東京〜愛知間を内陸側(山梨・長野)経由で結ぶ日本屈指の「交通の大動脈」である「中央自動車道」
中央自動車道は、区間によって標高が大きく異なることもあり、気候も大きな違いが見られます。
こちらでは、中央自動車道における「雪」について、降る時期・積もる量などに関する基本を解説していきます。
雪が多い区間・少ない区間
雪が少なめの区間 | 概ね東京周辺・愛知県内・岐阜県内(中津川IC以西) |
雪がやや積もりやすい区間 | 山梨・長野県内の大半の区間 |
雪が積もりやすい区間 | 山梨・長野県境付近 岐阜・長野県境付近 富士山麓周辺(富士吉田線) |
中央自動車道は、東京都杉並区の高井戸IC〜愛知県小牧市の小牧JCTまでの区間、及び山梨県の大月JCT〜富士吉田ICまでの富士吉田線の区間の高速道路を指す名称です。
雪については、「雪国」と言えるような地域は通過しませんが、内陸側・標高が高い地域を通るため、比較的雪が積もりやすい場所も多くなっています。雪の頻度が明らかに少ないのは東京・愛知・岐阜県内の一部に留まり、山梨・長野県内については、場所によっては比較的頻繁に雪が積もるような場所も存在します。
雪が降る時期は?
11月 | ・基本的にまれ ・標高が高い場所でまれに降る場合あり |
12月 | ・山梨県内〜長野、岐阜県境周辺では時折降る場合あり ・東京方面での降雪は極めてまれ ・愛知方面ではまれに降る場合あり |
1月 | ・山梨県内〜長野、岐阜県境周辺では時折降りやすい ・標高が高い地域で降る場合、まとまった雪になりやすい ・東京、愛知方面でもまれに降る場合あり |
2月 | ・山梨県内〜長野、岐阜県境周辺では時折降りやすい ・標高が高い地域で降る場合、まとまった雪になりやすい ・東京、愛知方面でもまれに降る場合あり |
3月 | ・山梨県内〜長野、岐阜県境周辺では時折降る場合あり ・東京方面でもまれに降る場合あり ・愛知方面での降雪はかなりまれ |
4月 | ・山梨〜長野方面ではまれに降る場合あり |
中央自動車道は、地域・標高に応じて雪の降る頻度は様々です。
あくまでも「雪国」ではないため、日本海側のように連日まとまった雪が降り続くような場所は存在しませんが、内陸側・標高が高い場所では時折雪が降ることが一般的です。
雪が降るといっても、降る際の気温により積もる度合いは様々です。山梨〜長野県境周辺、長野県内のほぼ全域、及び富士吉田周辺は標高が特に高い地域となっており、雪が降る際にはある程度まとまって積もりやすい傾向があります。
中央道でも東京・愛知方面(都市部)の雪はまれな現象ですが、全く雪が降らないという訳ではなく、まれに降るケースは存在しますので、雪が予想されている場合などは注意が必要です。
後述する通り、雪の降る要因には地域差があり、多くの地域では「南岸低気圧」による雪の影響が大きいですが、長野県南部など一部では「冬型の気圧配置」による雪も降りやすい場所があります。
雪の量は?規制は?
道路上の積雪 | ・強く降る場合はしっかり道路に積もる場合も ・標高差が大きい区間では、短距離で急に雪が増える場合あり |
規制の実施 | ・冬用タイヤ規制が実施の場合あり(区間はその時々に応じ様々) ・大雪時のチェーン装着義務区間あり 【山梨県内】須玉IC~長坂IC間 【長野県内】飯田山本IC~園原IC間 |
通行止め措置 | ・大雪となる場合、大雪が予測される場合に実施されるケースあり ・雪に伴い事故(立ち往生)発生時も実施のケースあり |
中央自動車道では、除雪・凍結防止などの基本的な対応が随時実施されていますが、雪による規制などが実施されるケースがあります。一般的な積雪時には冬用タイヤ規制が実施されますが、特に顕著な大雪となるケースについては、立ち往生が発生しやすい急勾配などのある一部区間では、チェーン装着義務が課せられる場合があります。
通行止めについては、大雪の際には影響を受ける区間で実施される場合があります。頻度がそれほど多い訳ではありませんが、積雪が急増する場合には注意が必要です。
中央道の場合、標高差が大きいことが道路環境の最大の特徴と言えます。比較的短い距離で急に標高が変化する区間もあり、そういった場所では標高が高い側で急に雪が増える・見られるケースも考えられるため、特に注意が必要です。
雪が降りやすい条件は?
南岸低気圧 | ・多くの区間で雪となる場合の主な要因 ・山梨県、長野県内では比較的影響を受けやすい ・標高が高い地域で雪、低い地域で雨のケースも多い ・まれなケースでは1日50cm級の「ドカ雪(大雪)」も |
冬型の気圧配置 | ・影響を受けにくい区間が多い ・長野県南部の一部(飯田周辺など)では比較的影響を受けやすい ・愛知〜岐阜県内の雪も冬型の気圧配置が要因の場合が多い ・南岸低気圧で見られるような極端な大雪にはならない |
中央自動車道では、多くの区間では主な雪の要因は太平洋上を通る「南岸低気圧」です。南岸低気圧については、東京周辺が雨の場合であっても、内陸側・標高が高い場所では雪となるケースが一般的に見られるため、標高500m以上・場合によっては1,000m程度の区間がある中央道一帯では、影響をやや受けやすい状況です。
但し、日本海側の雪とは異なり、南岸低気圧は連日・毎日雪が続くような存在ではありません。「よく晴れた天気」が多い中で、時にまとまった雪が降ることもある。というのが基本的なパターンと言えるでしょう。
南岸低気圧による雪は、わずかなルートの違い・気温の違いなどで全く違った積雪状況になりやすい存在です。先述の通り、標高差に応じ雪の量が一気に変化する場合もあるため、予想がされている場合は運転には十分な注意が必要です。
なお、長野県南部〜愛知県内にかけての東海側の区間については、南岸低気圧というよりは「冬型の気圧配置」の影響を受ける頻度が多くなっています。名古屋近郊では雪となる回数はそれほど多くないものの、長野・岐阜県境周辺をはじめ、冬型の気圧配置による積雪が比較的頻繁に見られる場所もあるため、全ての雪が同じ要因・パターンで降る訳はない点に注意が必要です。