関越自動車道の「雪事情」とは?【急に雪国へ変わる】

自然・気候

関越自動車道は、その名の通り関東地方と越後(新潟県)を結ぶ高速道路であり、交通の大動脈として非常に重要な役割を果たしています。

こちらでは、関越自動車道における「雪」について、降る時期・積もる量などに関する基本を解説していきます。

当記事内の全ての情報は2023年時点の状況に基づく「過去の一般的な傾向」を解説するものです。実際の状況はその時々の気象条件に応じ様々に変化する場合があります。

雪が多い区間・少ない区間

練馬IC〜渋川伊香保IC雪は少ない
・まれに積もることがある程度
・まとまった積雪の頻度はより少ない
渋川伊香保IC〜沼田IC雪が積もる機会がやや増加
・但し、よく晴れて雪がないケースが多め
・基本的に沼田側(北側)ほど雪の頻度が多い
沼田IC〜水上IC関東の気候から「雪国」へ変わる境界ライン
・水上側(北側)へ行くほど雪が増えやすい
水上IC〜長岡JCTいわゆる「雪国(豪雪地)」
・水上ICを過ぎ、谷川岳PA付近から一層雪が急増
・特に関越トンネル〜小千谷周辺は日本屈指の豪雪地

関越自動車道は、東京都練馬区の練馬IC〜新潟県長岡市の長岡JCTまでの区間を結ぶ、延長246.3kmの高速道路です。大まかに言えば「南北」に移動するルートとなっており、気候は関東平野側と新潟側では全く違うものとなります。

雪は、関東平野側ではまれで、積もること自体が珍しい地域も多くなっている一方、群馬県の北部で急激に雪の頻度・量が変化し、新潟県境周辺より北側は完全な「雪国」となります。

群馬県内で見た場合、渋川周辺までの「関東平野のよく晴れて雪が少ない気候」から、水上周辺の「雪国」エリアまでは、移動時間は30分も掛かりません。わずかな時間・短い距離で急激に天候・積雪状況が変化することが、関越自動車道の「雪」に関する最大の特徴であり、あらかじめ道路情報をよく確認した上で、注意して運転する必要があります。

結局どのあたりから雪がある?

状況次第ですので一概には言えません。一般論として、道路に積もっているかどうかに関わらず、周囲に雪が見えるようになりやすいエリアは、月夜野ICまたは下牧PA付近以北となっています。一部の大暖冬を除き、水上ICを過ぎてからの区間は、積雪は当たり前の地域です。

雪が降る時期は?

下記の傾向は「過去の一般的傾向」です。大暖冬となるケースなどでは、状況が異なることがあります。

11月・標高が高い関越トンネル周辺を中心に、まれに雪が降る場合あり
・関東平野周辺で雪が降るケースはほぼない
12月【雪が多い地域】
・「雪が当たり前」になっていく時期
・まとまった雪が何度も降る場合あり
【関東平野周辺】
・雪が降るケースはかなりまれ(ほぼ全く降らない年も多い)
1月【雪が多い地域】
・最も雪の日が多い傾向の時期(まとまった雪も多い)
・寒い年はほぼ毎日雪が降ることも
【関東平野周辺】
・まれに降る機会がある程度(但し、年によっては複数回降る場合あり)
2月【雪が多い地域】
・依然雪がかなり多い時期(まとまった雪も多い)
・寒い年はほぼ毎日雪が降ることも
【関東平野周辺】
・まれに降る機会がある程度(但し、年によっては複数回降る場合あり)
3月【雪が多い地域】
・雪の日が時折見られる
・標高が高い地域を中心にまとまった雪のケースも
【関東平野周辺】
・1〜2月よりも頻度はより少ないものの、まれに降る場合あり
4月・標高が高い関越トンネル周辺を中心に、まれに雪が降る場合あり
・それ以外のエリアでは雪となるケースは極めてまれか、ほぼない

雪の多いエリアでは、12月〜3月にかけて雪が一般的です。寒気が強いケースなど、過去に11月・4月の積雪となったケースもあります。関越トンネル付近を中心に標高が高く気温が低いエリアを通るため、雪が降りやすいシーズンは平地と比べ長くなる場合があります。

関東平野は冬の間に雪が降る機会自体が少なく、限定的ですが、まれに降る場合の影響は比較的大きくなることがあります。

雪の量は?規制は?

