阪神電車「特急」の基礎知識

交通・地理

大阪〜神戸方面を結ぶ「阪神電車」は、阪急・京阪電車などと同様に最も所要時間が短い電車として「特急」を名乗る電車を運行しています。

こちらでは、阪神電車の「特急」について、その種類や運行本数・料金・車両など、ご利用頂く上での基本となる情報を解説していきます。

情報は全て2023年現在のものです。その後状況が変化する場合も考えられますので、その点はご了承下さい。

特急の種類・停車駅・所要時間

●:停車  ▲:一部が通過  ↔・←:通過
停車駅直通特急・特急
大阪梅田駅0分
尼崎駅7分〜
甲子園駅
(朝の直通特急は一部通過)
12分〜
西宮駅15分〜
芦屋駅19分〜
魚崎駅22分〜
御影駅25分〜
神戸三宮駅31分〜
元町駅33分〜
元町以西は神戸高速鉄道・山陽電鉄線方面へ直通
停車駅通勤特急
御影駅0分
魚崎駅2分〜
青木駅4分〜
深江駅10分〜
芦屋駅13分〜
打出駅15分〜
香櫨園駅17分〜
今津駅20分〜
甲子園駅23分〜
尼崎駅30分〜
野田駅38分〜
大阪梅田駅41分〜

阪神電車(阪神本線)では、特急を名乗る電車として「直通特急」・「特急」・「区間特急」の3種類の列車があります。

うち、一般的に「特急」と呼ばれているものは「直通特急」と「特急」の2種類であり、1日のほとんどの時間帯で運行される「阪神電車の主力」と言える存在です。

区間特急については「平日朝ラッシュ時」に「大阪梅田方面行き」の電車のみが「御影駅始発」で運行されるものです。停車駅は「西宮駅」を通過する代わりに本来特急が停車しない駅にも停車するという「千鳥停車」が特徴で、必ずしも所要時間が短い「特急」の性質を持つものではなく、通勤の需要に特化した特殊な列車となっています。

観光や土日祝日のおでかけなどでは、基本的に区間特急以外の直通特急・特急を利用する形となります。

運行本数・運行時間帯

種別運行形態運行本数
直通特急一部早朝・深夜を除くほとんどの時間帯で運行1時間4〜5本程度
特急一部早朝・深夜を除くほとんどの時間帯で運行1時間1〜3本程度
区間特急平日朝ラッシュ時に梅田行きのみが運行7本のみ

阪神本線の「特急」系統の電車は、昼間の場合1時間6本(約10分間隔)、朝ラッシュ時間帯や夜間の場合1時間5本(約12分間隔)で運行されるパターンが基本です。

直通特急は概ね1時間4〜5本程度ですので、その間に特急を一部で挟む形で合わせて5〜6本程度となっています。

料金

阪神電車の「特急」と名乗る電車は、普通や急行・快速急行などと同じく、通常の「運賃」だけでご乗車頂けます。

特急料金という仕組み、指定席車両といったサービスは特にありません。京阪・阪急などで設置・計画されている有料座席サービスについては、実験的な運行がなされたことはあるものの、2023年現在本格的な運行へ向けた情報などはありません。

現状「どの列車でも同じ運賃」で利用できる「お財布に優しい」鉄道となっています。

混雑・車内(座席)

阪神電車の直通特急・特急・区間特急は、全て6両編成での運行です。

JR線の新快速が最大12両・阪急線の通勤特急が最大10両、特急や準特急が8両である状況と比べ、阪神電車の「輸送力」は限られており、ラッシュ時間帯や野球の試合が開催される場合などは、かなりの混雑が見られることもあります。

座席については、車両の位置や編成(列車)により異なります。JRで見られるような進行方向を向いた「クロスシート」もあれば、一般的な通勤電車で見られるような「ロングシート」もあります。

車両は阪神電車の車両とともに、乗り入れる山陽電車の車両も多く使用されており、「クロスシート」の割合は山陽電車の車両で運行される場合の方が高くなっています。

列車によっては全てロングシートの場合もありますので、必ずしも乗るたびに同じような座席に座ることが出来るとは限りません。

甲子園へは特急で行ける?

阪神甲子園球場へは、一部朝ラッシュ時間帯の直通特急を除き、全ての「特急」と名乗る列車が停車します。

野球観戦などで訪れる場合は、大阪梅田・神戸三宮方面からの場合、多くのケースで「直通特急・特急」の利用が便利です。

また、野球の試合が開催される際には、途中ノンストップの「臨時特急」が運行される場合があります。こちらは、試合の時刻に合わせての運行ですので、大変使いやすい電車となっています。

快速急行と特急の違いは?

直通特急・特急・昼間1時間6本程度運行
神戸三宮方面〜大阪梅田方面を結ぶ
・快速急行が通過する御影駅、一部通過する芦屋駅に停車
・快速急行が停車する場合がある武庫川駅や今津駅は通過
快速急行・昼間1時間2〜3本程度運行
神戸三宮方面〜大阪難波や奈良方面を結ぶ
尼崎〜大阪梅田間の運行はなし
・直通特急、特急が通過する武庫川駅や今津駅に停車の場合あり
・直通特急、特急が停車する御影駅は通過、芦屋駅も一部を除き通過

阪神本線には、特急に加えて停車駅が少ない電車として「快速急行」が運行されていますが、こちらは大阪梅田は通らずに阪神本線内は「神戸三宮〜尼崎間」のみの運行で、尼崎からは阪神なんば線・近鉄奈良線方面との直通運転を行っている電車です。

快速急行はあくまでも「梅田へ行かない」電車ですので、その点はよく注意した上でご乗車して下さい。

また、両数の関係などもあり、直通特急・特急が停車する一部の駅を快速急行が通過する一方で、快速急行だけが停車する駅もあるなど、利用する駅によっては注意が必要な場合があります。

まとめ

Q
阪神電車「特急」の種類・本数は?快速急行と何が違う?
A

阪神本線では大半の時間帯で「直通特急」と「特急」が最速の電車として運行されており、合わせて1時間5〜6本程度ご利用頂けます。

また、平日朝ラッシュ時に7本のみ、停車駅が異なる「区間特急」も運行されています。

快速急行との違いは「特急は大阪梅田発着・快速急行は難波や奈良方面と直通」する点、一部停車駅が異なる点などがあり、快速急行は阪神本線内では神戸三宮〜尼崎間のみ利用可能となっています。

Q
阪神電車の特急は料金が必要?
A

通常の「運賃」を払うのみで、特急料金はなしでご利用頂けます。

Q
特急の混雑は?車内の状況は?
A

6両編成のみですので、ラッシュ時・野球試合開催時などは混雑が激しくなる場合があります。

座席はJRの新快速で見られるような「クロスシート」と、一般的な「ロングシート」が混在しており、列車により座席の状況が異なる場合(クロスシートありの場合・全てロングシートの場合など)があります。