「ひょう」が降ることは珍しい?基本を知る【東京で観測された過去のひょう】

自然・気候

気象現象の中でも、それ自体が直接物損などの被害を生じさせることがあるため、特にインパクトのある存在として知られる「ひょう」。

「ひょう」については、どのような気候でも降る可能性があるというものではなく、ある程度特定の条件を満たしている場合に限り、降る可能性が生じます。

こちらでは、ひょうが「降る」ことはどのくらい珍しいのか?というテーマで、基本的な知識を解説していきます。

ひょうはそれほど頻繁に降るものではない

「ひょう」という気象現象は、雨や雪といった現象と比べ、その頻度は非常に少ない存在です。

例えば、1年に1回でも必ず降るかと言えばそうではなく、地域によっては滅多に見られない場合もあります。10年以上、場合によっては極めて非常に長い期間ひょうが観測されていない地点も多数存在します。

影響を受ける可能性として見た場合、「竜巻」よりは頻度が多いものの、「台風」と比べれば圧倒的にまれな存在であり、生きている間に大粒の「ひょう」を何度も目にすることは一般的でありません。

東京でひょうが観測されたケース(21世紀以降)

観測日大きさ降った時間
2023年4月16日直径0.8cm3分間
2021年7月11日直径2cm8分間
2014年5月9日直径0.8cm1分間
2013年12月20日直径0.7cm10分間
2005年5月15日直径0.5cm2分間
2001年1月〜2023年夏までのデータに基づいた場合の状況

21世紀以降(2023年夏までのデータに基づく)、東京の気象庁の観測地点でひょうを観測した機会は上記の通り、数少ない存在です。

ひょうは2年連続で観測された事例もあるものの、平均すれば数年に1回程度といったペースでの観測であり、全くもって「毎年必ず見られる現象」ではありません。

東京ではまれな「雪」でさえも、かなり多くの年で積雪の機会があり、単に降るだけであれば毎年必ず観測されている点を考慮すると、ひょうという現象がいかにまれな事例であるのかよくわかります。また、降った時間もごくわずかで、10分を大きく上回って降るような気象現象ではありません。

ひょうは直径0.5cm以上の氷の粒を指すものですので、大きさには違いがあります。2021年のケースでは、東京でも2cmというかなり大きなひょうを観測しています。

ひょうが「降りやすい」場所はある?

ひょうについては、降ったとしてもかなりまれな現象ですので、日本国内で明らかに・体感的な面も含め「降りやすい」と言える場所はありません。

ひょうの降る頻度については、「多いかどうか」というよりは、「非常に降りにくいか、単に降りにくいか」の違いと言った状況と言えるでしょう。

海沿いよりは内陸・山間部・地形などの影響で積乱雲が発達しやすい
標高が低い場所よりは高い場所・ひょうが発生する際に解けずに降りやすい
沖縄・南西諸島よりは本州以北・気温が高いと上空でひょうが発生しづらい
・仮にひょうが発生する場合も、地上までに解けやすい

ひょうの降りやすさを目安として見た場合、上記のように地域によってある程度の差はあると言えます。

基本的に、気温が高すぎる環境・上空も温暖な環境ではひょうが降ることは余り現実的でないため、気温が高すぎず、かつひょうを発生させる積乱雲が発達しやすい場所ほど、ひょうが降る可能性はまだ高くなると言えます。

東京と沖縄の那覇であれば、東京のほうがまだひょうが降る可能性はありますが、上述した通り、降るといっても数年に1回ペースに過ぎませんので、そう滅多に目にすることはない現象です。

なお、雷銀座と呼ばれ、ゲリラ豪雨が国内でも特に見られやすい場所とされる北関東エリアであっても、必ず毎年ひょうが降っている訳ではありません。

まとめ

ひょうという気象現象は、頻繁に発生するものではなく、かなりまれな現象です。

東京で過去にひょうが観測された事例はありますが、頻度としては平均数年に1回ある程度であり、毎年必ず見られるものではありません。

ひょうの降りやすさには地域差があります。例えば、沖縄・南西諸島よりは本州以北で生じることが多めです。但し、どこであってもまれな現象ということに変わりはありません。