道路上の積雪雪が強く降る場合、しっかり道路上に積もる場合あり
短時間、短距離で急激に雪が増えるケースあり
規制の実施・冬用タイヤの装着が必須となり、「装備の有無」をチェックされる場合あり
通行止め措置・特に大雪となる場合、または特に大雪が予測される場合に実施されるケースあり
・雪に伴い事故発生、立ち往生発生の場合も実施のケースあり
道路沿いの積雪・多い年、多い場所では3m以上となる(道路上ではないため通常は走行に支障はない)
・暖冬の場合それほど目立たないケースも

関越自動車道は、雪による規制などは、状況に応じ臨機応変に実施されます。最も一般的な措置は「冬用タイヤ装着」に関するもので、スタッドレスタイヤを装着しているかの「目視確認」について、群馬県内・新潟県内の車線上またはパーキングエリアに誘導された上で実施される場合があります。

日本有数の高速道路ですので、積雪時には迅速な「除雪体制」が整えられています。通行止めとなっていない中で、車線上が通行が難しいような大量の積雪で埋め尽くされるようなケースが生じることはほぼないと言えます。但し、しっかり積もることは一般的で、何らかの形で装備が不足するなどして「立ち往生」する車が発生した場合、渋滞の間に積雪が急増し、過去には長時間の通行不能など大きな影響が生じたこともあります。

過去の「災害」

2020年12月16日〜18日にかけて、大量の積雪により新潟・群馬県境付近の広範囲に渡り立ち往生が発生し、最長で50時間以上(丸2日以上)、最大で2000台以上の車が走行不能となりました。

豪雪地を通るため、「並みの雪」では通行止めになることは基本的になく、かなりの大雪か立ち往生・事故が発生するような状況に限られます。

特に大雪となる場合は通行止めとなるケースもありますが、通行可能でもスタッドレスタイヤのみならず「タイヤチェーン」の利用が無難となるケースもあります。一方で、金属製のチェーンを装着した状態では、関越トンネル内の走行が出来ない場合などがあるため、その点はあらかじめご注意下さい。

また、雪が多い地域の道路沿いの積雪はメートル単位に達し、場所によっては春の半ばまで残りますが、道路上の積雪ではないため、通常は運転に直接的な影響を及ぼすものではありません。

雪が降りやすい条件は?

群馬県北部の一部・新潟県内冬型の気圧配置(連日のように影響を受ける場合あり)
・降るエリアは「風向き(雲の動き)」次第で大きく異なる場合あり
・西寄りから雲が入る場合「長岡方面」などで雪が増えやすい
・北寄りから雲が入る場合「新潟・群馬県境周辺」などで雪が増えやすい
・関東平野と同様南岸低気圧の影響をまれに受けるケースも
関東平野エリア南岸低気圧(頻度はまれ)
・それ以外の要因は極めてまれ

関越自動車道一帯については、「雪国」である群馬県北部の一部地域・新潟県内については、「冬型の気圧配置(西高東低)」で雪が大量に降ります。

大まかに言えば、東京が快晴であっても、関越道の一部区間では走行に支障が生じるような「ドカ雪」となることが時にあります。

雪の状況は、雲の動き次第で大きく異なることもあり、例えば水上・湯沢方面で特に大雪となるケースもあれば、逆に長岡方面のみで大雪となるケースもあるなど、「雪国」だからどこでも同じように雪が降っているとは限りません。基本的に、群馬県内などで大雪となる場合は、雲が比較的「北寄り」から入り込むケースであり、長岡方面で大雪となる場合は雲が比較的「西寄り」から入り込むケースとなっています。

雪が少ない関東平野一帯は、まれな積雪は大半が「南岸低気圧」によるケースです。冬型の気圧配置が雪国に雪をもたらすケースと比べれば、雪の頻度・量ともに極めて少ないですが、一部の年については、10cm以上などまとまった積雪となる機会もあり、雪に慣れていない=ノーマルタイヤ率が高い東京側ほど、影響が大きくなることもあります。

まとめ・注意点

関越自動車道は、東京の練馬IC〜新潟の長岡ICを結ぶ高速道路で、南北に長い路線となっています。気候は関東側・新潟側で全く異なり、大まかには「雪国(豪雪地)」と「雪が降りにくい地域」に二分されます。雪の多い地域では12月〜3月にかけて降雪が一般的で、11月・4月に雪が降ったケースもあります。

雪国のエリアについては、大量の積雪・連日の雪はごく一般的です。強い雪が降る場合、車線上にもしっかり積もることもあります。冬用タイヤ装着規制は基本中の基本であり、目視確認が行われることが多くなっています。過去には大雪で立ち往生が発生したこともあり、雪が多い場合は運転に十分な注意が必要です。

雪の要因は、雪国のエリアでは「冬型の気圧配置」が大半を占め、雪がまれな関東平野側では「南岸低気圧」が大半を占めます。なお、「雪国」といっても、雪は必ずしもどこでも同じように降るとは限りません。風向きに応じ、雪の量が増える場所は大きく変化することがあります。道路情報などは随時確認しておくのが基本です。