その地域で「どのくらい、どんな天気になるのか」を考える上での「目安」となる数字としては、天気の「出現率」と呼ばれるものがあります。
こちらでは、天気の出現率がどういった数字であり、何を意味するのかについて、計算方法なども含めて解説していきます。
出現率の算出方法
天気の出現率は、1日ごと(〜月〜日)に、ある天気が出現した度合いを見たもので、パーセンテージ(割合)で表します。
天気の種類は「晴れ」・「曇り」・「雨」・「雪」の4種類で比較します。
例えば、京都における1月1日・8月1日の天気の出現率をそれぞれ見ていくと、以下のような形となっています。
日 | 晴れ | 曇り | 雨 | 雪 |
---|---|---|---|---|
1月1日 | 40.0% | 16.7% | 10.0% | 33.3% |
2月1日 | 26.7% | 6.7% | 16.7% | 50.0% |
3月1日 | 31.0% | 13.8% | 48.3% | 6.9% |
4月1日 | 58.6% | 6.9% | 34.5% | — |
5月1日 | 44.8% | 20.7% | 34.5% | — |
6月1日 | 69.0% | 17.2% | 13.8% | — |
7月1日 | 27.6% | 24.1% | 48.3% | — |
8月1日 | 51.7% | 24.1% | 24.1% | — |
9月1日 | 58.6% | 17.2% | 24.1% | — |
10月1日 | 44.8% | 13.8% | 41.4% | — |
11月1日 | 58.6% | 6.9% | 34.5% | — |
12月1日 | 69.0% | 13.8% | 13.8% | 3.4% |
出現率は、例えば梅雨の時期には雨の割合が上がるなど、季節の状態に応じて傾向が見られ、どういった天気になりやすいかを知る上では、ある程度は目安になる存在です。特にある天気の出現率が高い日をその天気の「特異日」とする場合もあります(例:6月1日:晴れの特異日)。
出現したとみなす定義
天気の出現率は、天気の種類によって「出現した」とみなす定義が異なります。
晴れ | 雪、みぞれ、霧雪、細氷、ふぶきは観測せず、1日の降水量が1.0ミリ未満で、日平均雲量が8.5未満のとき |
曇り | 雪、みぞれ、霧雪、細氷、ふぶきは観測せず、1日の降水量が1.0ミリ未満で、日平均雲量が8.5以上のとき |
雨 | 雪、みぞれ、霧雪、細氷、ふぶきは観測していないが、1日の降水量が1.0ミリ以上観測したときは雨 |
雪 | 雪、みぞれ、霧雪、細氷、ふぶきのいずれかを観測したときは雪 |
上記がその定義ですが、実際の所この定義はかなり複雑な側面があり、雨の場合は「降水量」の観測が条件ですが、雪の場合は「降水量」の観測は条件になっていません。「体感的」な「天気」と「出現した」とみなされる「天気」には大きな差が生じることも一般的です。
天気出現の例
複雑な定義に従ってみていくと、例えば下記のようなケースが「出現率」における天気出現事例に当てはまります。
晴れ | ・1日中ほとんど晴れていたケース ・朝まで快晴であった後、昼前からは完全に曇りになったケース ・晴れたり曇ったりを繰り返し(日平均雲量8.5未満)、昼間に1時間程度弱い雨が降った(降水量1mm未満)ケース ・概ね晴れていた中で、一時的に雲が近づき雷が鳴り響いたケース(雨はほとんど降っていない) |
曇り | ・1日中全く晴れなかったケース ・概ねどんより曇っていたものの、昼間に一時的に日差しがあったケース ・曇る中で弱い雨や霧雨が時々降ったケース(降水量1mm未満) |
雨 | ・しっかり雨が降ったケース ・夕方まで晴れており、夜から本格的な雨になったケース ・ほとんど晴れていた一方、夕方に30分だけ夕立で雨が降ったケース(降水量1mm以上) |
雪 | ・しっかり雪が降ったケース ・1日のうち「5分間だけ」雪が降ったケース ・完全な雪ではなくみぞれが降ったケース |
体感的な状況と、実際の天気出現の区分は大きく異なる場合があります。特に「雪」は「ゆるめ」の認定基準となっており、ほぼ1日中何も降っていなくても、5分程度観測されれば(積もる必要はなし)、その日の天気は「雪」という扱いになってしまいます。
まとめ
- 天気は「出現率」で時期ごとの大まかな傾向を把握
- 出現率を計算する上での「区分(定義)」はやや複雑
- 例えば一瞬でも雪が降れは「その日の天気は雪」として区分されるなど、体感とはずれが大きい場合も