青森県の「雪が多い所・少ない所」は?

自然・気候

青森県内は、一般に「雪国」として有名な地域ですが、県内でも地域によって雪の量には極めて大きな差が見られます。

こちらでは、いくつかの指標(テーマ)に基づき、青森県内の「雪が多い所・少ない所」を見ていきます。

当記事内の全ての情報は2023年時点の状況に基づく「過去の一般的な傾向」を解説するものです。実際の状況はその時々の気象条件に応じ様々に変化する場合があります。

県内の市で最も雪が多い所は?

TOP3(市街地)

1位:青森市
2位:弘前市
3位以下:五所川原市・平川市・黒石市

青森県内にある「市」で、雪が最も多い地域は県庁所在地である青森市です。積雪は市街地でも1.5m以上に達する場合があり、他の地域と比べ積雪が多い傾向があります。

全国を見た場合、「最も雪が多い都市」が県庁(道庁)所在地であるケースはこの青森市のみで、特殊な状況と言えるでしょう。

次いで雪が多い市は、こちらも比較的規模が大きな「弘前市」であり、年によっては1m以上の積雪となっています。

3番手(はっきりした順位の判断は難しい)としては、弘前市の北側・青森市の西側に位置する「五所川原市」、弘前市の近くに位置する「黒石市」・「平川市」が挙げられます。

気象庁の観測地点で最も雪が多い所は?

TOP3

1位(全国1位):酸ヶ湯アメダス(平年最深積雪3m台後半以上)
2位:青森地方気象台(平年最深積雪101cm)
3位:碇ヶ関アメダス(平年最深積雪94cm)

※この他データが不足している「青森大谷(青森空港)」アメダスも雪がかなり多い特徴あり
※データは気象庁の平年データ(1991〜2020年)

気象庁が青森県内で観測している地点で見ると、雪が最も多い地点は全国で最も雪が多い観測地点としても有名な「酸ヶ湯」アメダスが挙げられます。

こちらは、年間の平年最深積雪データは不備により公式データがないものの、各月ごとの平年のデータがあるため、そちらを参考にすると平均すれば3m台後半以上の極端な量の積雪がある地域となっており、過去には5m以上の積雪を観測したことがあります。

次いで多い観測地点は、青森市の青森地方気象台(青森市街)であり、平年の年間最深積雪は、全国で唯一1mを超えています。

3番手は、平川市の南部に位置する「碇ヶ関」アメダスとなっています。なお、平年の年間最深積雪は弘前などと大きな差はありません。

この他、近年に積雪観測を開始した「青森大谷(青森空港)」アメダスは雪がかなり多く、平年データはないものの、実質的には青森地方気象台より雪が多い地点となっています。

なお、あくまでも「気象庁」の観測地点ですので、別途自治体が観測している地点などを含めると、多い地点は異なる場合があります。

人が住む場所で最も雪が多い所は?

推定の状況

1位:酸ヶ湯温泉周辺
2位以下:黒石市大河原「沖揚平
など

自治体や気象庁の観測地点などを考慮せずに、人が一般的に住む場所で雪が最も多い場所については、最も雪が多い地域は、観測地点と同様で「酸ヶ湯温泉」周辺が挙げられます。

2番手以下は判断が難しい点がありますが、標高などを考慮すると、酸ヶ湯温泉に比較的近い黒石市大河原の「沖揚平」地区が特に雪が多いと言えるでしょう。

それ以下については、順序を付けた判断は容易ではありませんが、黒石市・平川市の山間部の集落、岩木山の西側山麓一帯や、西目屋村の津軽ダムに近い地域などは県内でも特に雪が多い地域の一例と言えるでしょう。

山地で雪が最も多い所は?

推定の状況

・八甲田山周辺が最も多い
・次いで岩木山周辺など

人が住む場所を考慮せずに「山地」で考えた場合、県内の山地はどこであっても極めて雪が多いですが、その中でもとりわけ雪が多い山地は酸ヶ湯温泉一帯が含まれる「八甲田山」周辺です。

八甲田山は地形や風の吹き方の関係上、雪雲が発達しやすい環境で、酸ヶ湯の積雪で知られている通り、車でアクセス可能な場所であっても3〜4m以上などの積雪が見られます。

また、日本海からの距離が近い岩木山周辺、白神山地一帯も雪は極端に多いと言えるでしょう。

雪が少ない所は?

沿岸部(市街地)の場合

・八戸市周辺
・大間町周辺

雪が多いイメージが強い青森県内で「比較的雪が少ない」場所は、日本海からの雪雲の影響を受けにくい場所となります。

一般的にも知られている通り、太平洋側に位置する八戸市周辺は、沿岸部や市街地一帯は県内では雪が特に少なめの地域です。積雪は青森市と比べると極端に少なく、根雪とならない年もあるため冬場でも「ゼロ」となるケースが珍しくありません。

また、大間町の沿岸部も雪が少ない地域です。こちらは一見すると津軽海峡経由で日本海からの雪雲が流れ込みやすそうな条件に見えますが、雪雲を発達させる環境に乏しいことなどから、大雪となる機会は限られます。八戸よりは雪がやや多いと言えますが、青森市や弘前市と比べると雪の少なさは明らかです。

この他には、「少ない」とは言えないかもしれませんが、日本海に直接面する深浦町の沿岸部も、県内では比較的雪が増えにくい傾向にあります。