長野県は実は「暑い」場所?標高と気温の関係を考える

自然・気候

自然が豊かで標高が高い地域が多くを占める長野県(信州)。

長野と言うと「冬は寒い」・「夏は涼しい」イメージが強く持たれている地域ですが、夏の長野県内の気温を見ると、もちろん涼しい場所もあるのですが、場所によっては「イメージと比べ暑い」ようなケースも少なくありません。

こちらのページでは、長野県の主な地域における夏の暑さについて、標高の高さなどを考慮しながら見ていきたいと思います。

情報は2023年時点の基本的な内容です。状況がその後変化する場合も考えられますので、あらかじめご留意下さい。

都市部・平地の最高気温は高め?

長野県=涼しいというイメージは、県内の都市部・平地の「夏の昼間」には必ずしも当てはまりません。首都圏や京阪神などと比べれば若干気温は低いですが、比較的「暑い」環境と言えるでしょう。

地点名7月最高気温平均8月最高気温平均真夏日日数(年間)
長野29.7℃31.1℃47.6日
上田30.0℃31.3℃50.6日
松本30.0℃31.4℃51.2日
諏訪28.2℃29.5℃29.3日
飯田30.0℃31.6℃52.7日
気象庁の平年データ(1991年〜2020年)

主な主要都市の観測地点で見た場合、標高が他より高い諏訪市を除き、7月・8月の最高気温平均は30℃以上となっており、30℃以上の最高気温となる「真夏日」の日数も50日前後となっています。

首都圏・京阪神のようにより暑い地域と比べれば、若干気温が低いとは言えますが、体感面では特段涼しい環境ではなく、十分「暑さ」を感じられる状況です。

昼間涼しい場所はどこ?

長野県内で夏の「昼間」に暑さを感じる機会が少ない、明らかに涼しい特徴を持つ場所は、概ね「標高1,000m以上」の地域が一つの目安となっています。

地点名7月最高気温平均8月最高気温平均真夏日日数(年間)
軽井沢25.3℃26.3℃7.7日
菅平23.7℃24.7℃0.2日
野辺山23.7℃24.7℃0.5日
奈川26.3℃27.5℃12.2日
開田高原25.0℃26.3℃3.7日
気象庁の平年データ(1991年〜2020年)

鉄道でアクセス可能な軽井沢でも、夏の最高気温平均は都市部と比べかなり涼しく、菅平をはじめ標高がより高い場所では、23〜24℃台程度と都市部で言う所の「春の後半・秋の前半の気温」が「真夏の気温」となっており、非常に過ごしやすい環境と言えます。

但し、近年は温暖化傾向もあり、標高が高い場所であっても最高気温30℃以上の真夏日を観測する機会が増えてきており、タイミングによっては暑さを感じやすいケースもあるでしょう。

朝晩は都市部でも比較的しのぎやすい

昼間は暑さが目立つ長野県内の都市部・平野部ですが、朝晩の気温は比較的涼しく、しのぎやすい状況となっています。

地点名7月最高気温平均8月最高気温平均熱帯夜日数(年間)
長野20.5℃21.5℃1.1日
上田19.7℃20.5℃0.1日
松本19.8℃20.5℃0.2日
諏訪19.6℃20.3℃0.0日
飯田20.3℃20.9℃0.1日
気象庁の平年データ(1991年〜2020年)

平年の最低気温平均は、20℃前後と首都圏・京阪神周辺と比べかなり低めで、最低気温が25℃以上となる「熱帯夜」は極めてまれな現象です。

但し、近年は朝の気温低下が抑えられるケースも増えています。平年データは10年おきに「過去30年分」のデータの平均として示されますので、平年データと比べると涼しさが減ったように感じられる場合もあるでしょう。

標高の割に気温が上がりやすい理由は?

長野県の平野部・都市部は標高が500m以上の場所もある一方で、昼間の気温は首都圏・京阪神よりも少し低い程度で、標高の割には暑さを感じやすい環境と言えます。

気温が比較的上がりやすい要因としては、主なものとしては例えば以下のような要因が挙げられます。

盆地地形

都市部は長野盆地・松本盆地など山岳地帯のすき間に広がる平坦な盆地地形となっている場所が目立ちます。こういった場所では、強い日差しで地上付近に熱が溜まりやすく標高に対して気温が高くなりやすい状況です。

海がない・遠い

長野県は全国で最も典型的な「内陸県」であり、海からの距離がかなり離れています。海から風が吹き込む場合、海水温の影響で気温が比較的抑えられることがありますが、長野県ではそういった現象が一切生じないため、気温が上がりやすい環境となっています。

フェーン現象

長野県内は四方を高い山地に囲まれた地形となっており、離れた場所に台風が位置する場合などに、吹き抜ける風が山を上り下りする間により高温となる「フェーン現象」が生じる場合があります。とりわけ県内の都市部・平野部は、県内では相対的に標高が低い場所ですので、山を風が吹き下ろす途中に気温が上がる影響を受けやすい場合があります。

まとめ

長野県は、都市部・平野部の場合「昼間」は比較的「暑さ」を感じやすい地域です。都市部・平野部でも朝晩は比較的涼しいですが、近年は温暖化に伴い、気温上昇の傾向も見られます。

昼間も含め「涼しい」場所は、標高が1,000m程度〜などの高い場所となっています。

標高の割に暑い理由としては、内陸の「盆地地形」により熱が溜まりやすい点、海からの気候的な影響を受けない点、フェーン現象の影響を受ける場合がある点などが挙げられます。