ある日の「最高気温」の高さ(暑い日)を示す「用語」としては、夏日・真夏日・猛暑日の3種類が公式的に用いられています。
こちらでは、その中では最も耳にする機会が多いキーワードとも言える「真夏日」について、その基本を解説していきます。
最高気温30℃以上の日数
真夏日は、1日の最高気温が「30℃」以上の日を指します。
30℃以上ということで、30.0℃は真夏日に含まれ、それ未満の温度の場合真夏日には含まれない形となります。
30.1℃=真夏日
30.0℃=真夏日
29.9℃=真夏日ではない
最高気温25℃以上の場合は「夏日」、35℃以上の場合は「猛暑日」と呼ばれますので、真夏日はその中間に位置づけられる存在です。
なお、統計上は30℃以上の場合を全て真夏日としますので、猛暑日はすなわち真夏日にも含まれます。
真夏日はいつから?
真夏日は日本国内の温暖な地域では夏を中心にごく一般的な存在です。
観測される時期は日本国内の地域によって異なりますが、例えば東京を基準として見た場合、真夏日の「出現度合い」は下記のような状況となります。
月 | 真夏日の頻度 |
---|---|
5月 | 後半を中心にまれに観測される場合あり |
6月 | 時折観測される場合あり(その年の梅雨の状況に応じ違いが大きい) |
7月 | 多くの年で半数以上の日が真夏日 |
8月 | かなり多くの日が真夏日 |
9月 | 前半を中心に比較的多くの日が真夏日 |
10月 | 前半を中心にまれに観測される場合あり |
東京では、真夏日は概ね「夏」にあたる6〜8月、そして秋の前半にあたる9月頃にかけて一般的に見られます。
近年は気温上昇のペースがが早いこともあり、「初真夏日」は5月、すなわち春のシーズンであっても観測される場合があります。
真夏日の終わりは9月中のことが多いですが、時には10月にずれこむケースもあります。
真夏日はどのくらい暑い?
真夏日は、最高気温が30℃以上となる日であり、こういった状況下では通常「夏らしさ」をはっきり実感することが多いと言えます。
気温が30℃程度の「真夏日」の場合、下記のような状況が一般的です。
・水分(塩分)補給などの熱中症対策が重要に
・室内はエアコンの利用が一般的
・海水温が高めの地域では、マリンレジャーに比較的適した状況に(天候などが良い場合)
真夏日といっても、30℃ちょうど程度の暑さと、35℃近い暑さでは状況は大きく異なる場合があります。また、真夏日を越えて「猛暑日」となる場合は、より暑さの度合いは過酷なものとなります。
気温だけではなく、その時の「湿度」によっても状況は変化します。気温30℃・湿度70%と、気温30℃・湿度40%では湿度が70%の場合の方が熱中症リスクはより大きくなります。暑さをイメージする際には、湿度を含めた「蒸し暑さ」の状況にも注意が必要です。
真夏日日数を見る
都市 | 平年真夏日日数 |
---|---|
札幌 | 8.6日 |
仙台 | 23.0日 |
新潟 | 36.3日 |
東京 | 52.1日 |
金沢 | 46.0日 |
名古屋 | 69.7日 |
大阪 | 74.9日 |
広島 | 64.3日 |
福岡 | 60.4日 |
那覇 | 102.5日 |
真夏日日数は、西日本・南西諸島側ほど非常に多くなっています。
北日本などでも真夏日はある程度観測されることがあり、関東より西側の平地では、年間平均で60日前後〜とかなりの日数となっています。
とりわけ、沖縄では年間平均で100日以上とずば抜けて多くなっており、長期間夏らしい空気に包まれます。
真夏日が増えやすい条件とは?
真夏日は、基本的には緯度に応じ北側(寒冷な地域)ほど少なく、南側(温暖な地域)ほど多い傾向があります。
但し、真夏日の多さを決める要因はそれだけではありません。例えば、以下のような要素も非常に重要です。
・内陸部の平野、盆地(標高が低め)
・都市化が進んだ地域(ヒートアイランド現象)
・フェーン現象の影響を受けやすい地域
昼間に照りつける日差しは、例えば京都市のように海からの比較的涼しい風が入りにくい内陸部、とりわけ熱が溜まりやすい平野部または盆地地形の場所で気温上昇をもたらします。
また、都市化が進んだ地域の場合、都市の様々な活動による熱の排出、建物や道路の影響で熱が溜め込まれる影響などにより、一層気温が高まりやすい傾向が見られます(いわゆるヒートアイランド現象)。
加えて、海沿いの地域であっても日本海沿岸部のように、山を越えて熱風が吹き下ろす「フェーン現象」によって高温に見舞われやすい場合があり、真夏日の増加をもたらします。