苫小牧市の「雪事情」とは？【平地の雪は道内では少なめ】

北海道最大の港湾都市・工業都市として知られ、太平洋に面する「苫小牧市」。

苫小牧市は札幌からもそれほど遠くありませんが、日本海側ではないため市街地などの雪は比較的少ないことが特徴です。

雪の時期は？

苫小牧市は、太平洋側のため冬場でも「晴れる日」の方が多い環境です。

雪が降る場合、多くは12月〜3月にかけてとなっており、11月・4月に降ることもありますが、それほど目立つものではありません。

根雪は雪の頻度が少ない分道内でも短めです。平均的には1月〜3月前半頃ですが、年ごとの差が大きくなっています。

雪の量・降り方は？

苫小牧市は、北海道内でも市街地・沿岸部では積雪が少なめの地域です。多い時の積雪が50cm以上となるようなケースは珍しく、周辺でも千歳・恵庭・札幌方面と比べ雪はかなり少ない地域です。

また、雪が降る機会が少ないような年、比較的気温が上がりやすい年などは、苫小牧の観測地点で真冬に一時的に積雪がなくなるケースもあります。どのような場合でも多くの根雪が見られる札幌方面とは、全く特徴が異なります。

降り方については、降る場合でも市街地などでは極端な量の大雪・ドカ雪にはなりにくい傾向です。例えば、1日の降雪量が30cm以上となったケースは、過去を見てもごくまれな現象に留まっています。

なお、支笏湖や樽前山に近いエリアの場合、山の斜面の影響もあり雪が降る量が一気に増えるケースがあります。市内でも雪が少ないのはあくまでも「市街地・沿岸部」に限られる点に注意が必要です。

雪の要因は？

苫小牧市で雪が降る場合、その要因は北海道付近で低気圧が発達する場合や、気圧の谷が通過する場合で「寒気」が残っているケース、または西高東低の「冬型の気圧配置」で日本海から入る雪雲の一部が掛かるケースとなります。

低気圧・気圧の谷の影響を受ける場合、苫小牧市は市街地・沿岸部についてはドカ雪の頻度が比較的多い「道東」のような特徴を持つ地域ではありません。

比較的よくあるパターンとしては、渡島半島周辺から北東方向へ進んで来る低気圧の雲が掛かり、比較的短い時間である程度の量の雪が積もるケースです。極端な大雪にはなりにくいものの、一例としては「3時間で15cm」程度積もることはあるため、車の運転などには注意が必要です。なお、支笏湖に近いエリアなどは、山の斜面の影響もあり、市街地と比べかなりの大雪となるケースが一部であります。

冬型の気圧配置については、苫小牧市はあくまでも太平洋側で「晴れやすい」ため、日本海から雲が入る場合でも、北寄りの強い風に流されて「雲の一部」が入りこむ程度となり、海に近い地域ほど「舞う程度」や「うっすら新しく積もる程度」に留まります。まれに雲がまとまった状態で流れ込むケースもありますが、大雪にはなる機会は限られています。

基本気象データ

平年の年間最深積雪は、札幌と比べ大幅に少なく、室蘭などと大きな違いがありません。積雪日数も道内では短めの地域と言えるでしょう。

注意点など