根室市の雪事情とは？【積雪は少なめ・海と暴風雪】

北海道のみならず日本国内で最も東側に位置する「市」である根室市。

根室市の「雪」は、日本海側のような極端な豪雪地帯ではないものの、海に突き出した地理的特徴を持つため、「強い風（暴風）」を伴いやすいことが特徴です。

雪の時期は？

根室市は、雪が比較的降りやすい期間は概ね12月〜4月前半頃となっています。但し、太平洋側の気候のため、日本海側のように毎日雪が降るような地域ではなく、晴れる日のほうが多い特徴があります。

初雪は道内では遅めで、11月中に雪が降る場合もありますが、12月に入るまで雪がほとんど降らないようなケースも一般的です。

一方、雪の終わりは道内ではやや遅めの特徴があり、4月前半のみならず4月後半になってから雪となるケースも時には見られます。

5月・10月の降雪は過去の記録にはありますが、かなりイレギュラーなケースと言えるでしょう。

根雪については、年ごとの差があるため一概には言えませんが、道内では比較的短い状況で、年明け以降から見られる場合、3月の早い時期に消える場合もあり、4月以降まで根雪が残るケースは少なくなっています。

雪の量・降り方は？

根室市は、根室半島周辺を中心に雪が積もる量自体は道内では比較的少なめです。

市街地で最大で50cm以上積もるようなケースは少なくなっており、日本海側のような1m超の積雪は極めてまれな現象です。

一度に降る雪の量もそれほど極端な量にはならない傾向ですが、道内内陸部のように「じわじわ増える」ような場所でもありません。基本的には一度降った雪が（比較的少ない場合でも）長期間残るような傾向があります。

一方で、海に囲まれた環境は「強い風」をもたらしやすく、大雪を降らせるような発達した低気圧の通過時には、暴風雪・地吹雪が続き視界が悪くなり、周囲が真っ白となる「ホワイトアウト」状態となりやすい特徴があります。このようなケースでは車の運転・外出などには危険が生じるため、気象情報などに十分な注意が必要です。

なお、地域差は極端に目立つものはありませんが、傾向としては根室半島沿いよりは厚床など西側の地域の方が積雪は多くなりやすいと言えるでしょう。

雪の要因は？

太平洋側に位置する根室市では、道内日本海側のように「冬型の気圧配置（西高東低）」が大雪・まとまった雪をもたらす要因ではありません。

根室市の場合は、北海道周辺（太平洋上など）を低気圧が通過するような場合に、その低気圧の雲が掛かることで雪となるケースなどが目立ちます。大雪・ドカ雪となる頻度は同じ太平洋側でも十勝地方の方が多く、根室市はそれほど多くありませんが、先述の通り暴風雪・ホワイトアウトをもたらしやすいため、危険が生じることもあります。

基本気象データ

平年の年間最深積雪は、根室の観測所は道内で少なめの地域です。札幌と比べれば3分の1程度に過ぎません。平年の積雪日数も少なめで、道内各地では年間合計4ヶ月以上の積雪が一般的なところ、根室は3ヶ月程度に留まっています。

一方、厚床のアメダスは目立って雪が多い訳ではないものの、根室と比べれば雪が多い傾向がはっきり見られます。

注意点など