雪が降る「上空の寒気の目安」を徹底解説【850hPa・500hPaなど】

自然・気候

天気予報などでは、雪が降るかどうか、どの程度降るかどうかを考える上で「上空の寒気(気温)」を目安とする形で解説される場合があります。

こちらでは、上空の寒気の目安として用いられることが多いいくつかの「指標」について、まとめて詳しく解説をしていきます。

850hPa

概要

850hPaは、地上付近が平均1,000hPaのことが多いため、それよりも約150hPa下がった気圧を意味します。

気圧は10mにつき1hPa程度下がることが基本ですので、標高に当てはめた場合は「1,500m付近」を指すことになります。天気予報では850hPaではなく「上空1,500m付近の〜」として伝えられることがほとんどです。なお、気圧には高低があるため、必ず1,500m=850hPaという訳ではなく、ある程度のぶれが見られます。

上空の天気図である「高層天気図」などでは、850hPa面の気温・風といった様々な状況を一目で把握することが可能です。

寒気の目安

雪が降るかどうかを判断する際には「上空の寒気」を目安としますが、この850hPa面における寒気は、判断する上で最も重要な目安となります。

6℃・立山室堂などでは雪となる気温に
0℃・標高が1,500m前後〜など高い山地では雪となる場合あり
-3℃・標高1,000mくらいの山地で雪となる場合あり
・南岸低気圧通過時の一部ケースでは、地上で雪となる場合も
-6℃・地上で雪になり始める目安
・必ず雪で降るとは限らない(雨やみぞれも)
・しっかり強く降らない場合、積もりにくい
-9℃・地上で雪が一般的に降る目安
・ある程度の時間降れば、ほぼ確実に積もる
-12℃・非常に強い寒気
・少し降るだけで真っ白になるような状況に
・比較的乾いた雪で降る場合も多い
-15℃・北日本を除いては記録的な強さの寒気
・晴れた昼間でも「氷点下」となる水準
・降った雪の粒が解けずに残るような

500hPa

概要

500hPaは、地上付近が平均1,000hPaのことが多いため、それよりも約500hPa下がった気圧を意味します。

気圧は高度とともにどんどん低くなりますが、500hPaの面を標高に当てはめた場合は「5,500m付近」を指すことになります。天気予報では500hPaではなく「上空5,500m付近の〜」として伝えられることがほとんどです。なお、気圧には高低があるため、必ず5,500m=500hPaという訳ではなく、実際には相応のずれが見られます(日本付近の場合季節・気圧配置に応じ最低4800m台〜最高5900m台)。

寒気の目安

雪の状況を判断する際には「上空の寒気」を目安としますが、この500hPa面における寒気は、「大雪」になるかどうかを判断する上で最も重要な目安となります。

-30℃・一般に「雪」の目安とされる
・実際は下層の寒気で決まるため、より低くても地上で雪、より高くても地上で雨のケースあり
-36℃一般に「大雪」の目安とされる
・実際に山陰〜北陸日本海側などでまとまった量の雪になりやすい
・北日本上空では頻繁に見られる水準の寒気
-42℃・「ドカ雪・豪雪」の目安とされる場合も
・西日本上空では観測されないか、極めてまれ
・北日本上空でも強い寒気にあたる
-48℃北海道上空のみでごくまれに見られる最強寒気

925hPa

概要

925hPaは、地上付近が平均1,000hPaのことが多いため、それよりも約75hPa下がった気圧を意味します。

気圧は10mにつき1hPa程度下がることが基本ですので、標高に当てはめた場合は「750m付近」を指すことになります。天気予報では余り用いられる数字ではありませんが、925hPaではなく「上空750m付近の〜」として伝えられるケースがまれに見られます。なお、気圧には高低があるため、必ず750m=925hPaという訳ではなく、ある程度のぶれが見られます。

各種の気象に関する数値予報モデルにおいては、925hPa面の気温・風などを予測しており、予報上重要な位置づけを持っています。

寒気の目安

雪が降るかどうかを判断する際には「上空の寒気」を目安としますが、この925hPa面における寒気は、判断する上での一つの目安となります。

0℃【冬型の気圧配置】700〜800m以上などある程度標高のある山地で雪となる
【南岸低気圧】まれに平地で雪の場合あり
-3℃【冬型の気圧配置】平地で雪となることが増える
【南岸低気圧】必ず雪になる
-6℃平地でも少しの雪で積もりやすくなる

925hPaの気温は、冬型の気圧配置よりは「南岸低気圧」で重要な目安として用いられることが多く、0℃前後の微妙な気温の動きにより、雪・みぞれ・雨の領域が様々に変化することが特徴です。

700hPa

概要

700hPaは、地上付近が平均1,000hPaのことが多いため、それよりも約300hPa下がった気圧を意味します。

100m高くなると気圧は10hPa下がるという一般的な目安があり、700hPaの面を標高に当てはめた場合は「3,000m付近」を指すことになります。天気予報では850hPa(1,500m付近)・500hPa(5,500m付近)の情報が主に用いられ、700hPaというキーワードはほとんど登場しません。

なお、気圧には高低があるため、必ず3,000m=700hPaという訳ではなく、実際には相応のずれが見られます(国内では最大3,200m台・最低2,500m台程度)。

寒気の目安

雪の状況を判断する際には「上空の寒気」を目安としますが、この700hPa面における寒気は、「大雪」になるかどうかを判断する上で重要な目安となる場合があります。

-12〜15℃・地上で「雪が降る可能性」が生じる
-18℃・地上で降るものは基本的に雪
-21℃・地上で「大雪」となる一つの目安
-24℃・西日本ではかなりまれな水準の寒気
・通常「雪がまれ」な地域で積雪となるようなケースが目立つ
-27℃・北日本を除いては滅多に見られない記録的な寒気
-30℃・北日本上空のみで見られる極めて強い寒気