲内で30日継続)」となりました。