湖水効果雪という言葉の意味を知る【冬型の気圧配置】

自然・気候

こちらでは、日本付近(主に日本海側)に雪を降らせるメカニズムであり、世界でも同様の事象が見られる「湖水効果雪」という言葉の意味について、基本的な内容を解説していきます。

概要

湖水効果雪(lake-effect snow)は、海面・湖面上に冷たい空気が流れ込むことで雲が発生し、それが雪を降らせるという特徴的な気象現象です。

アメリカの五大湖周辺で発生するため「湖水効果雪」との用語になっていますが、実際には海上も含め比較的様々な場所で見られる現象です。

なお、同じようなメカニズムで「雨」が降ることも多々ありますが、そういったケースでは影響が小さいため、あえて「湖水効果雨」と呼ばれることは基本的にありません。

メカニズム

湖水効果雪の発生には、下記の2条件が不可欠です。

相対的に温かい海面・湖面ある程度の広さを伴う必要あり
海でも湖でもどちらでも発生
・凍結した場合は湖水効果雪は発生しない
冷たい空気・雲の発生には水面との「十分な温度差」を生じさせる寒気が必要
・雪として降る場合、地上付近の温度を0℃程度〜氷点下にする寒気が必要
上層の寒気が特に強い場合、雲が発達しやすい

簡単にまとめると、冷たい空気が比較的温かい湖水・海水の影響を受けて「気団変質」を引き起こし、やや温まった空気が「上昇気流」を引き起こし、水面から供給される「大量の水蒸気」により雲を発生させ、気温が低い場合雪を降らせるという形になります。ある程度風が吹いていることが基本であり、雲は風の向きに沿って多くは「筋状の雲」として並ぶ形になります。

発生地域

日本付近日本海
・東シナ海〜対馬海峡付近
・瀬戸内海
・まれにオホーツク海
世界各地・アメリカ、カナダの五大湖周辺
・アメリカのグレートソルト湖周辺
・バルト海周辺
・黒海、カスピ海周辺
・エーゲ海周辺
・アドリア海周辺
・北海、アイリッシュ海周辺
・バイカル湖周辺 など
※地域により頻度は大きく異なる

湖水効果雪が、世界で最も「激しく・多く・継続的に」発生する地域は日本です。いわゆる西高東低の「冬型の気圧配置」による雪は、すなわち湖水効果雪となっています。日本海一帯以上に、広い範囲で湖水効果雪のメカニズムによって雪雲が発達しやすい環境は世界に存在しません。国内の場合、寒気が強い場合東シナ海一帯(九州に影響)、瀬戸内海一帯(四国・近畿中南部に影響)などでも湖水効果雪のメカニズムによって雲が発生(再発達)することがあります。

世界的には、日本海ほどの規模を持つ地域はありませんが、「湖水効果」の名称の由来であるように、アメリカ・カナダの五大湖周辺は湖水効果雪による影響が大きい地域です。