秋の気温と冬の気温は関係がある？【暖秋・寒秋・暖冬・寒冬】

地球温暖化によりどの季節の気温も上昇傾向が見られる昨今ですが、気温が高い年も多い一方、時には低めとなる年も見られます。

こちらでは、「秋の気温」と「冬の気温」について、その高低（暖かい・寒い状況）に関係性があると言えるのか？というテーマで解説していきます。

※記事の内容は2023年前半時点のものです。

結論から【明確な関連があるとは言えない】

過去には確かに両方とも高温・両方とも低温になった年も存在します。しかしながら、「秋が高温」で「冬が低温」、「秋が低温」で「冬が高温」となったケースなど、様々なケースが存在し、必ずしも断定的に述べられるような傾向があるとは言えません。

強いて言えば、秋の気温の状況は、どちらかと言えば夏の状況からの影響を受けやすい傾向が見られます。こちらについても必ずしも毎年当てはまるものではないため、一概には言えませんが、猛暑の夏には、秋の気温も高めとなるケースは比較的見られやすい状況です。

データから見る秋〜冬の気温

シーズン（年）	秋の気温偏差（℃）	冬の気温偏差（℃）
1989〜90	-0.38	0.41
1990〜91	0.52	0.39
1991〜92	-0.43	0.43
1992〜93	-0.81	0.73
1993〜94	-0.85	-0.12
1994〜95	0.40	-0.11
1995〜96	-0.69	-0.85
1996〜97	-0.74	-0.09
1997〜98	-0.51	0.28
1998〜99	0.56	0.19
1999〜2000	0.64	-0.24
2000〜01	0.12	-0.75
2001〜02	-0.60	0.21
2002〜03	-1.11	-0.58
2003〜04	0.10	0.42
2004〜05	0.44	-0.05
2005〜06	0.43	-0.97
2006〜07	0.20	1.04
2007〜08	0.38	-0.31
2008〜09	0.06	0.85
2009〜10	-0.30	0.33
2010〜11	0.42	-0.29
2011〜12	0.61	-1.09
2012〜13	0.34	-1.04
2013〜14	0.27	-0.29
2014〜15	-0.13	-0.22
2015〜16	-0.09	0.78
2016〜17	0.16	0.47
2017〜18	-0.52	-0.98
2018〜19	0.23	0.77
2019〜20	0.81	1.43
2020〜21	0.58	0.18
2021〜22	0.42	-0.21
2022〜23	0.90	0.04

上記のデータは平成以降、2022年までのデータを見たものです。平年の気温より±0.5℃以上の差がある場合をひとまずの目安として見ると、はっきり低い・高い傾向が秋冬で一致していた年は1995年・2002年・2017年が挙げられますが、それ以外の年では気温の傾向が逆転している年も見られます。データ上、秋の気温と冬の気温には特段傾向の一致があるとは言えません。

但し、上述の通り、特に秋の気温は平成半ば以降、平年を下回る年が少なくなっており、高めの傾向が強く見られます。「寒い冬」と比べて「寒い秋」の頻度がより少なくなっている状況です。

高温の秋でも冬は豪雪となる場合あり

一例としては2012年秋は特に前半はかなりの高温でしたが、冬に入ると北日本・東日本中心にかなり寒い冬となり、記録的な豪雪となった地点も多く見られました。

また、2022年秋は11月まで一貫して高温傾向が続き、その時点では「最も暑い秋」となりましたが、12月以降には強烈な寒波が流れ込むタイミングがあり、新潟方面で集中豪雪となったほか、通常雪がほとんど積もらない高知などで大雪となる事例も発生しました。

但し、2019〜2020年のように、秋がかなり暖かく、冬も異常に暖かかった冬もあります。

秋と冬の気温の関係性について、はっきりとした傾向が見られない状況では、秋の気温だけでその後の冬をイメージすることは出来ません。気象庁の発表する「長期予報」などを参考にする必要があります。

ポイント・まとめ