「薄曇り」とはどういった状態?観測・予報上の基本などを知る

天気の区分には様々なものがありますが、最も一般的になじみが深いものとしては「晴れ」・「曇り」・「雨」の3種類が挙げられます。このうち「曇り」については、厳密には「薄曇り」という区分が存在し、それ以外の状態と分けて考えます。

こちらでは「薄曇り」という状態について、観測上・予報上の位置付けなど「気象庁」における取り扱いについて詳しく解説していきます。

上層雲主体の「曇り」

薄曇りとは、雲に覆われる割合が概ね9割以上である(雲量9・10)の「曇り」のうち、「上層雲」と呼ばれる雲が主体となっている状態を指します。

区分基本の雲形高さ
上層雲巻雲・巻積雲・巻層雲概ね5,000〜13,000m
中層雲高積雲・高層雲・中層雲概ね2,000〜5,000m
下層雲積雲・積乱雲・層雲・層積雲概ね2,000m以下(積乱雲などは上層まで達する)
高さは「主な部分」の高さで見た場合

上層雲は、富士山など国内の高山地帯と比べても極めて高い場所、状況次第ではエベレストを大きく上回る高度に発生するもので、地上から見た場合はかなり離れています。

雨や雪を降らせるような雲(乱層雲・積乱雲など)は、その底部(雲底)は下層にかけて見られますが、上層雲は上層のみで発生し、そういった雲のように「しっかり、わかりやすく発達」する雲ではありません。

むしろ、見た目としては「すじのような雲」や「ベールのような雲」として「薄く・細い」イメージをもたらすもので、「薄曇り」という状態と表現されています。

観測上は「曇り」として観測

薄曇りは「曇り」と呼ぶ以上、気象庁が観測する上での区分は「曇り」です。薄い雲であったとしても、空を覆っているという点だけで見れば、それ以外の雲と同じ位置づけになりますので、雲量が9・10という条件を満たす場合、観測記録としては「曇り」の一部として記録されます。

なお、薄曇りという状態は「目視観測」のみで確認可能であり、現在主流の「自動観測」においては観測がなされていません。薄曇りという状態を適切に観測出来る場所は、東京など一部の目視観測を継続している地点に限られます。

予報上は「晴れ」の一部として扱う

薄曇りは、見た目の上では「青空」や「日差し」を完全に覆う状態をもたらさない場合が一般的です。薄い雲からは青空が透けて見えたり、日差しがある程度差し込んで来ることが多く、体感的には「曇り」というよりも「晴れ」に近い場合が少なくありません。

そのため、観測上は「曇り」の一種でも、予報上は「晴れ」の一部として取り扱います。大まかに言えば、晴れ予報で実際は薄曇りの状態が続いた場合、「予報が当たった(外れていない)」ということになります。逆に、曇り予報で薄曇りの状態が続いた場合、厳密には「予報が外れた(当たっていない)」ということになります。

その他「薄曇り」に関する知識

ハロ(暈)・薄曇りをもたらす「巻層雲」によって、太陽の周囲に「暈(かさ)」と呼ばれるリング状の模様が現れる
・特段珍しい現象ではなく、比較的頻繁に見られるケースも
・基本的に「天気悪化」のサインとされることが多い
紫外線・曇りというよりは「晴れ」に実際は近い場合が多いため、一般的な曇りと比べ紫外線量はかなり多くなりやすい
・曇りの場合を「快晴時の6割」とすると、薄曇りの場合は「快晴時の8〜9割」程度の紫外線量とされる
その他との区別・黄砂、大気汚染物質などによる視界不良(白っぽい空)、水蒸気などによるもやなどは「薄曇り」とは全く異なる現象

まとめ

  • 薄曇りは「上層雲(巻雲・巻積雲・巻層雲)主体の「曇り」
  • 気象庁の観測上は「曇りの一部」、薄曇りという区分は「目視観測」上で記録
  • 青空、日差しを完全に遮らないことが多いため、予報上は「晴れの一部」という扱い
  • 日暈を生じさせるケースや、紫外線量が多くなりやすいといったポイントも