八幡平の「雪事情」とは?【春〜初夏に雪の風景を楽しむ】

自然・気候

秋田県〜岩手県にまたがるエリアに広がる山であり、東北地方屈指の「山の観光地」として知られる「八幡平」。

八幡平は東北屈指の雪の多さとなる山であり、春にドライブルートが開通すると「雪の回廊(雪の壁)」をご覧頂けることでも有名です。

当記事内の全ての情報は2023年時点の状況に基づく「過去の一般的な傾向」を解説するものです。実際の状況はその時々の気象条件・地域に応じ様々に変化する場合があります。

こちらで解説する内容は、「八幡平」と呼ばれる「山」を対象にしたものです。「八幡平市」の市街地について解説しているものではありません。

雪の時期は?

ポイント

・11月〜4月に雪が降りやすい
・10月、5月に雪が降る場合も
・12月〜2月は「連日降り続く」ような場合も
・根雪は場所によって異なる(11月〜5・6月頃など)
・道路は冬期通行止めにより長期間利用不可

八幡平一帯は、標高が高いため雪が降る期間は平地と比べ長くなります。

11月〜4月にかけては雪が降りやすく、とりわけ12月〜2月は雪の機会は大変多くなり、連日雪が降り続くようなこともある環境です。また、10月・5月に雪が降ることもあります。

根雪として残る期間は大変長く、11月時点から雪が増え始めることが多く、その後5月頃にかけて豊富な残雪が見られ、6月にも雪が残っていることが特徴です。

なお、八幡平一帯のドライブルートである「アスピーテライン・樹海ライン」は冬期通行止め期間が長くなっています。冬場は厳しい自然環境となるため、標高の高いエリアに観光などで訪れることは出来ません。また、開通期間であっても雪がしっかり降る場合、一時通行止めになるケースがあります。

雪の量・降り方は?

ポイント

・数m以上積もるような極端な豪雪地
・気温が低く急激に積もりやすい
・平地とは環境が全く異なる
・春の道路開通時でも「数m」の雪の壁が見られることが多い
・冬の雪の量、春の気温に応じ「雪の壁」の高さは異なる

八幡平一帯は、標高が場所によっては1,500m以上に及ぶため、気温が極めて低く、雪はどんどん積もるエリアです。積雪は「数m」に及び、吹き溜まりなどの環境では10m以上に及ぶことも考えられます。八幡平市の「平地(市街地)」では50cm以上の積雪で「大雪」と言える環境と比べ、全く異なる環境・別世界とも言える状況です。

「雪」に関する観光の目玉としては、ドライブルートである「アスピーテライン・樹海ライン」が開通してからしばらくの間ご覧頂ける「雪の回廊(雪の壁)」が知られています。高さは雪が多い年は7〜8mに達する区間もある一方、その年の雪の量・春の気温にかなり大きく左右されます。冬の雪が少なめで、春の気温も高いようなシーズンは、そこまでの高さには達しない場合があります。

雪の要因は?

ポイント

【最大の要因】冬型の気圧配置
【その他要因】低気圧・気圧の谷の影響など

八幡平一帯で雪が降る基本的な要因は、「西高東低」の「冬型の気圧配置」です。

雪は日本海から流れ込んだ雲が、奥羽山脈一帯にあたる八幡平周辺で雲を発達させ、大量の雪を降らせるというパターンが基本です。

冬型の気圧配置は長期間続くこともあり、その場合は連日雪が降り続くといった状況も生じます。

また、気温が低いこともあり低気圧・気圧の谷など冬型の気圧配置以外の要因で雪が降ることも珍しくありません。

注意点など

雪のシーズンはアクセス道路である「アスピーテライン・樹海ライン」が通行止めとなり、アクセスすることが出来ません。八幡平観光で「雪を見る」場合、主に春の道路開通後に「雪の回廊(雪の壁)」をご覧頂くという形、雪解けにより生じる名物「ドラゴンアイ」をご覧頂くという形などが基本です。

通行止め期間でない時期であっても、気温が低い期間は夜間通行止めの措置が行われるため注意が必要です。昼間についても、積雪・路面凍結が新しく生じれば一時的に通行止めとなり、アクセス出来なくなる場合があります。

「雪の回廊(雪の壁)」の圧巻の風景は、それほど長続きする訳ではありません。「見ごたえ」という観点からは、雪を見たい場合5月の大型連休頃までの訪問が一つの目安と言えるかもしれません。なお、年ごとに積雪状況の差は大きいため、必ず観光関係の機関などが発信する公式的な情報・最新の情報をご確認頂く必要があります。

龍の眼のように見えることから「ドラゴンアイ」と呼ばれる「鏡沼」内の特徴的な雪解けは、「雪の回廊」のシーズンが終わった後、5月下旬〜6月上旬頃に生じることが多くなっています。こちらも、年ごとの状況に差があるため、必ず観光関係の機関などが発信する公式的な情報・最新の情報をご確認頂く必要があります。