自然が豊かで標高が高い地域が多くを占める長野県(信州)。
長野と言うと「冬は寒い」・「夏は涼しい」イメージが強く持たれている地域ですが、夏の長野県内の気温を見ると、もちろん涼しい場所もあるのですが、場所によっては「イメージと比べ暑い」ようなケースも少なくありません。
こちらのページでは、長野県の主な地域における夏の暑さについて、標高の高さなどを考慮しながら見ていきたいと思います。
都市部・平地の最高気温は高め?
地点名 | 7月最高気温平均 | 8月最高気温平均 | 真夏日日数(年間) |
---|---|---|---|
長野 | 29.7℃ | 31.1℃ | 47.6日 |
上田 | 30.0℃ | 31.3℃ | 50.6日 |
松本 | 30.0℃ | 31.4℃ | 51.2日 |
諏訪 | 28.2℃ | 29.5℃ | 29.3日 |
飯田 | 30.0℃ | 31.6℃ | 52.7日 |
主な主要都市の観測地点で見た場合、標高が他より高い諏訪市を除き、7月・8月の最高気温平均は30℃以上となっており、30℃以上の最高気温となる「真夏日」の日数も50日前後となっています。
首都圏・京阪神のようにより暑い地域と比べれば、若干気温が低いとは言えますが、体感面では特段涼しい環境ではなく、十分「暑さ」を感じられる状況です。
昼間涼しい場所はどこ?
地点名 | 7月最高気温平均 | 8月最高気温平均 | 真夏日日数(年間) |
---|---|---|---|
軽井沢 | 25.3℃ | 26.3℃ | 7.7日 |
菅平 | 23.7℃ | 24.7℃ | 0.2日 |
野辺山 | 23.7℃ | 24.7℃ | 0.5日 |
奈川 | 26.3℃ | 27.5℃ | 12.2日 |
開田高原 | 25.0℃ | 26.3℃ | 3.7日 |
鉄道でアクセス可能な軽井沢でも、夏の最高気温平均は都市部と比べかなり涼しく、菅平をはじめ標高がより高い場所では、23〜24℃台程度と都市部で言う所の「春の後半・秋の前半の気温」が「真夏の気温」となっており、非常に過ごしやすい環境と言えます。
但し、近年は温暖化傾向もあり、標高が高い場所であっても最高気温30℃以上の真夏日を観測する機会が増えてきており、タイミングによっては暑さを感じやすいケースもあるでしょう。
朝晩は都市部でも比較的しのぎやすい
地点名 | 7月最高気温平均 | 8月最高気温平均 | 熱帯夜日数(年間) |
---|---|---|---|
長野 | 20.5℃ | 21.5℃ | 1.1日 |
上田 | 19.7℃ | 20.5℃ | 0.1日 |
松本 | 19.8℃ | 20.5℃ | 0.2日 |
諏訪 | 19.6℃ | 20.3℃ | 0.0日 |
飯田 | 20.3℃ | 20.9℃ | 0.1日 |
平年の最低気温平均は、20℃前後と首都圏・京阪神周辺と比べかなり低めで、最低気温が25℃以上となる「熱帯夜」は極めてまれな現象です。
但し、近年は朝の気温低下が抑えられるケースも増えています。平年データは10年おきに「過去30年分」のデータの平均として示されますので、平年データと比べると涼しさが減ったように感じられる場合もあるでしょう。
標高の割に気温が上がりやすい理由は?
長野県の平野部・都市部は標高が500m以上の場所もある一方で、昼間の気温は首都圏・京阪神よりも少し低い程度で、標高の割には暑さを感じやすい環境と言えます。
気温が比較的上がりやすい要因としては、主なものとしては例えば以下のような要因が挙げられます。
都市部は長野盆地・松本盆地など山岳地帯のすき間に広がる平坦な盆地地形となっている場所が目立ちます。こういった場所では、強い日差しで地上付近に熱が溜まりやすく、標高に対して気温が高くなりやすい状況です。
長野県は全国で最も典型的な「内陸県」であり、海からの距離がかなり離れています。海から風が吹き込む場合、海水温の影響で気温が比較的抑えられることがありますが、長野県ではそういった現象が一切生じないため、気温が上がりやすい環境となっています。
長野県内は四方を高い山地に囲まれた地形となっており、離れた場所に台風が位置する場合などに、吹き抜ける風が山を上り下りする間により高温となる「フェーン現象」が生じる場合があります。とりわけ県内の都市部・平野部は、県内では相対的に標高が低い場所ですので、山を風が吹き下ろす途中に気温が上がる影響を受けやすい場合があります。