近年は異常な暑さが当たり前になりつつある夏の気候。
夏の暑さを示す数字となる日々の「気温」は、暑さの度合いに応じ気象庁が公式的に「〜日」と言う形で用語を設定しており、テレビその他でも一般的に用いられています。
こちらでは、その暑い日を示す用語について、全ての種類を一覧でまとめた上で、基本的な知識(定義・意味合い・頻度など)を解説していきます。
猛暑日=最高気温35℃以上
近年はすっかり一般的な存在となった「猛暑日」は、最高気温が35℃以上となった日を示す用語です。
気象庁の「公式的用語」となったのは2007年4月1日で、現在はメディアなどでも最も頻繁に用いられる「暑さ」に関するキーワードと言えます。
猛暑日は観測される頻度は、近年平野部・都市部を中心に特に増加傾向が目立っており、京都・大阪周辺、北関東の平野部などの猛暑日が特に多い地域では、特に暑い年では観測日数が「年間30日以上」となるケースもあるなど、「当たり前の存在」になっています。
一方で、高温多湿の地域でも沿岸部などでは猛暑日が少なく、とりわけ沖縄のように海に囲まれた地域では、観測されるケースは極めてまれであるなど、地域による差が極めて大きくなっています。
真夏日=最高気温30℃以上
真夏日は、最高気温が30℃以上となった日を示す用語です。
真夏日は北海道の一部・標高の高い山地などを除いては、頻度に違いはあるものの、一般的に観測されやすく、珍しい存在ではありません。
古い時代にはこの「真夏日」が「夏の暑さ」を象徴する一つの用語として用いられてきましたが、近年の温暖化傾向に伴う気温上昇で「猛暑日」がクローズアップされる機会が増え、真夏日は「当たり前の存在」として用語としてはそれほど重視されなくなっているとも言えます。
現在「真夏日」という用語がメディアなどで用いられる機会は、4〜5月などに気温が一気に上がった際や、10月などに季節外れの暑さとなった場合に「真夏日を観測」として伝えられるケースが多くなっています。
熱帯夜=最低気温25℃以上
熱帯夜は、最低気温が25℃以上となった日を示す用語です。
熱帯夜の観測日数は場所による差が極端に大きく、一般的には温暖な地域の「都市部・沿岸部」では日常的である一方、山間部や都市化が進んでいない地域では、観測されにくい傾向が見られます。
頻度については、大阪・福岡などでも年間の熱帯夜日数は多い年で50日以上となりますが、沖縄では年間の3分の1程度が熱帯夜となっており、本州などと比べ極端に熱帯夜が多くなっています。
沖縄で熱帯夜が多い要因は「海水温の高さ」が挙げられますが、本州などの各地では都市化による「ヒートアイランド現象」によって都心部での増加が特に著しい特徴が見られます。
夏日=最高気温25℃以上
夏日は最高気温が25℃以上となった日を示す用語です。
本州・四国・九州の温暖な気候の地域では、夏日は年間の3分の1〜4割程度、南西諸島では年間の6割以上を占める場合もあるなど、極めて日常的な存在であり、猛暑日・真夏日と比べ「夏日」があえて意識されたり、報道されたりする機会は少なくなっています。
「夏日」というキーワードを耳にする機会は、春先・晩秋など比較的気温が低い時期に急に気温が上がるケースについて、「夏日を観測」といった形で報道される形が多くなっています。
その他用語(酷暑日・超熱帯夜その他)
酷暑日 | ・最高気温40℃以上を示す用語として「日本気象協会」が使用 ・猛暑日と同じ意味合いとしては「非公式的」に古い時期から用いられる場合あり |
超熱帯夜 | ・最低気温30℃以上を示す用語として「日本気象協会」が使用 |
気象庁の公式用語ではありませんが、2022年以降「日本気象協会」が更に暑い日を示す名称として定めたものとして、最高気温40℃以上の「酷暑日」と最低気温30℃以上の「超熱帯夜」があります。
これらは、国の機関が用いる用語ではないため、気象庁の発表やメディアで頻繁に用いられる用語ではありませんが、日本気象協会の発表する情報などでは、これらの名称が使用されることがあります。なお、「酷暑日」については、かつては最高気温35℃以上の「猛暑日」と同じ意味合いで用いられてきたことがあるため、意味の混同に注意が必要です。
なお、この「酷暑日」と「超熱帯夜」は、頻度は現在でも極めて少なく、全国のほとんどの観測地点では、これまでの観測史上で「観測されたことがない」状況です。